58話 翌週 A Week Later, Something Had Changed 【青春編】波打際スケッチ Sketches of the Shoreline ~AIと創る青春物語~
翌週、放課後の練習が始まった。

マリカ先輩は、目の前のミツヤをまっすぐに見ようとせず、
どこか恥ずかしそうに視線をそらしていた。
みんなに対しても、曲の表現や気になる点を指摘はする。
けれど、いつものように怒鳴ることはなかった。

ユウスケ先輩がちらりとミツヤを見る。
――何かあったのか?
合唱コンクールは目前だった。
実は、BBQに誘ったときにミツヤが断られた理由がこれだった。
「大切な時期だから遊びには行けない」
そう言われたのだが、
「大切な時期だからこそ」と粘った結果、しぶしぶ・・・というのが実態だった。
パート練習では、サビの一番気持ちよく声が出る部分で
“ビブラートをかけない”などの注意点を再確認する。
全体練習に戻り、何度か通して歌う。
指揮をしていたマリカ先輩は、全体を見渡しながら言った。
「今は大切な時期です。体調管理に気をつけて、のどを痛めないようにしてください。」
そう言うと、指揮台を降りて練習を終わらせた。
――まだ時間は残っているのに。
ユウスケ先輩は、もう一度ちらりとミツヤを見た。

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