157話 妥協 Compromise — Behind the Younger King 【エジプト編】波打際スケッチ Sketches of the Shoreline ~AIと創る青春物語~
アメンラー王国は、後継者が決まらない期間が長く続く。
通常ならば、正妃の二番目の子、ネフェルイウリアでよいはずだった。
が、不安定な時期に女王は好ましくないという宮廷の派閥があり、弟のトトメスを推す派閥の勢いが強まった。
もめにもめていた中で、王太后が仲裁に入った。
「王をトトメスに、王妃をネフェルイウリアに。」
これで丸く収まるはずだった。

ネフェルイウリアの母は、王太后:ネフェルセトだが、トトメスの母は、イセトである。
イセトは、アメンラー王国に属する領主国(公国)であるネブセド国の大臣の娘だ。
王族との婚姻ということもあり、イセトは、領主:ネブカム公の養女になっている。

つまり、母后:イセト その子:トトメスの背後には、ネブセド国が付いているのだ。
王太后の苦肉のウルトラCともいえた妥協策は、必ずしも完璧な策ではなかったのである。
ユリアは、ここで目を覚ました。
いつも通り汗でびっしょりである。
毎日のように汗をかいているので、着るパジャマはもうない。
今日は、下着姿で寝ている。
大胆にもその場で着替え始めた。
「どうせ、私のヌードなんて見たい人もいないだろうし・・・」
思った瞬間、脳裏をシンゴが通り過ぎた。

誰もいないにもかかわらず、かけていた布団で胸を隠した。
ちょっと恥ずかしそうに目を伏せたユリアが、小さい声でつぶやいた。
「未熟者め」

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