128話 先約 The Promise I Chose, The Pride I Regret 【青春編】波打際スケッチ Sketches of the Shoreline ~AIと創る青春物語~
今度の休みに、みんなで芋煮会に行くことになった。
里芋と肉と野菜などを入れて鍋を作る――その時点で、もう楽しそうだ。
豚肉と味噌で仙台風。
牛肉と醤油で山形風。
どちらが良いか意見は分かれるだろうが、結局どっちでもおいしい。

今回こそはとシンゴも頑張って誘ってきた。
ユリアも正直、困った。
断る理由がない。
かといって、いそいそとついていくのも恥ずかしい。
苦労してひねり出したのが「先約がある」だった。
事実、その日は道場に行く日だ。

だが、いつものように道場に来たユリアは、上の空だった。
「いまごろ、みんなは楽しくやっているに違いない……」
頭の中には、笑い合う輪の中に自分がいる光景が浮かんでいる。
「つまらん意地を張ってしまったものだ……」
一人、ひたすらに竹刀を振る。
どうしても涙がこぼれてくる。
「ええい……未熟者め」

いつものセリフを繰り返しながら一人涙を流しているユリアを、
道場の仲間たちは不思議そうに遠巻きに見ている。
素直になればよかっただけなのに。
ユリアは、竹刀を握りしめてまた言った。
「……未熟者め」

動画 選挙 Video,Losing to Win は、5/6 134話、選挙 Losing to Winにて掲載いたします。
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