第5話:フィルター越しの断頭台(記録No.016)|後編|管理官ニナの記録室|真相の標本箱
はじめに
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本編
【後編:鏡の裏(うら)】
(知り合いじゃない。武器もない)
(なのに、死を予感した?)
拓海の思考が加速する。
(“見ただけ”で危険だと分かる……?)
指先を見る。
その瞬間。
何かが、繋がった。
「……質問だ」
「事件が起きてたか?」
「はい」
「目撃した?」
「はい」
「……男は、それに気づいてる?」
「はい」
沈黙。
そして――
「……分かった」
拓海は笑った。
勝ちを確信した顔。
「簡単な話だ」
「男は、見られた」
彼は、ゆっくりと指を立てる。
「だから――」
二本。
「逃がさない、ってな」
静寂。
ニナは何も言わない。
ただ、その指先を見ている。
「……なんだよ」
拓海の声が揺れる。
「それで終わりか?」
ニナは、わずかに首を傾けた。
「あなた」
「今、“同じこと”をしたわね」
「……は?」
「見えない場所から」
「相手の居場所を、特定する」
言葉が、落ちる。
拓海の呼吸が止まる。
「違う……俺は……」
「そうね」
ニナは一歩、近づく。
「あなたも、いつもそう言っていたわ」
「画面の向こうで」
「無防備な誰かを、遊びで壊していたときも」
沈黙。
「教えてあげる」
ニナの声は、静かだった。
「あなたが壊した“その後”を」
――窓の外の男。
――あれは、ストーカーじゃない。
「娘を壊された父親よ」
空気が凍る。
「あなたが、見つけなければ」
「彼女は、見つからなかった」
拓海の喉が鳴る。
ニナは、最後に言った。
「ピースサインって、便利よね」
「平和にも見えるし」
「“死刑宣告”にも見える」
—チャリッ
「……チェックメイト」
絶叫は、途中で途切れた。
世界が閉じる。
静寂。
ニナはカップを手に取る。
口に運ぶ。

「――?」
味が、ない。
紅茶だったはずの液体は
ただの“情報”になっていた。
(また……)
何かを失っている。
脳裏に走る、違和感。
—誰かを、特定する感覚。
白い手袋。
冷たい判断。
(私は……)
コツ。
音がした。
振り返る。
そこに、男がいる。
漆黒のスーツ。
シルクハット。
口元だけが、笑っている。

「いいね」
「実にいいデバッグだった」
「……編集長」
男は、ステッキで床を鳴らす。
コツ、コツ。
「君は、どんどん美しく壊れていく」
「特定する側の怪物だったかもしれない」
「その味は、どうだい?」
ニナは、何も答えない。
ただ。
スカートを、強く握っていた。
「帰って」
「……用がないなら」
男は笑う。
そして、消える。
音だけを残して。
静寂。
ニナは、目を閉じる。
胸の奥のざわつきを
ただ、見つめる。
(第5話・了)
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ミナトさん、、また面白そうなプロンプトを、、!ありがとうございます!!


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