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良質な映画を見る「みんな元気」(Everybody’s Fine) |「マイ・ルーム」(Marvin's Room)

2作品とも家族がテーマです。

「みんな元気」(Everybody’s Fine)
「マイルーム」(Marvin's Room) 

たまたまですが、ロバート・デニーロが両方に出演しています。
といっても「マイルーム」では、
ダイアン・キートンの主治医の役でほんの少しだけ。
わざわざロバート・デニーロが演じるほどでは?
と思いましたが、友情出演みたいなものだったのでしょうか(笑)

冒頭からロバート・デニーロをべた褒めしますが、
この方はできない役がないのでは?というほど、
どんな役でも心揺さぶる演技です。
ミスマッチはないですねー。

まぁ、私としては、
やっぱりマフィアとサイコの役が一番好きです☝🏻

凄味のある役をやったら右に出る人はいませんよね。

そのうえ、「恋に落ちて」のような普通の中年男性役の恋愛もの、
「ミート・ザ・ペアレンツ」「アナライズ・ミー」のような
コメディも完璧という「もはやライバルなし」の俳優。
ファンというよりも尊敬。

そんなロバート・デニーロ演じる年老いた父親が、
離れて住む子供たちを電車やバスを乗り継いで
訪ねていくロードムービーとも言えるのが
「みんな元気」(Everybody’s Fine)

若者が旅していくストーリーはありがちですが、
老年男性が旅するというのは、あまりないかなと思います。
現代の高齢化社会の現実を反映しつつ、
不毛なテーマである「家族愛」
とても現実的に、同時に現代社会の様々な問題
離婚、ドラッグ、同性愛etcを
分かりやすく取り上げています。

中盤までは、嘘で塗り固められ、
父親の期待はことごとく裏切られ、
テンデンばらばらの悲しい家族の話のように見えます。
が、その嘘は全て「愛情」と「思いやり」
そこから発したものだったのです。

誰もが父を想うがあまり、本当のことを言えなかったー
子供たちは決して父を疎ましく思っていたわけではなく、
常に想い、愛を求めていたのです。

死んだ妻も同じでした。
夫を想っているからこそ、傷つけたくなく、
失望させたくなく、死ぬまで嘘を突き通していました。

嘘で成り立っていた平和な日々は崩れ去り、
自慢の子供たちの姿は単なる幻想に過ぎませんでした。
と、ここまでは絶望的で悲しいばかりですが、
人生悪いことばかりではありません。

それでも人は希望を捨てず、
受け入れ、
信じて、
寄り添いあいます。

何故?

「家族」だから
「愛している」から

父親が数十年もの間、信じていたものは全て崩れ去り、
悲しい出来事が続きました。
誰もが傷つき、悲しみ、涙を流しました。

本当のことを言えなくて、子供たちはみんなつらかった。

それでもー
絶望と悲しみに打ちひしがれた後、
やってくるものは、やはり「希望」なのでした。

全てを受け入れた父親は、
新しい家族の在り方を自ら受け入れるのです。
そして子供たちも、厳しく恐い人ではあるけれど、
あらためて父親への愛情を確信します。

「何はどうあれ、『みんな元気』なら、
もうそれでいいよ。
俺たちは家族なんだからさ」

そんなシンプルで暖かいメッセージが伝わってくる映画でした。

お父さん、大好き
みんな、大好き
最後にそうつぶやきたくなる作品です。



「マイルーム」(Marvin's Room) は、
離れて暮らしていた正反対の性質の姉妹が、
姉の病気や妹の子供のトラブルをきっかけに、
心を通わせていく話です。

いい子ちゃんの長女と、ひねくれものの次女の間で起きる摩擦や
不和といった話は、ありがちといえばありがちー。
ですが、俳優陣が絶妙で、とても奥の深い作品となっています。

メリル・ストリープは「女デニーロ」と言われるだけあって、
ロバート・デニーロと同じように、
どんな役でも怖いくらいリアル😨

似合わない役がない、ミスマッチなし!
と思えるのは、偉大な女優という証拠ですよね☝🏻

ひねくれていて、言うこともキツイ妹、
でも、彼女なりに色々抱えています。
そんな妹役を驚くほど生々しく演じています。

夫の暴力が原因で離婚、
一人で男児二人を育て(長男は問題児)、
美容師になる夢を捨てず、実家に頼らず
なんとか歯をくいしばって生きてきた妹と、
いい子であり続け、
結婚せずに両親と叔母の面倒をひたすら見続け、
自分も癌に冒されている姉は、
色々なことをきっかけに少しずつ歩み寄るようになります。

そうはいっても、長い間音信不通だった姉妹が
そう簡単に歩み寄れるわけはなく、
様々な想いと複雑な心理が絡み合い、
衝突を繰り返します。

特に、攻撃的な性格の妹は、何かというと突っかかります。
小さいころから「いい子の姉」に対する劣等感や、
両親や周囲の愛を独り占めする姉への嫉妬が、
そうさせるのです。
これは現実でも、本当によくあることですよね。

ダイアン・キートン演じる姉は、
そんな妹に言いかえすこともなく、
ただただ遠慮がちな態度。

レオナルド・ディカプリオが長男役なのですが、
若い! かっこいい!麗しい!
こういう役をやった方がいい!
当時はまだ22歳頃、タイタニックの前あたりかな。
やたら派手な役どころが多いけれど、
こういう奥の深い役をやった方がいい。
演技力が映えます。

傷ついて、心にトラウマを抱える息子役が秀逸です。
見た目だけでなくて、演技力もあるんだぞ!
そう思わせてくれました。


姉妹の関係が徐々に変わり始めるところから、
心にじんわり響いてきます。

死への恐怖を少しずつ表し、
やっと感情を表に吐き出すようになった姉、
肩肱を張って強気でやってきたけれど、
悩みの種だった問題児の長男が、
何故か姉には心を許すのを見て、
どこかホッとし嬉しくなる、
どうにかして姉を助けたいと思うようになる妹。

妹が家を飛び出して以来、
ずっと音信不通だった姉妹、
けれど、やはり想っていたのです、
お互いをー

一番心に突き刺さったのは、
姉が倒れた時、妹が代わりに父親と叔母の面倒を
見ることを覚悟する場面。

妹は不安に押しつぶされそうに。
年老いた父親と叔母、癌で余命いくばくもない姉、
私が面倒を見ていくの?
私の人生はどうなるの?
一人でやっていけるの?

キッチンの流しに立ちながら、
不安に押しつぶされ、逃げ出そうとします。

理性を失い、やみくもに荷物をまとめている時、
つかの間の家出をしていた長男が戻ってきます。

「何してるの?」

長男にそう聞かれて、妹は我に返る。
そして、覚悟をするー
ここで生きていこう、と。 

メリル・ストリープダイアン・キートンの名演技が、
決してぶつかることなく、
超絶シナジー効果をもたらせた名作です。


両作ともに、良い映画です。


どちらもショッキングでドラマティックな出来事はないけれど、
「家族を想う気持ち」
捨てようと思っても捨てられないもの、
そんなことを、もう一度思い出させてくれます。

「受け入れる」 ということ

 
こういう映画が好きです。


~最後まで読んでくださった方へ~
心よりありがとうございました😊

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