19時01分の夕影
あなたが好きでした、感傷の海に沈みながら聴く桃色は気持ちよくて気持ち良くて気持ち悪かった。雨雲と若草、ハイツ下のインド料理屋、遠くは救急車の音。跡地、シャッター、駐車場。停止信号と誰かの苛立ちをリネンで包み込む。晴雨兼用の自分を少しばかり愛したい日、斜め前は片耳のイヤリング、ぶら下がるペンギン。あなたの記憶が散らばった場所は住宅街から飲み屋街に変わってしまいました。大切なものはいつも、とうに壊れていて、順番を抜かしたあの喧騒だけが残る。鞄を何だか机にも床にも置きたくなくて肩に掛けたまま。日が短くなってゆく、狂おしいほどの季節に、冷凍パスタのようなあなたが絡まった。カップリングの群青まで辿り着けない。

