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高齢の母とした富士登山①|突然の雨と山小屋の奇跡、母と娘の二人旅。

母は昔からとにかく元気な人でした。

ある日、突然かかってきた電話で、
「富士山に登りたいの。一緒に来てくれない?」
と言ったりしちゃうくらいに(笑)

「山歩きもしたことのない人が正気ですか??」と耳を疑ったけれど、一度決めたことは絶対の彼女だから、選択肢はなさそうだと私は諦めたのでした。

おまけに、
「一眼レフと望遠レンズ2本持っていきたいの。でも重たいから、登山中に持っていてくれる?」
その言葉に、「ほら、きた」と思う私。

彼女はカメラ好きで、
今回の富士登山も、その根源は「最高の一枚を求めて」だったのでした。

そうして、山歩きなんてしたことない母と私は、
大きな不安と(これは私)、たくさんの希望を胸に(母のみ)、快晴の中歩き出したのでした。


予想外、からの軌跡展開へ

出だしは快調。
2人とも軽快に、日本一のお山を登っていました。

そういえば、
母はあの時、いくつだったのだろうか。
はっきりとわからないけれど、60後半あたり?

どうしてそこまでして感動的な一枚を求め、
そしてそれがなぜ富士登山なのか私にはわからなかったけれど、夢見る彼女のパワーはすごいなぁと歩きながら思う私がいました。

そして、そんな彼女のお手伝いが出来ることに、どこか嬉しさもありました。

ただ順調な山登りも、
途中の大雨で、全てがひっくり返ることに。

横殴りのすごい雨が急に降り出したのです。

ちょっと待って!
えー!と動揺する私。

「お母さん!カッパ出して!」

ヤバい。
母を守らなければ。
あぁ、でもカメラも濡らしちゃいけない...!

どこかで雨宿りか?!
で、でもどこでー?!

訳がわからなくなる私。

次第に雨にやられてうずくまる母を目にし、
富士のお山の山肌で、どうしていいのか泣き叫びたくなる私でした。

ちょっとー、どーしたらいいのよー!!

そんな私たちに救いの地「山小屋」が、近くにあることがわかり、私は一人向かいました。

助けて、
母を、
とにかく母を。

その気持ちひとつ抱えて入り口を探しました。

でも、見つけた瞬間、愕然となった。
玄関には宿泊を求める人でごった返していたからです。

そりゃ、そうだ。
みんなそうだよね...。
これはあかん、無理だ...。

と固まる私。

母のもとに引き返し、
「すごい人だった。どうしよう。
でも小屋に入りたいよね...?」と聞くと、
言葉もなく頷くだけの母。

ここは何としても、突破しなければ...!
と、意を決し、小屋の入り口へ再び向かう私がいました。

人だかりの塊の端から、何とかスタッフの人の前までたどり着き、必死でお願いをしました。

雨はまだ強い。

「年配の母がいて、彼女だけでも今晩一人寝かせてもらえませんか?!」

私より10歳くらい上の男性は少し思案する表情をしてから、小声で私に言ったのでした。

「あそこの角を曲がったところに扉があるから、2人で入って来なさい」

ん???と思いつつ、雨に当たってキツかったのと、母が心配で訳も分からず、言われたように扉を開けた私たち。
そこにはさっきの男性が立っていました。

母はもう、だいぶ体力を消耗していて、
ぐったりしている。

「ここに寝たらいい」
男性はそう言ってくれ、敷布団を掛け布団代わりに重ねた寝床に私たちを導いてくれた。

見渡すと、すでにたくさんの登山客が寝ていて、私たちは奇跡的に残っていた2人分の寝床にたどり着いたようなのでした。

奇跡すぎる...
助かった😭

今思えば、何で先に山小屋予約しなかったんかい!と不思議でならないのですが、雨からの一連の出来事は今でもよく覚えている。

あの時の男性には、「残2」の寝床を母と私に当ててくれて、本当にありがとうと感謝が溢れます。

外にはまだ雨に当たりながら宿泊を求める人が大勢いました。

申し訳ない気持ちでいっぱいだったけど、母を守れた安堵の思いがどうしても私を占領していきました。

すみません。
でも助かりました...

心の中で何度も手を合わせた私。

それにしても、疲れたー、
あぁ、でも良かったー😭

頭はごちゃごちゃ。
そして体は冷えと疲労でぐったりです。

こうして、「残2」の寝床に、母と滑り込むことができ、冷え切った体を横たえた1日目の夜を過ごしたのでした。


次回へ続きます🌧️⛰️🌧️



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