「疲れの正体は筋肉じゃなくて"脳疲労"だった」CNS疲労という概念で練習が変わる
どうも、足ひれ社長のヨシです。
レース後半、練習終盤、急に身体が言うことを聞かなくなるあの瞬間。
「筋肉が疲れた・・・」
「息が上がりすぎた・・」
「体力の限界だ・・・」
これらが原因だと、ずっとそう思ってませんか?
でも、違ったんです。
実は、脳が先に疲れていたんです。
「え?脳?水泳で?どういうこと?」
ってなりますよね。私も最初はそうでした。
でも、これに気付いてから練習の見方が180度変わりました。そして、私が選手ながら無意識にやっていたことや、なぜあの時あんなに急に動けなくなったのかなど、その謎がやっと解けたんです!
今日は疲労は疲労でも、ちょっと変わった「脳疲労」という切り口で解説をしていきたいと思います。あなたの疲労の正体をはっきりさせて、練習でやるべきことを明確にしていきましょう!
現役時代、何度も経験した"あの崩壊の瞬間"
私も選手時代、400mサーフィスの日本記録を狙っていた時期がありました。
前半100mは完璧。疲労感もタイムも理想通り。
中盤になっても身体はまだ元気だし、苦しさもそこまでない。
「よし、このペースなら日本記録いける!」
そう確信して、後半に入りました。
でも...
250m過ぎたあたりから、急に身体が「別物」になったんです。
骨盤の角度が保てない。
キックが沈み切らず水上に跳ね上がる。
上半身が安定しなくなる。
胸や腰が反る。
「え?なんで?さっきまで完璧だったのに?」
力は入れてる。むしろ前半より必死に動かしてる。なのに、思うように進まない。
そして頭の中では...
「やばい、遅れ始めてる…」
「もっと強く蹴らなきゃ落ちる…」
「なんでここで急に動かなくなるんだ…」
焦れば焦るほど、身体はバラバラになっていく。
結果、後半で大失速。日本記録どころか、自己ベストにも届かない。
当時、自分はこう分析してました。
「持久力が足りなかった」
「筋持久力が課題だ」
「もっと追い込まないと」
そしてその後、さらにキツい練習を積んだ。
でも...同じことが何度も繰り返されるんです…。
あなたにも、こんな経験ありませんか?
この状態になったとき、きっとあなたもこう思ったはず。
「あー、筋肉が疲れたな」
「体力が足りないな」
そう。自分も完全にそう思い込んでいました。
でも、その瞬間、実はあなたの身体の中では...
動かす"司令塔"である脳(中枢神経)が先に疲れている状態になっていたかもしれません。
CNS疲労という概念
レース後半の失速、それ筋肉や体力だけの問題じゃなくて、脳の処理能力が落ちてることも原因のひとつなんです。
スポーツ科学の世界では、これをCNS fatigue(中枢性疲労)と呼ぶんです。
簡単に言えば、「脳や神経の処理能力が落ちて、身体を思った通りに動かせなくなる現象」のこと。
ここがめちゃくちゃ重要なんですけど...筋肉の疲労とは、まったく別物なんです。
筋肉がまだ動く力を残していても、 脳の処理能力が落ちれば、身体はうまく動かせない。
わかりやすい例で言うと...
スマホの動作が重くなる現象
バッテリーは70%残ってる。
でも、アプリを10個も20個も開きっぱなしにしてると、 動作がカクカクになりますよね?
これって、電力(バッテリー)の問題じゃなくて、 "OS(脳)"の処理能力が限界を迎えた状態。
水泳やスポーツでも、まったく同じことが起きてるんです。
筋肉(バッテリー)には余力がある。 でも脳(OS)が先に限界を迎えて、 動きがカクカクになる。
これがCNS疲労の正体です。
脳が疲れると、最初に崩れるのは"姿勢"
脳が疲れたとき、最初に壊れるのは「力」じゃないんです。
最初に壊れるのは、"姿勢の微調整"。
具体的には……
骨盤の前傾が保てない
腰が反りはじめる
足が根元から持ち上がる
上半身のブレが大きくなる
キックの切り返しが遅れる
ダウン&アップキックのバランスが崩れる
あなたが感じた、「後半急にフォームが崩れた瞬間」の正体って、実はこれなんです。
筋肉の疲労より先に、司令塔のコントロール能力が落ちている。だから、いくら力を入れても、 身体が"バラバラな動き"になってしまう。
なぜ水泳は脳疲労が起きやすいのか?
陸上競技に比べて、 実は水泳って特に脳疲労が起きやすいスポーツなんです。その理由は3つあります。
① 呼吸制限(CO₂の蓄積)
水中では呼吸が自由にできないため、 血中のCO₂が増えて、脳の酸素供給が低下します。つまり、脳の処理能力が落ちやすいんです。
② 水中環境の"やらなきゃいけないこと"が多い
水中って、常に不安定ですよね。陸上に比べて、姿勢を維持するためにやらなきゃいけないことがはるかに多い。つまり、脳が常にフル稼働している状態。
③ 水温が低い
冷たい水の中では、 体温を維持するために自律神経が余計な処理をしています。これも脳の負担を増やす要因です。
つまり、水泳というスポーツは……
脳疲労 → 姿勢崩壊 → 推進力低下・・・
この流れが起きやすい環境なんです。
「急に進まなくなる瞬間」の正体
あなたも一度は感じたことがあるはず。
「前半は軽かったのに、急に重くなる瞬間」
この正体は、筋力の限界ではなく、脳が姿勢制御をやめた瞬間。
脳が疲れると、 骨盤・腰・胸・頭・足先……この"全身のつながり"を維持する能力が落ちます。
すると……
骨盤前傾が抜ける
腰が反る
足が持ち上がる
ふくらはぎに水が当たる
キックの軌道が乱れる
渦抵抗が生まれる
進まない
焦って大振りになる
抵抗が増えてさらに進まない
という完全なる"崩壊の連鎖"が始まる。これ、あなたも絶対に経験したことありますよね?
今振り返ると、全部CNS疲労だった
正直、この話を知ったとき、恥ずかしかったです。なぜなら、現役時代の失敗が全部説明できちゃったから。当時は「メンタルが弱い」とか「勝負弱い」とか、 そういう精神論で片付けていました。
でも違った。
あれは完全に神経の限界。 脳の処理能力が先に崩れていた。
特にドルフィンキックは、「身体の一本のつながり」が命なので、 制御がわずかに乱れただけで"致命的な抵抗"になります。だから、ほんのちょっと脳が疲れただけで、 一気にフォームが崩壊する。
今思えば、あの時期に 「CNS疲労」という概念を知っていたら...練習の組み方も、 レースの戦略も、 全部変わっていたと思います。
力ではなく"制御の質"で泳ぐ
最後に、今日もっとも伝えたいこと。
疲れの正体を筋肉だけだと思っている限り、 あなたのフォームは永遠に安定しないでしょう。
ドルフィンキックは力の勝負じゃありません。
大きな動きをすれば速くなるわけでもありません。
むしろ……
小さな力で
無駄なく
全身がつながったまま
"綺麗な波"を作れる人ほど速い
そのために必要なのは、脳の負担を減らし、姿勢を崩さないための制御力。
・神経を整える。
・姿勢の連鎖を意識する。
・無駄な動きを削ぎ落とす。
この3つを意識するだけで、 後半の失速はかなり抑えられるでしょう。
知識は武器になる
正直に言います。
この「CNS疲労」という概念を知ったのは、 引退してからでした。
「もっと早く知りたかった...」そう思いました。
でも、過去は変えられない。だからこそ、今このブログを読んでくれているあなたには、 同じ遠回りをしてほしくないんです。
もしあなたが今日の話を読んで、
「後半崩れる理由って、筋肉じゃなくて脳だったのか...」
「だからあの瞬間、突然動かなくなったんだ...」
「筋トレばっかり頑張っても意味なかったわけだ...」
と感じたなら、それはあなたがもう次のステージに進む準備ができている証拠です。脳疲労という視点を持つだけで、 あなたの練習は確実に変わります。
現役時代、自分は知識不足で遠回りしました。
でも、その失敗があるからこそ、 今こうして伝えられることがある。あなたには、もっと効率よく、もっと確実に、速くなってほしい、そう心から思っています!
ということで、今回もここまで読んでくれてありがとうございました。
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それではまた次回お会いしましょう!
またね〜
フィンスイミングスペシャリスト
足ひれ社長 関野 義秀

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