勘違いしてたらヤバい、ほんとに正しい"腹圧"の入れ方。30秒チェック付き
どうも、足ひれ社長のヨシです!
今日は金曜日、「華筋フライデー」の日です。
いつもは筋トレやコンディショニングの話をしてますが、今日はその全部の土台になる話をします。
それが「腹圧」。
「腹圧入れて!」
「お腹に力入れて!」
「体幹しっかり!」
今となってはプールでもジムでも、めちゃくちゃ聞く言葉ですよね。
私も言いますし、あなたも言われたことがあると思います。
でも・・・この言葉、ちょっと危ないなって最近思うんです。
というのも、「腹圧」って言葉、今めちゃくちゃ広まった一方で、人によって指しているものがバラバラなんですよ。
ある人は「お腹を凹ませること」だと思っている。
ある人は「腹筋に力を入れること」だと思っている。
ある人は「お腹を膨らませること」だと思っている。
ある人は「息を止めて踏ん張ること」だと思っている。
全部、別のことです。
そして厄介なことに、そのうちのいくつかは、やればやるほど泳ぎが遅くなるやり方なんです。
「え、じゃあ私が今までやってたやつは・・・?」
そう不安に思う方もいるんじゃないでしょうか?
今日はその答え合わせを、あなたの手で、今この場でやってもらえるように、解説していきます。
読みながら30秒で試せて、自分が「正解側」か「不正解側」か、その場ではっきりわかる形にしました!
今日の記事を最後まで読んで、明日からの練習と筋トレの土台を、この場で入れ替えてしまってください!
腹圧は「お腹を締めて」作るものではありません
結論から言います。
腹圧は、どちらかというと、お腹を締めて作るものではなく、膨らませて作るものです。
もっと言うと、順番の問題です。
多くの人は「力を入れる ⇒ 腹圧が上がる」だと思っています。
でも実際は逆で、「空気を入れる ⇒ その形のまま固める」の順番でしか、使える腹圧は作れないんです。
「順番なんかで、そんなに変わるもの?」
変わります。
順番を間違えると、硬いだけで中身のない、使えない固さになります。
言葉だけだと絶対に伝わらないので、さっそく実際にやってみましょう!
まず、いつものやり方を1回やってみてください
今この記事を読みながら、ぜひ一緒にやってください。
座ったままでOKです。スマホは片手で持っててください。
まず、片手を脇腹に当てます。
場所は、肋骨のいちばん下と、ベルトの間くらい。指が横腹に、親指が少し後ろに回るようにして、少しつまむようにしっかり押し当ててください。
はい、準備できましたか?
それでは、腹圧を入れて!というより、「お腹に力入れて!」と言われたときにやっている通りに、力を入れてみます。
せーのっ・・・お腹に力っ!
はい、そのまま3秒キープ・・・1、2、3。
キープしたまま、鼻からちょっとだけ息を吸ってみてください。
・・・はい、力抜いてOKです。
どうでしたか?
チェックしてほしいのは2つです。
当てていた手は、外に押されましたか?それとも内側に沈みましたか?
固めたまま、鼻から息を吸えましたか?
たぶん、こうなったはずです。
お腹が薄くなって、硬くなった。
手は外に押されるどころか、少し食い込んだ。
そして息は吸いづらく、少ししか吸えなかった。
・・・当たってましたか?
今日はあえて、この状態を『ぺちゃんこ腹圧』略して『ペチャ圧』とでも呼んでみましょう。(笑)
硬いことは硬い。でも、薄くて硬い。
モデルさんならいいかもですね!
冒頭で「腹筋に力を入れることだ」と思っている人がいる、と書きましたよね。その正体が、まさにこれです。
ちなみに、もしここで手が外に押されていたなら、あなたはもう正解側にいます。次で答え合わせしてください!
次に、順番を1つだけ入れ替えてみてください
じゃあ次です。手は同じ場所に当てて、少しつまんだままでいきます。
今度は、力を入れる前に空気を入れます。
ただし、胸で吸わないでください。
肩が上がる吸い方はナシです。
当てている手を、内側から押し返すつもりで吸います。横腹と、その裏側の背中まで、外に広げるイメージです。
はい、それではやってみましょう!
まず息を軽く吐いて・・・吐ききらないでくださいね。そこから、手を押し返すように、大きく吸います。
吸って、吸って、お腹まわりがぐるっと広がるところまで吸って・・・はい、その状態でストップ!!
その膨らんだ形を保ったまま、いま初めて、お腹の壁を軽く固めます。
凹ませないでください。今の太さのまま、外側の壁だけ固める感じです。
はい、固めたまま3秒キープ・・・1、2、3。
そのまま、鼻からちょっとだけ息を吸ってみてください。
・・・吸えましたか?
じゃあ最後に、固めたまま「あー」って、普通の大きさの声で3秒くらい出してみてください。
はい、終わりです。力を抜いてください。
こちらは『樽の腹圧』と呼んでみます。
『樽の腹圧』とは、息を吸ってお腹を全方向に膨らませ、その形を保ったままお腹の壁を軽く固めた状態のことです。
ここが答え合わせです。
お腹が太いまま固まっている。
そして、固めたまま息が吸えて、声も途切れない。
この2つが揃っていれば正解です。
逆に、お腹が薄く沈んで、息も吸えず、声も自然に出ない。これが不正解です。
もし、太くはなったけど声が出ない、という人は締めすぎなだけです。短距離のレースやスプリントの練習、最大筋力トレーニングの時など、大きなパワーを発揮したい時はOKですが、このチェックの際は、もう少しだけ力をゆるめて、やってみてください。
さっきより明らかに太くなっていたなら、その差が今日の収穫ですね!
さっきの『ぺちゃ圧』でも、お腹は硬かったですよね。
でも、硬さは腹圧の証拠になりません。
判定するのは、硬さではなく"樽のような太さ"と"息"です。
なぜ、順番を変えただけで別物になるのか
「同じお腹に力を入れてるのに、なんでそんなに違うの?」
ここ、身体の構造の話を少しだけしましょう。
お腹の中には「腹腔(ふくくう)」という空間があります。
覚えなくていいんですが、簡単にいうと内臓が入っている袋のことです。
この袋、上と下にフタがあります。
上のフタが横隔膜。
下のフタが骨盤の底。前と横と後ろは、お腹まわりの筋肉と背骨です。
つまりお腹は、上下と周囲を囲まれた、閉じた容れ物なんですね。
そして、ここが大事なところ。
息を吸うと、上のフタが下に降りてきます。
降りてきたフタが、中身を上から押す。
空気そのものは肺に入るんですが、フタが降りることで、お腹の中身は行き場を失って外へ張り出す。これが「お腹が膨らむ」の正体です。
ここで想像してみてください。
買ったばかりの、まだ開けていないペットボトル。
あれ、思いっきり握っても、ほとんど潰れませんよね。
でも、飲み干して空になったペットボトルは、多少は潰れやすくなる。
どちらもキャップは閉まっています。
違うのは、中身が張っているかどうかだけ。
腹圧もこれと同じなんです。
身体の場合は、中身を足すんじゃありません。上のフタが降りてきて、中身をぎゅっと寄せる。
でも結果は同じで、お腹はパンパンに張ります。
『ぺちゃ圧』は、空のペットボトルを握っている状態。だから壁は硬くなっても、中身が支えてくれない。
『樽の腹圧』は、中身を張らせてから握っている。だから潰れない。
この「形の違い」を測り比べた研究もあるようです。
お腹を凹ませるやり方と、張ったまま固めるやり方。
この2つでお腹の中の圧を測ったところ、10倍以上の差がついたという報告があるんですね。
つまり、凹ませるより張ったまま固めるほうが圧は高い。その方向だけ、頭に置いておいてください。
もうひとつ、日常の場面で。
重い段ボールを持ち上げるとき、あなたは自然と大きく息を吸いませんか?
あれ、誰にも教わってないのに、勝手にやってますよね。
身体はもともと「先に空気、あとで力」の順番を知っているんです。
なのにプールで「お腹に力入れて」と言われた瞬間だけ、なぜかお腹を薄くしてから固めてしまう。
私の現場でも、これは本当に多いです。
お腹に力を入れようとして、息まで一緒に止めてしまう人。
「力を入れて」と言われると、身体はまず息をどうにかしようとするんですね。
腹筋を鍛えても姿勢が保てなかった私が、行き着いたもの
私は高校生から大学生のころ、真面目に何回も何回も腹筋をやっていました。
「体幹が大切」って言われてたし、様々な腹筋メニューを毎日コツコツと。
筋力だけで姿勢を保とうとすることの限界でした。
でも、世界の舞台で戦う中で気づいたことがあります。
どれだけ体幹を鍛えても、疲労がたまれば姿勢は崩れる。積み上げれば解決する話じゃなかったんです。
そこで辿り着いたのが『肺の空気』を「使う方法」でした。
空気をたくさん吸い込んで、それを浮袋のように使う。
これができるようになってから、腹筋や腰回りの力の入り具合のが増して、驚くほど強く、泳げるようになりました。
足りなかったのは腹筋の量じゃなくて、順番のほうだったわけです。
明日の練習とジムで、そのまま使う方法
さて、ここからは持ち帰り用です。
さっきの『樽の腹圧』を、実際の練習と筋トレでどう使うか。3つのステップにしました。
【STEP1】いつもより1.5倍、多めに吸う
まずは量です。
イメージとしては、いつもより1.5倍程度多めの空気。
これを意識的に大きく吸い込んで、お腹に溜めた状態からスタートしてみてください。
ポイントは、肺(胸)に溜めすぎないこと。お腹に入れる意識です。
胸に溜めると肩が上がって、胸が反って、お腹もへこんで、逆に圧が抜けます。
【STEP2】溜めたまま、おへそ周りを"軽く"締める
次が核心です。
吸った空気を保持したまま、おへそ周りを軽く締める意識を持ちます。
「軽く」です。全力で締めると、せっかく作った形が潰れます。ただ、全力で締めても、お腹の中の空気が潰れないくらい、大きな腹圧をキープできるようになったら素晴らしいですけどね!
順番はあくまで、吸う ⇒ 保持したまま締める。逆にしないでください。
【STEP3】吐くときも、吐ききらない
そして、これを泳ぎの中で続けるコツ。
息を吐くときも完全に吐ききらず、樽の腹圧をキープできる量の空気を残すことです。
吐ききると、その瞬間に容れ物が潰れて腹圧が抜けます。
そこから慌てて大きく吸うと、今度は胸が反って骨盤が前傾して、姿勢ごと崩れる。
だから、呼吸のたびに全部入れ替えない。
少し残して回す。
フィンスイミングでも競泳でも、これだけで泳ぎ全体が安定します。
筋トレでもボクシングでもムエタイでもジムでも同じです!
大きく息を吸って、パンパンになるくらいお腹に空気を溜めた状態を作る。
そして、高い腹圧をキープしたまま行う。
ひとつだけ注意です。
これは「息を止めて全力でいきむ」こととは違います。
冒頭で挙げた誤解のうち、最後の1つがこれですね。
いきみっぱなしは血圧が一気に上がるので、長く止めないでください。
あくまで息をしながら維持できる圧が、泳ぎで使える圧です。
まとめ
腹圧は、お腹を締めて作るものではなく、空気を入れて膨らませた形のまま固めて作るもの
正解かどうかは硬さではなく、お腹が樽のように太いまま固まっているかで判定できる
泳ぎでもジムでも順番は同じで、吸う ⇒ 保持したまま軽く締める ⇒ 呼吸は吐ききらないの3つを守る
腹圧って、鍛える量の話だと思われがちなんですよね。
でも実際は、こうやって順番を1つ入れ替えるだけで、今日から変わる部分がかなり大きいんです。
鍛えるとしたら、「どれだけたくさんの空気を入れられるか」ってところを意識すると良いです!
腹筋が弱いから入らなかったんじゃありません。
中身を入れる前に、入れ物を潰してしまっていただけです。
明日のプールで、まずはアップのときに1回だけ『樽の腹圧』を作ってみてください。
進み方、力の入り方、たぶん変わりますよ!
ということで、今回もここまで読んでくれてありがとうございました。
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またね〜
フィンスイミングスペシャリスト
足ひれ社長 関野 義秀

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