仁と義 27章 仁侠小説抗争編 22(シリアスコメディ)
弱きを助け強きを挫く。
昔ながらの仁義を重んじる関東頭鬼組。
その分家であり頭鬼組のシノギでもある、悪党にはボッタクリ料金、堅気の一般客には明朗会計パブスナックレインボー、ホステス5人組。顔も容姿も見た目はキュートな二十歳のホステス。
見た目は可愛いホステスだが、根っこは任侠貫くヤクザなニューハーフ、ダークヒーローレインボー組、抗争編 入ります。
前回のあらすじ
報復の夜。
頭鬼組の牙が剥かれた夜、標的は膝織一家組長の息子、膝織義之が仕切る闇の稼ぎ場だった。ボッタクリの甘い蜜を吸うキャバクラとホストクラブ、「moon dream」へ、それぞれ工作員が送り込まれる。
キャバクラにはカズ、ケン、ヒロ、ユキ。そしてホストクラブには、頭鬼組の分家、レインボー組のメッチ、ナッチ、ティップ、ミオ、ランの五人が潜り込んだ。
目的は一つ、膝織義之を誘き出し、捕らえること。
待つことしばし、獲物はホストクラブ「moon dream」に姿を現した。
パブスナック「レインボー」が穢された報復の炎が、今、燃え上がるのを抑えながら、レインボー組五人は、二万円そこそこのドンペリを五十四万円の値をつけたボッタクリという導火線に火が着いて、乱闘の火蓋が切られる寸前、レインボー組のランは素早く動いた。オーナーの膝織義之にスタンガンを叩き込み、その巨体を昏倒させる。
意識を失った義之の衣服は容赦なく引き剥がされ、晒された肌に再びスタンガンが押し当てられた。
一触即発のホストクラブの用心棒たちとレインボー組五人。
その時、頭鬼組若頭、阿久津龍一と組員10人が店に飛び込んできた。
店内は怒号と破壊音に包まれ、容赦ない乱闘が始まった。椅子が飛び、テーブルが砕け散る。
混乱の中、頭鬼組の目的は遂行された。意識のない義之が引きずり出され、店の前に待機させていた2台のワゴン車に押し込まれる。頭鬼組の精鋭とレインボー組五人は、騒乱の場を後にし、夜の闇へと消えていった。
【頭鬼組本家】
『親父、こいつが膝織の息子です』
頭鬼組 若頭、阿久津龍一は、頭鬼組長の横に立ち、津素っ裸のまま、頭鬼組本家中庭に放り出された、膝織義之を指差した。。
『気を失ってるのか?』
『はい、ランのスタンガンで気を失ってます』
『そうか。なかなかやるな、レインボーの五人は。そいつホースで水ぶっかけて起こしてやれ』
頭鬼組組長、頭鬼洋次郎は、そう言って、その口元に冷酷な笑みを浮かべ、ほんの一瞥で組員の一人を促し、膝織の息子、膝織義之へ水をかけるよう命じた。
『阿久津、レインボーの五人はどうした?』
『はい、膝織の報復に備えてカズ達4人含めて組員十二名とレインボー五人、石頭の組員十五名が店にいます』
『そうか、わかった』
『頭!膝織の野郎目ぇ覚ましました!』
膝織義之に水をかけていた組員が、若頭の阿久津へ知らせた。
【新世界】
『親父、膝織目ぇ覚ましました。例のあれ、やりますか?』
『あぁ、新世界を見せてやろう』
組長の言葉に、若頭の阿久津は組員に氷菓子のガ◯◯リ君スイカ味とソーダ味を冷蔵庫から持ってくるように言った。
『頭、持ってきました』
『おぅ!親父に渡してくれ』
『はい』
組員が、頭鬼組長にガ◯◯リ君、赤いスイカ味と青いソーダ味を渡すと、頭鬼組長は右手に青いソーダ味、左手に赤いスイカ味を持ち、後ろ手に隠して、スッポンポンの膝織義之の側へ歩み寄った。
『て、テメェら!こ、ここ、こんなことして‥‥た、ただで済むとお、思うなよ!』
頭鬼組長はゆっくりと膝織義之の目の前にしゃがんだ。
『それはお前が心配することだ。なぁ、義之‥‥。テメェこそ、ただで済むと思ってねぇよな?』
『うるせぇ!』
『ほぉ、テメェの親父は教育ってもん知らなかったのか?義之、テメェに礼儀ってもんを、今から俺が教えてやっからな。ちゃんと学べよ?まず、ここにガ◯◯リ君の赤いスイカ味と青いソーダ味がある。わかるよな?』
『‥‥‥』
『だんまりか‥‥、まあいいや。義之‥‥ガ◯◯リ君で異性化して、一歩踏み出して新しい世界を見てみたくないか?ちゃんと礼儀も弁えられるようになるそ?
いいか?青いアイスキャンディー、赤いアイスキャンディーがある。赤いアイスキャンディーを選ぶならお前を新しい世界に連れて行って鎌倉の”うさぎまんじゅう”を食わしてやる。
青いアイスキャンディーを選ぶならテメェは今のまんま、チンピラのはしくれだ。赤いアイスキャンデーを選んで異性化してみるか?それともこのままチンピラの端くれのまま、ここで人生終わらせるか?』
(威勢化だと?俺を威勢化させたら怖いってこと教えてやるか)
【異性化と威勢化】
膝織義之は頭鬼組長の言う「異性化」の意味を履き違えながら、義之が勘違いしている「威勢化」を選ぶ義之。
『俺を威勢化させたら、テメェが後悔するぞ!』
膝織義之は頭鬼組長を睨みつけ、吐き捨てるように言った。
『おもしれぇ、なら後悔しない様にするまでだ。それをこれからお前に教えてやる。おう、クスリ射ってやれ』
『クスリだと?や、やめろ!頭鬼組はクスリはやらねぇんじゃねえのかよ!?やめろ!や、やめてくれ!』
膝織義之は抵抗しようとしたが頭鬼組員に押さえつけられる。しかし身体をよじり、義之は抵抗をやめなかった。
『義之、テメェ赤のガ◯◯リ君選んどいてみっともねぇぞ。少し痛い思いしないと分からねぇようだな‥‥』
【頭鬼組長の堪忍袋】
膝織一家組長の息子、膝織義之に向けられる頭鬼組長の眼差しは、一切の情を拒絶していた。
『ちくしょう!殺せ!こんな恥晒すくれぇなら死んだほうがマシだ!』
『義之‥‥別にお前を殺そうとは思ってねぇよ。頭鬼組は仁義を重んじる真っ当なヤクザだ。でもな、堪忍袋も我慢の限界ってもんがあるんだ。ちょっと痛い目見てもらうぜ!ほら食え!テメェが選んだ異性化の赤いガ◯◯リ君だ!テメェが重度の知覚過敏なのは調べついてんだよ!ほら食え!』
嫌がる膝織義之の頭を頭鬼組組員が押さえつけ鼻をつまんだ。
口を閉じ息を止める義之。
『さーて、何秒持つかな?』
組長の口元に刻まれた冷笑は、あらゆる情を無に帰した。
頭を押さえつけられる義之は必死に抵抗した。
『30秒‥‥40秒‥‥そろそろだな‥‥』
頭鬼組長は義之の口の前にガ◯◯リ君を近付けた。
顔が赤くなる義之。
55秒で敢え無く口を開いた。
すかさずスイカ味のガ◯◯リ君を義之の口の中に突っ込んで、義之の顎を軽く小突くサディスティックな頭鬼組長。
苦しさの後の激痛を味わう義之。
その瞬間、目を見開く義之。
声にならないうめき声をあげて涙を零した。
『痛てぇだろ‥‥痛てぇよな知覚過敏』
そう言いながら、義之の顎を掴んで左右に振る頭鬼組長。
サディスティックな組長を、久しぶりに見る頭鬼組員達は、組長のえげつない拷問に、ぶるっと震えた。
涙を零しながら無抵抗になる膝織義之。
『クスリ射ってやれ。何でもない女性ホルモンだ。テメェが選んだ新しい世界見せてやっからよ。テメェの改造が楽しみだぜ!』
その頃、膝織一家は組員を集め、頭鬼組と石頭一家、頭鬼組分家のレインボー組へ、報復の準備を始めていた。
続く。。。
【登場人物】
関東頭鬼組
組長
頭鬼洋次郎(48)
若頭
阿久津龍一(38)
若頭補佐
石垣正樹 (36)
舎弟頭
新島浩二 (37)
相談役
相田真二 (38)
構成員
荒巻和幸 通称カズ (23)
三澤謙二 通称ケン (25)
須藤弘道 通称ヒロ (23)
小林幸弘 通称ユキ (23)
他 30名
パブスナック レインボー組メンバー💕
メッチ 木ノ内健(20)(きのうちたけし)
(めんちきることが多い。メリケンサックを持つが何でも武器にする)
ナッチ 中沢義男(20)(なかざわよしお)
(よくナイフをちらつかせる)
ティップ 榊枝真二(20)(さかきえだしんじ)(
ダーツの矢を数本いつも太股に隠している)
ミオ 安桜芙美乃(20)(あさくらふみお) (アイスピックを両足太股に6本常時備えている)
ラン 一之江将一(20)(いちのえまさかず)(通販で買った伸縮警棒とスタンガンを持つ)
タクシードライバー坂下一雄(さかしたかずお)
石頭一家
代表 石頭博 (49)(いしずひろし)
舎弟頭
水谷雄一(38) (みずたにゆういち)
若頭
三浦翔吾 (37)(みうらしょうご)
若頭補佐
小澤誠 (36)(おざわまこと)
相談役
立石尚樹 (35)(たていしなおき) (ミオの恋人)
組員40名
膝織一家
代表
膝織忠義(ひざおりただよし)
舎弟頭
八木亮一(やぎりょういち)
若頭
安曇孝信(あずみたかのぶ)
比較的真当なスナック、ボッタクリホストクラブ、ボッタクリキャバクラ三店舗を運営する、膝織忠義の息子
膝織義之(ひざおりよしゆき)
