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やっとほどけた日——10ヶ月越しにあふれた涙

第9章
パパの再々出発


はじめに
今日は、ずっと心に引っかかっていたことが、やっとほどけた日でした。

パパのことを書きたい気持ちも、書きたいこともたくさんあるのに、なぜだか書けない日が続いていました。
そして、大好きなこのnoteからも少し離れてしまっていました。

パパが光栄病院を退院し、家に戻ってきてから、また家族で過ごす日常に幸せを感じていたはずなのに。



第5話 やっとほどけた日——10ヶ月越しにあふれた涙



退院後は、地元の病院でサポートしてもらうために、改めて受診する必要がありました。  
循環器、内科、耳鼻科、脳外科、そして整形外科。

でも、どうしてもA病院の整形外科に行くことに抵抗がありました。  
むしろ、できることなら違う病院で診てもらいたい——そんな気持ちの方が強かったのです。

それでも、手術を受けた病院に戻るのが一般的。  
これからもA病院に通うことになる予定でした。

光栄病院から各病院へ連絡が入り、受診の流れも整っていました。

そんな中、A病院の整形外科に予約を入れたあと、こんな連絡がきたのです。



「先生が、何を診てもらいたいの?問題がないなら来なくていいと言っています」


私が感じていた違和感の記事はこちらです👇


左右の脚の長さの違いと、左脚の角度に違和感を感じていながらも、私はA病院の対応とその言葉に引っかかり、整形外科の予約をキャンセルしました。



各病院の受診に加えて、介護サービスもこれまで通り続いています。  
通所リハビリ、STの訪問リハビリ、PTの訪問リハビリ、訪問看護、訪問診療。

さらに耳鼻科は今も問題があり、定期受診では収まらず、その都度の対応が必要で、毎日があっという間に過ぎていきます。  
(耳鼻科のことは、また改めて書こうと思います)

そんな中でもリハビリは続けていました。  
それでもパパは、なかなか思うように歩けません。

脚の長さの違いがあり、靴は左側だけ3センチほど底上げしています。  
それでも足は内側へ寄ってしまい、左足にうまく体重を乗せることができないままでした。



あの骨折が——。  
骨折の見落としが。  
あの手術がなければ…。


そんな思いが、何度も頭をよぎります。  
そして、手術そのものに問題があったのではないか、と考えてしまうこともありました。

でも、それを確かめる術はなくて。




そんな中、お世話になっている病院に整形外科が新しくできました。

主治医の先生に相談すると、  
「病院を一か所にまとめた方がメリットが大きいから、整形外科もこちらで診ていくのがいいと思いますよ」  
そう言ってもらえたのです。


科は違っても、通う病院が一つになる。  
それは、私たちにとって大きな安心でした。


そしてそのあと、病院を変えるために改めてA病院を受診したのですが、先生に会うこともなく、『情報提供だけでいいなら』と帰されてしまいました。


どこにこの気持ちを持っていけばいいのか分からず、ただやりきれない思いだけが残りました。


こうしてA病院から情報提供を受け、今後はこの総合病院の整形外科で診てもらうことになりました。


それから今日まで、新しい整形外科の先生は、どんな先生なんだろう。
今までの経過をちゃんと伝えられるのか。  
人工股関節の問題だけではなく、パパを一人の人として診てもらえるんだろうか。  
歩けない原因は何なのか、これからどうなっていくんだろう。

そんなことを、頭のどこかでずっと考えていました。  
でも、日々の忙しさの中で、深く思い詰めることもなく過ごしていたのです。



そして今日、その整形外科を受診しました。

待ち時間はとても長くて、  一人ひとりにしっかり時間をかけて診察している印象でした。


先生の第一印象は、「とても若い先生だな」でした。  
そして、最初にかけてくれた言葉は、優しい声で——

「今まで、とても大変だったようですね。」

その一言を聞いた瞬間、少しだけ気持ちがほどけた気がしました。


今までの経過を、ゆっくり一つひとつ伝えていきました。  
急性心筋梗塞で倒れたこと。  
蘇生後脳症になったこと。  
リハビリで歩けるようになってきていたこと。  
そして、骨折の見落としがあり、痛みのある中でリハビリを続けてしまったこと。  
その結果、骨がずれて人工関節になったこと。

先生は途中で遮ることなく、静かにうなずきながら聞いてくれました。

そして、パパの状態を丁寧に診察してくれたあと、こう言われました。

「手術自体は、うまくいっていると思います。
とても大変な手術だったようですね。
よく、ここまでの手術をしてくれたと思いますよ。」


その言葉を聞いたとき、正直ほっとした気持ちがありました。  
同時に、どこかで疑ってしまっていた自分の気持ちにも気づきました。


そして続けて、

「今の状態は、人工股関節や骨の問題というよりも、脳の影響が大きいですね」

そう説明してくれました。


実際の骨の差は2センチ以内。  
でも脚の長さは、膝が伸び切らない、筋肉の収縮などで3センチくらいの差があり、それは筋肉の使い方やバランスの問題によるものだということ。

足の角度や、左足にうまく体重が乗らないことも、同じように脳からの指令がうまくいかず、身体の使い方が関係しているとのことでした。

先生は小児整形外科が専門で
脳性麻痺の子どもたちのリハビリや体の使い方を多く診てきた方でした。

「この分野は、脳性麻痺の子どもたちと似ている部分があります」

骨や関節に問題があるというよりも、脳からの指令がうまく伝わらないことで、体の動かし方に影響が出ている、ということでした。
それが、歩きにくさやバランスの取りづらさにつながっているそうです。


そして、先生は今後のリハビリの重要性についても丁寧に説明してくれました。

今までずっと、骨の問題なんじゃないか。  
手術が何か違ったんじゃないか。  
そう思い続けていた私にとって、

その説明は、ひとつの答えのように感じられました。


原因がわからないまま頑張るのと、  原因がわかった上で向き合うのとでは、こんなにも気持ちが違うんだと感じました。


そして、これから予定されているレスパイト入院でも、リハビリがしっかり受けられるように手配してくださいました。

これまでのように「何かあれば受診」ではなく、これからは定期的に状態を確認しながら診てもらえることになりました。

思っていた以上に、とても良い先生に巡り合うことができて、胸がいっぱいになりました。

そして、受診を終えて車に乗り込んだ瞬間——  
なにかが込み上げてきました。

気づいたときには、涙があふれていて、止まりませんでした。

自分では、思い詰めていたつもりなんて、これっぽっちもなかったのに。

でもきっと、ずっとどこかで抱えていたんだと思います。


パパの骨折と向き合うまでに、10ヶ月かかりました。
でも今思えば、その時間も必要だったんだと思います。

あのときの不安も、疑いも、どうしていいかわからなかった気持ちも。

今日、やっとひとつ、ほどけた気がしました。

これからは、原因がわかったうえで、パパと一緒に前に進んでいこうと思います。


今日は、この気持ちをどうしても残しておきたくて、  
気が緩んだ反動の疲れと頭痛の中、書きました。笑

少しnoteと離れている間に、私の記事を紹介してくださったり、一気に読んでフォローしてくださった方もいて、本当にありがとうございます。

本当はそのタイミングでお礼やコメントをしたかったのですが、なかなか気持ちが追いつかず、できないままでした。

皆さんの記事も、ほとんど読むことができていなくて…。

でもこうしてまた書けるようになったので、これから少しずつ読ませていただいたり、お返ししていけたらと思っています。

改めて、いつも見守ってくださってありがとうございます。

また少しずつ、書いていけたらと思います。

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