見出し画像

【無料公開!】僕が考える最高のeモータースポーツ大会(2025年版)

どうも、岡田です。
2025年も年末となりまして、間もなく2026年となりますね。

毎年、この時期になると何かしらの有料記事を書いているのですが、今回は逆に有料だった記事を無料公開したいと思います。

今年の2月にJAF公認eモータースポーツ大会『UNIZONE』が開幕するタイミングで書いたこちらの記事。
eモータースポーツに様々な角度から参加したり、主催側になったりしてる中で『ぼくがかんがえたさいきょうの大会』を書き纏めた記事です。

理想を連ねた、なかなかに恥ずかしい記事ですので、有料で記事を買ってくれるほど僕のことが好きな人にだけ読んでもらえたら良いと思っていたのですが、来年、そして今後もeモータースポーツに関わらせて頂く中で2025年現時点の僕の考えをいろんな人に見てもらう為に書き記しておくのも大事かなと思い、今回無料公開にするに至りました。

いくつか表現の修正などありますが、以下より有料記事だったものの中身になります。
是非お読みください。

ーーーーーーーーーー



■結論

僕が考える「最高のeモータースポーツ大会」とは。
【シムデバイスメーカー・シミュレーターメーカーが、お抱えプロゲーマーと自慢の超ハイエンドシミュレーターを引っ提げ、『憧れ』を持って観るお客さんに宣伝する為に戦うトップリーグ大会が、僕の考える最高のeモータースポーツ大会である。】

こういうことを書いてまいります。

■今はあまりにも参加者に優しすぎ過ぎやしないか…?

僕のnoteを読んで頂いている方の大半は、何かしらのレースゲームを用いた大会に1度は出たことがあるのではないかと思います。
グランツーリスモの『全国都道府県eスポーツ選手権』や、GRガレージ店舗のイベント、iRacingのKMRカップやSeCR、個人が主催するユーザー主催イベントなど…。

今まで1度でも、主催側に『参加費』って払ったことありますか?

多分、大半の方が「無い」と答えると思うんですね。

それもそのはずで、一番レースゲームとして成功を収めていて大会数も多い『グランツーリスモ』は、メーカーが出している大会開催のガイドラインにて、参加費を参加者から取ることは明確に禁止されています。

故に、eモータースポーツの大会で「参加費を取る事」が実質的にタブー化している雰囲気があります。

これには理由があり

1.参加費を取り賞金を設定すると「賭博法」を始めとする法律に引っ掛かる可能性がある。
eスポーツ大会の高額賞金に関する法律問題(賭博罪・景品表示法違反など) | 弁護士法人浅野総合法律事務所
2.主催側がゲーム機器やシミュレーター筐体などの機器を用意する都合上、参加費を取ることでその機器の公平性担保やトラブルを発生させない事への責任が問われる。
3.金銭管理の手間、責任。

こういった所から、参加費を取るメリットよりも、主に責任の問題でデメリットが多く、グランツーリスモ以外の大会でも参加費無料な事が「普通」になってる、というのが現状だと思います。

NEO SERIES 2024 FINAL大会の様子

ですが、eモータースポーツの大会というのはメチャクチャ運営が大変な訳ですよ。
レースレギュレーションの設定、接触などトラブルがあった時の審判、配信、選手アテンド、イベントの告知・運営・演出などなど・・・。
沢山のスタッフがいてようやく形になっている晴れ舞台です。

これに参加するのに「無料」って絶対変だと、昔からずっと思ってます。
市民マラソン大会に出るのだって、ゴルフコンペに出るのだって、書道コンクールに出るのだって参加費は掛かるのに!

東京オートサロン2025 JEGT大会用シミュレーター

加えて、シミュレーターを用意するのも主催側です。
主催はイベントの内容や運営に追われるのみならず、参加者が使用するシミュレーターを倉庫からトラックに積んで現地にて組み立て、公平性を保つために各筐体同じパーツで揃え、設定も揃える責任を負います。
大会が終われば、筐体をバラしてまたトラックに積み、倉庫に戻す…。

ここまでやって、万が一デバイスにトラブルが発生したらどうなるか。
公平な競技を行えていないと、間違いなく参加者からお叱りのご意見を頂きます。

もちろん、完全なイコールコンディションで争える唯一のモータースポーツというのも、eモータースポーツの特徴です。
「車の運転技術」の腕一本で競えるというのは、むしろ実車のレース以上の魅力の一つと言えます。

ですが、それを実現している今のeモータースポーツ大会の実情は、主催者がとんでもない労力とお金を使いまくって作ったステージに、手ぶらでお金も払ってない参加者が気軽に出て、問題が起これば全てが主催側の責任、と言う状態ではないでしょうか。

あまりに主催がリスクを背負いすぎて、参加者にフレンドリー過ぎやしないかと、eモータースポーツにプレイヤーとして参加するし、主催スタッフにもなる僕は思う訳です。

■プレイヤーが欲しいのは『お金』じゃなく『承認』

NEO SERIES 2024 FINAL表彰式

参加費にまつわる話と同様、お金に関係するのが賞金設定のお話。
晴れやかな舞台で人の目を引くのは、やはり優勝した人に高額賞金が付くか否かでしょう。
eスポーツをあまり知らない人にプレイヤーやってますなんて話をすると、未だに「稼いでるんでしょ?」って言われます。

ですが実態として、優勝賞金が欲しいという動機が先行して大会に出てる選手は、僕は見たことがありません。

もちろん、お金は欲しいですよ。
欲しいですけど、それ以上に『競う・勝つ』という快感、快楽、承認欲求…。
これを動機にして「勝ちたい」と取り組んでる人の方が多い
んじゃないでしょうか?

故に、僕個人的には『大会の賞金』は少額、何なら無くてもいい派です。
ただでさえ集まらないお金を集めて、優勝した選手にドーンと賞金を渡すだけでは、主催の費用対効果に合ってないんじゃないかと思う。

しかしながら、選手はeモータースポーツに打ち込むことで食べて行けるようになってほしいので、大会で勝った事が後の仕事に繋がったり、eスポーツチームに入れてお給料を貰いながらゲームに打ち込める環境を選手が手にできる方が良いと考えてます。

スーパー耐久富士24時間レースの表彰台。60万円のボードを掲げていますが、選手にはお金は入りません。

これは実車のレースが同じような仕組みです。
日本最高峰のGTレースである『スーパーGT』は、そもそも1戦ごとの優勝者に賞金設定はされていません。

それでもプロドライバーの人が食っていけているのは、「チームとの契約費」「スポンサー契約費」「プロドライバーと言う肩書を使った仕事」で生活をやり繰りしているからです。

僕が2021~2023年に参戦した『スーパー耐久』でも、富士24時間レース以外は賞金が無く、24時間レースでも賞金はチームに入り、選手には入りません。
それでも多額の契約金を払って実車のレースに挑戦したのは、eモータースポーツに関わる人間として実車のレースに出るという経験を積みたかったから。
そしてそれ以上に『大きな舞台で競う・勝つ』という快感、快楽、承認欲求を求めたから、だったかもしれません。

なので「eモータースポーツ選手を継続的に食わせる、稼がせる為」には、高額な賞金を設定するのではなく、eモータースポーツに参加し勝利することでメリットがある企業(実車で言えば自動車メーカーやアフターパーツメーカーなど)が参戦し、その企業が選手を雇う、という形の方が良いのではないかと考えています。

ワークスドライバーならぬ、ワークスeモータースポーツプレイヤーってことです。
レースゲーマーにとって、物凄い承認欲求が満たされる仕事じゃないでしょうか。

賞金にしていた資金は、より上質なイベント開催の為の費用や宣伝費に回し、さらには主催者側も「儲ける」ようにする。
主催が疲弊したら、どんだけ多くの選手が集まっても大会は開催されないのですから。

■競技は技術開発の場であるべき

2025年現在の時点で、レーシングシミュレーター用のデバイスや、レーシングシミュレーターは本当にたくさんの選択肢があります。
そして、各々の性能は誰にでも分かるくらい明確に異なります。

これほどまでにデバイスによってゲーム体験が変わってくるのは、レースゲーム/レーシングシミュレーターだけでしょう。

しかしながら今「デバイスを競わせるeモータースポーツ」というのは、実質存在していません。

「集めたシミュレーターが違う仕様だった」という大会で言うと、僕も参加した上記2イベントなどは‟結果的には”デバイスやシミュレーターの良し悪しが試された大会でしたが、通常会場に選手を集めるオフライン大会では、先ほども書いたように筐体は主催が用意したイコールコンディションのシミュレーターで、選手の「腕」を競うものばかりです。

実車のGTカーレースでは様々な車両が勝つために開発され、高め合われた技術が市販車へフィードバックされている。

一方、実車のレースは、昔から「走る実験室」と呼ばれている通り、多くのレースは多種多様な車種が競い合い、レーサーの腕だけでなく、車やパーツの性能向上やセッティングのノウハウ蓄積の場としても機能しており、モータースポーツで培われた技術は街中を走る市販車にも多くフィードバックされています。

もちろん、先ほど書いたとおり、eモータースポーツは間違いなく「腕だけ」で競える唯一のモータースポーツで、それが実車レースには無い要素でもあるのですが、この形のウィナーは「選手」のみなんですね。

選手一人が喜んで結果をSNSにアップして、承認欲求を満たしてるだけじゃ、業界の発展に限度があるでしょう。

「この選手が」「このシミュレーターで」「このハンコンで」「このペダルで」勝ったと言えるだけで、ウィナーが4つに増える訳ですよ。

技術競争・披露の場が明確ではない今、ハイエンドモデルのハンコンの何が凄いのかを一般のプレイヤーに伝えるのは難しい。

なので僕が思う理想のeモータースポーツ大会において、「参加者(エントラント)」とは選手個人ではなく、シミュレーターメーカーやシムデバイスメーカー、それらとジョイントしたチームであるべきだと思ってます。

そしてチームが自慢のシミュレーターやデバイスを大会会場に持ち込み、競技参戦することでデバイスの欠点を洗い出し進化させ、勝つことで販売につなげる。

大会を観戦する側は、その大会を見ることでどのデバイスが優れていて自分に合ったものなのかを知ることができる。

理想論を並べますと、僕はそういうeモータースポーツが観たいし、参加したいし、運営をしたい。

■レーシングシミュレーターに『憧れ』を

eモータースポーツ大会を観ますか?
と聞かれたとき、このnoteの読者であればほとんどの人が「観ない」と答えるでしょう。

なぜか?
僕の中の一説の答えとして「できるから」なんです。

eモータースポーツは参戦障壁が実車のモータースポーツと比べると低いのが良い所です。
ハンコン一式が安いやつなら3万円くらいで手に入り、コックピットもエントリーモデルなら5万円くらいで買えて、すべて揃えても20万円くらいで収まります。
(「ゲーム」としては十分に高いですが。)

今開催されている多くの大会で使われるシミュレーターは、一般の方でも同じものを揃えることができる。

eモータースポーツ大会の多くは、この「ちょっと頑張れば誰でも買える」クラスのシミュレーターを用いて行われます。
それは現状、主催側が多数の筐体をイコールコンディションで用意しなければならないので、あまりコストをかけたものを用意できないから。

結果的にトップクラスのeモータースポーツの大会でも、絵面としては「俺にもできそう」感が拭えないものになってると思います。

実車のレースで使用されるレースカーはカッコ良くて、買えないし、ドアを開けることも滅多に許されない。だからこそ憧れる。

一方で実車のモータースポーツにおいてのレーシングカーって『憧れ』じゃないですか。
普通に生きてたら絶対に乗ることは叶わないマシンを、自在に操ってレースしてるからレーサーがカッコイイんだと思うんですよ。
中には「誰が乗ってるか知らないけど、GT-Rだからニスモを応援してる」なんて日産ファンの方もいらっしゃるでしょう。

普通に買えない実車モノコックを使ったシミュレーターに、シミュレーター出身のプロドライバーであるイゴール選手が乗って出る大会があったら「観たい」って思いませんか?

そこで、トップリーグのeモータースポーツにおいては、シミュレーターは常人には手が届かないような、『憧れ』られるブッ飛んだシミュレーターであるべきではないかと思ってます。

まだ開発中のモーターが使われてるとか、何百万円するようなシミュレーターとか・・・。

もちろん、誰にでも手が届くエントリー向けのシミュレーターも必要ですが、トップリーグでも自宅で再現できるレベルのシミュレーターで行われているのが「大会を観るくらいならやる」って感覚に繋がってるのかなと。

集客も「選手のファン」だけじゃなく「シミュレーターメーカーのファン」も作れれば、それだけファン層のパイを広げられる訳ですし。

余談ですが、他のeスポーツでは機材はどうしてるのかなと疑問に思ったので、eスポーツアワードで知り合ったe-FootbollプロゲーマーのMayageka選手と、TFT(チームファイトタクティクス)プロゲーマーで、プロeスポーツチームZETA DIVISIONに所属するkes選手に質問をしてみました。

kes選手の回答

お二人の回答を見るに、基本的にeスポーツはどのジャンルも主催側が機器を用意しているようです。
キーボードやマウスは持ち込みの場合もあるそうですね。

ある意味、現状のeモータースポーツの形は、eスポーツとしてはポピュラーながら、他のカテゴリーに比べると圧倒的に機材にコストが掛かる為、歪みが生じている…と感じます。

逆に、参加側が機材を持ち込んで挑むスタイルで、他のeスポーツとの違いを生むのも、良いのではないでしょうか。

■僕が考える最高のeモータースポーツ大会

【シムデバイスメーカー・シミュレーターメーカーが、お抱えプロゲーマーと自慢の超ハイエンドシミュレーターを引っ提げ、『憧れて』観るお客さんに宣伝する為に戦うトップリーグ大会】

■主催
与えるもの:eモータースポーツ大会のイベント開催・運営・演出・配信
得るもの:参加者・観戦者・大会スポンサーからの収益、コネクション
■参加者(メーカー/チーム)
与えるもの:所持デバイス&シミュレーターの持ち込み、大会参戦費用
得るもの:商品開発・商品宣伝・性能の証明
■選手
与えるもの:至高のパフォーマンス、選手目線の機材へのフィードバック
得るもの:至高の場での承認、所属チームからの契約金
■観戦者
与えるもの:観戦料、視聴者数、選手/チームへの応援
得るもの:選手/シミュレーターへの憧れ、シムデバイスの優劣比較

これが2025年に、僕の考える最高のeモータースポーツ大会です。

こうなるためには、まずはデバイス・シミュレーターメーカーがeモータースポーツの大会にプライオリティを感じてもらえるようになることが必要。

今、開催されている大会が、そのプライオリティを得る程面白く「ギバー」な大会になるのが先か、主催負担が重く疲弊して終わるのが先か・・・。

前者になるように、僕は色んな角度から業界に貢献したいと思ってます。

今回は以上!

〇APEX RACING LIVERY Official Goods Shopについて

この度「SUZURI」からグッズショップを開設してみました!

リバリーデザイン(カラーリング)制作時の屋号として使用している『APEX RACING LIVERY』のロゴをあしらったグッズを展開しております。

1アイテム当たり、300円(ビール1杯分に相当)が岡田に入るので、応援でビール奢ってあげる!という特異な方は、是非ショップをご覧いただければと思います!

岡田


いいなと思ったら応援しよう!