【動画】ジュニア期の体幹トレーニング
※このnoteは全文無料です。
「体幹トレーニングは運動能力を引き上げるようですが、ジュニア年代で実施することは問題ないのでしょうか?」
このようなご質問を頂きましたので回答したいと思います。
『ジュニア期の体幹トレーニングの実施について』ですね。
ジュニアのトップ選手が実施してるなんて記事があったようなので、興味が湧きますよね。
結論から言いますと、『適度なら問題ないし、プラスに作用する』だと考えます。
ただ、注意点はあるので解説していきたいと思います。
※質問の意図は体幹をキープするエクササイズについてですので、この記事での体幹トレーニングはそれを指すこととしますね。
まず、体幹トレーニングの目的です。
そんなの『筋肉を鍛える』に決まっている!と言われてしまいそうですが。
ただ、体幹トレーニングのエクササイズ実施の目的は大きく2つあると考えています。
目的①鍛える
一つは『鍛える』ことですね。
より強く、より長くですかね。
強くというのは、力の大きさです。
物理的に大きな負荷をかけていくことですね。
そういう種目にレベルアップしたり、重りを乗せて負荷をかけるなんて方法もありますね。
長くというのは、持久力を指します。
最初10秒しかキープできなかったものを20秒キープできるようになるとか。
ただ、これ、終わりなき道ですよね。
負荷は無限に上げていけますから。
『体幹トレーニング=鍛える=より強くより長く』と捉えている方は多いかと思いますが、ジュニアで強調するのはかなり気をつけた方が良いと思います。
また、やるにしてもチームではなく個別でやった方が良いです。
例えば、姿勢が崩れているのに「あと10秒耐えろ!」みたいな感じで根性練習的にやらせるのはオススメしないです。
選手の『やった感』や指導者の『やらせた感』は満たされるかもしれませんが。。
目的②使われ方を整える
もう一つの目的として挙げられるのが、『使われ方を整える』ですね。
うーん、もう少しいい表現がありそうですが、そこは考えておきます。
具体的には、
あまり使われていない筋肉のスイッチをオンにする
他の筋肉と協力して使われるようにしていく
ですね。
筋肉は状態によって使われ方が変わってきます。
それによって一部の筋肉に偏った使われ方をしてしまうなんてことがあり得ます。
そうなると、効率的な動きから遠ざかり、故障リスクを高めてしまうことにも繋がります。
そこで体幹トレーニングでの刺激によって、スイッチをオンにしつつ、筋肉が協力的に振る舞うことに繋げるわけです。
筋肉の使われ方
『筋肉が偏った使われ方をする』ということについて、いまいちピンとこない方もいると思います。
一つ例を挙げましょう。
腸腰筋という筋肉があります。

この筋肉は身体の深部で上半身と下半身を結ぶ唯一の筋肉と言われます。
なので、身体を動かす上で超重要なわけです。
レベルが高い選手ほど腸腰筋が発達しているなんて話もありますね。
腸腰筋の働きの一つに膝を引き上げる(股関節を曲げる)動きがあります。
膝を引き上げる動きは、走る動きでもドリブルやキックでも重要なのがわかりますね。
そんな腸腰筋のスイッチをオフに導く習慣の一つが、『ソファでだらっと座る』です。
腰や背中を丸めるようにして力を抜いて座る。
学校の椅子でそういう姿勢をとる子もいますね。
これは腸腰筋の働きをオフにしやすい習慣だと言えます。
伸び切ったゴムみたいな、たるんだ状態になりやすいわけです。
もしそうなった場合、前述した膝を引き上げる動きの為に別の筋肉に頼る必要が出てくるかもしれません。
その一つがももの前の筋肉、大腿四頭筋の中の一つである大腿直筋です。

成長期にはタイトになっている(柔軟性が低下している)ことが多い筋肉でもありますね。
ピンと張りやすいので、反応もしやすい。
腸腰筋の働きが落ちて、大腿直筋の働きが高まる。(代償)
本来は協力的に振る舞う筋肉が偏って使われるようになる。
これが一つの例となります。
そしてこれが、故障リスクやレベルアップの足枷になるわけです。
タイトな大腿直筋はオスグッド病にも繋がりやすくなります。
もも前ばかり使われやすくなることで膝を故障しやすくなる。
動きで踏ん張りがちになる為、動き出しも遅い。
これを『もも前型』と呼んでいます。
これをもも前の筋力強化で乗り越えようとするのはお勧めしません。
②の目的で体幹トレーニングを
使われ方を整えるという目的で体幹トレーニングを実施する。
これは私も非常にオススメできます。
目的①で言うような『鍛える』ではないので、量の線引きがしやすいんですよね。
追い込むわけでもなく、適度にスイッチを入れる感じです。
(それでも多少、キツいと感じることはありますが)
もしかしたら『足りない』と感じる保護者の方もいらっしゃるかもしれませんね。
でも、『使われ方を整える』→『その状態でサッカーをする』なので
『使われ方を整える』→『その状態で日常を過ごす』というのも推奨です。
そうなると、朝やサッカーする前が特にオススメのタイミングということになりますね。
① の目的での失敗例も
数年前ですが、近隣のチームで試合前にプランクをやりこんでいるチームがありました。
よく見ると、フォームがよくなかったり、そんな中で『頑張って』いる。
そしてプレーを見ると、体幹がガチガチで動かなくなっている。
まぁそれでも元々近所では強かったチームなので勝っていましたが、正直考えた方が良いなと感じながら見ていましたね。
動きが変わってしまうとその後のレベルアップに影響してしまうので、気をつけたいところです。
(でも選手本人はなかなかそこに気づけない。)
体幹が固まっても動けるのは人間の凄さでもありますね。
例えば、チーターが体幹(背骨付近)を固めてたら?
魚が背骨を動かさずに泳げる?
とか考えると、どうでしょうか。
そして世界で『凄い』と称えられるような選手って、背骨がしなやかに動きますよね、と。
W杯で言うと、ヤマル、メッシ、エムバペ、ウーデゴール、、
そう考えると、体幹を固定するトレーニングに振り切るのは注意が必要だというのはご理解頂けるかなと思います。
体幹トレーニングにもニュアンスがある
色々言ってるけど結局、アリなの?ナシなの?
まず申し上げたいのは、『体幹トレ=体幹を固定する』に明らかに偏ってしまうのは否定的です。
体幹は『芯をもちつつ揺らぐ』ものだと考えているので。
そして実際、固定が染みついてしまうと問題が起こりやすくなると考えています。
本来上半身と下半身は協力的に振る舞うものだと思いますが、体幹が固定されることで上半身という『荷物』を下半身の『力』でコントロールするような形になりやすい。
なのでそこは自分のトレーニング戦略の中ではNGです。
ただ、上半身が『ぐにゃぐにゃ』でも困るわけです。
うまいことコントロールしたいわけです。
その為に『色々働きかける一部としての体幹(固定)トレ』は無しではないです。
全体の中でのスパイスの一部としての活用はあり(そればかりにはならない)
これが一つです。
そして、もう一つ。
ここが重要なのですが、自分の場合固定(かためる)ではなく安定(崩れない)のトレーニングだと思っているんですね。
なので体幹トレでも『お腹に力を入れて固定する』はしないです。
ニュアンスが違うんです。
意図的に呼吸を使ったりします。
体幹固定のトレーニングは腸腰筋の働きにくくしますが、この方法だと腸腰筋が活性化します。
なので、体幹トレーニングにも色々あるということです。
ただ、ジュニアには難易度が高いですかね。
ジュニアのパーソナルトレーニングではやってますけど、集団指導には向かないかなと。
まとめ
どうあれ、多少やる分には問題なくプラスだと思います。
体幹に力を入れて固定することよりも、姿勢がどうなっているかを見てあげて下さい。
反り腰、猫背、頭が落ちることがないように、基本は背中を一直線にするイメージですね。
姿勢を崩さない為の力の入れ方を学習すること自体はありですが、必要のない力を入れる癖がつかないようにしてきたいということになります。
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