ざっくり学ぶ、ULDの覚え方|#219
航空貨物の現場で必ず出てくるのがULD(Unit Load Device)です。AKE、PMC、PAG…アルファベット3文字が並ぶULDコードは、初見だと呪文のように見えます。しかしポイントさえ掴めば、暗記に頼らず「読み解ける」ようになります。今回は「ざっくり学ぶ、ULDの覚え方」と題して、初心者が最短で理解するための3ステップを整理してみます。
攻略ステップ1:ミリメートルではなく「インチ」で見る
ULDの標準規格はアメリカ発祭のため、インチ基準で設計されています。ミリメートル表記だと桁の多い数値も、インチに直すと綺麗な整数に収まります。
88×125インチ(約224×318cm):PAGなど
96×125インチ(約244×318cm):PMCなど
60×61インチ(約153×156cm):AKE(LD3)など
コツはシンプルで、業務上も「ハチハチ(88)」「キュウロク(96)」というショートカット呼称が一般的です。ミリは思い切って捨てましょう。
攻略ステップ2:IATA3文字コードを解読する
3文字コードは、位置ごとに意味が決まっています。
1文字目(種別):A=認証コンテナ/P=認証パレット
2文字目(底面サイズ):K=LD3(60×61in)/A=88×125in/M=96×125in
3文字目(形状・仕様):E=標準/C=網付きパレット/N=キャリア識別違い/W=新規追加のコンテナ輪郭コード(IATA ULDR第14版2026で導入)
例えば「AKE」はA(コンテナ)+K(LD3サイズ)+E(標準)と読めます。「PMC」はP(パレット)+M(96×125in)+C(網付き)です。2文字目さえ押さえれば、初見コードでもサイズが推測できます。
攻略ステップ3:まずは「3大定番」を完璧に
① AKE(LD3):B777やA350など旅客機の床下用。片側が斜めに削れた約1.5m×1.5mの箱。
② PAG:88×125inパレット。中型貨物機や旅客機下部で頻出。
③ PMC:96×125inパレット。B747Fなど大型フレイターのメインデッキ最大の板。
実務でよく見る型番の見取り図
3大定番以外にも実務で頻出するコードを、系統ごとに把握しておくと便利です。LD3系ではAKEの派生としてキャリア識別違いのAKN、B787やA330向けのAKW(LD3-45W)があります。フルサイズコンテナ系はAAA/AAP(LD-9、96×125in・フルハイト、B747/B777Fメインデッキ用)、B747メイン・下部両用のハーフハイトAMA。88×125inパレットではPAJ/PAP、LD-11系のPLA、B747下部貨物室のPGA/PGE/PGF(LD-26/LD-29)もよく出てきます。
医薬品輸送ではEnvirotainer社のRKN/RAP、CSafeのAPS、Sonoco ThermoSafeのPegasus等のリーファーコンテナが主流で、CEIVファーマ認証取得の航空会社との組み合わせが標準になりつつあります。特殊仕様ではAAF/AAX(自動車部品)、HMA/HMJ(生体動物・馬)、B777メインデッキ用大型パレットのQ7/Q6なども登場します。
実務でのポイント
現場では、AWB/House AWB、ULDタグ、CFS上屋のバンニングリストでコードを目にします。同じサイズでも航空会社ごとに型番が微妙に違う点(AKN vs AKE 等)、リーファーは電源接続と温度ログ管理必須、DG(危険物)はULD搭載制限、AVI(生体動物)は温度・換気要件など、コード確認は事故防止の第一歩です。公式マニュアルはIATA ULD Regulations(ULDR)第14版2026で、新コンテナ輪郭コード「W」と型式コード「AMW」が追加され、Appendix Jにライフサイクルアセスメント指針が新設されました。
ULDプール事業ではUnilode(保材20万ユニット超)、Jettainer、Nordisk等が主要プレイヤーで、Unilodeは2026年にリチウム電池対応の消火カバー・リースも開始しています。
覚え方の応用テクニック
「A_ _」ならコンテナ
「P_ _」ならパレット
2文字目はK=LD3小型/A=88in/M=96in/B=60in長方形。
3文字目はE=標準/C=網付き/F=特殊床/N=キャリア識別違い。
この対応表さえ頭にあれば、初見の型番でも8割は推測できます。

まとめ
ミリメートルは捨ててインチ(88/96)で捉える。2文字目でサイズを見分ける。まずはAKE/PAG/PMCの3大定番から。この3点だけでも、航空貨物のULDは驚くほど身近になります。
関連note:#161 ICAO/IATAのきほん、#155 モントリオール条約のきほん、#106 ULDのきほん
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