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暴落の日、何度も開いてしまう証券アプリ──近視眼的損失回避と距離を取る[投資×心理]

暴落の日、画面を閉じられなかった


投資を始めた頃のある日、相場が大きく崩れました。

朝から保有銘柄が次々と下がっていく。
前日までは「長期で見る」と思っていたのに、画面が真っ赤になると、そんな言葉は簡単に飛んでいきます。

「ここで一度ポジションを、減らした方がいいのかもしれない」
「いや、こういう日に売ると後悔するのかもしれない」


頭の中で同じような考えがぐるぐる回って、気づけば何度も証券アプリを開いていました。

本当は数年単位で見ていたはずの投資なのに、 暴落の日だけは、視界が“今日”に縮んでしまう。

今日は、この心のズレ──”近視眼的損失回避”の話です。

暴落の日ほど、気持ちまで短期目線になっていく


あの日の私は、こんな状態でした。

- 長期投資のつもりなのに、今日の値動きばかり見てしまう
- アプリを開く回数が増える
- 見るたびに不安が少しずつ強くなる


実際には、株式投資は

- 企業の成長
- 景気循環
- 市場の時間

などの長い流れの中で考えるものです。

それでも、相場が大きく崩れると、 「長期の前提」より「今日の下げ」の方が大きく見える。

すると気持ちが短期になり、
少しポジション減らした方が楽かもしれない」
「いったん逃げた方が安心かもしれない」
という考えが出てきやすくなります。

その裏側にある心理──近視眼的損失回避


近視眼的損失回避(Myopic Loss Aversion:MLA)とは、 投資結果を頻繁に確認するほど損失を感じる回数が増え、 その結果、リスク資産への投資を減らしやすくなる現象のことです。

ここには、2つの心理が重なっています。

① 損失回避
人は、同じ大きさなら ”利益のうれしさより、損失の痛みを強く感じやすい”
という性質を持っています。

② 頻繁な評価
そこに、価格や損益を ”短い間隔で何度も確認する習慣”が加わると、小さな損失を感じる回数が増えます。

この2つが組み合わさると、

-株式比率を下げたくなる
- リスク資産を減らしたくなる
- 変動の大きい資産を避けたくなる


という行動につながりやすくなります。

つまり近視眼的損失回避は、「不安になる心理」そのものというより、 ”頻繁な確認によって損失の痛みが増幅され、その結果、リスクを取りにくくなる現象”なんですよね。

近視眼的損失回避のこわいところ


① 短い間隔で見すぎると、不安が大きくなる

長期投資では、本来もっと長い時間軸で判断するはずです。
でも、短い間隔で何度も値動きを見ていると、そのたびに小さな上下に気持ちが振られやすくなります。

結果として、本当は長期で持つつもりだったのに、 気持ちだけがどんどん短期になっていく。

ここが、近視眼的損失回避のやっかいなところだと思います。

② リスク資産を必要以上に減らしたくなる

本来は、自分の投資目的や時間軸に合ったリスクの取り方があるはずです。
でも、短期の損失を何度も見ていると、

「もう少し安全な方がいいかもしれない」
「株は減らした方が気が楽かもしれない」

と感じやすくなる。

その結果、長期では必要だったかもしれないリスクまで、 早めに下げてしまうことがあります。

③ 「株価を見ること」がストレスの源になる

不思議なことに、 見る回数が増えるほど、損を感じる回数も増える
んですよね。

すると、投資そのものよりも、 「アプリを開くこと」や「前日比を見ること」がしんどくなってくる。

これは、投資判断だけでなく、 投資を続ける気力そのものにも影響しやすいです。

近視眼的損失回避への対応策


完全に避けることは難しいので、私は次の3つを意識しています。

① 証券アプリを開く頻度を先に決めておく

証券アプリを開く回数を、「朝・夜1回」「週末1回」など、自分なりに決めておく。
近視眼的損失回避は、「確認回数」が多いほど起きやすい心理です。だからまず、見る頻度そのものを減らすことが有効です。
※デイトレードなどの短期売買では、この限りではありません。

② 評価の時間軸を、投資の時間軸に合わせる

投資期間が「1年」「5年」「 10年」なら、評価も同じくらい長い視点で見る。
今日の値動きではなく、「 半年後はどうか」「1年後はどうか」「保有している理由の前提は変わったか」で考えるようにする。

短い時間軸で何度も採点しないことが、 この心理への対策になります。

③ 「価格」より「全体」を見る

相場が荒れると、どうしても個々の損益に目が行きます。
でも私は最近、「今日は何%下がったか」より、「自分の資産配分は、まだ許容範囲か」を見るようにしています。

近視眼的損失回避は、 短期の損益に意識が集中することで強まりやすい。
だから、目線を“今日の損失”から“全体の設計”に戻すことが大事だと感じています。

一言まとめ:短く何度も見るほど、リスクは重く見える


近視眼的損失回避は、「 損失を嫌う心理」「 頻繁に結果を確認する習慣」が重なって起きるものです。

相場が同じでも、短く何度も見るほど、リスクは必要以上に重く見えてしまう。

私は最近、暴落の日ほど、今日の損益ではなく、 「自分がどんな時間軸で投資しているのか」を思い出すようにしています。

暴落の日にアプリを開く指の動きは、不安な状況を何とか確かめようとする防衛本能に近いのかもしれません。
でも、その本能に従うほど、長期の果実は遠のいていく。

視界が近くなったときほど、少し遠くに目線を戻す。
それだけでも、判断はだいぶ変わる気がしています。

ここまで読んでくださった皆さまへ


皆さんは、

- 暴落の日に何度もアプリを開いてしまう
- 見るたびに不安が強くなる
- その結果、株を減らしたくなった

そんな経験はありますか?

もしよろしければ、あなたが近視眼的損失回避を感じた場面をコメントで教えていただけたらうれしいです。
私もまだ、この心理と付き合いながら投資を続けています(^-^)

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