悪い材料ばかりが大きく見えた日──ネガティビティ・バイアスと距離を取る[投資×心理]
良い材料もあったはずなのに、悪いほうばかり見ていた
前に私は、相場が少し崩れた日になると、悪いニュースばかり追いかけてしまうことがありました。
下がっている理由を知りたくて見にいったはずなのに、気づけば不安を増やす材料ばかり集めていたんですよね。
しかもそのときの私は、それを「冷静に情報収集している」と思っていました。
保有銘柄の決算は、そこまで悪くない。
業績の前提も大きく崩れていない。
長い目で見れば、慌てる場面でもない。
それでも、ひとつ強い下げや不安な見出しを見ると、頭の中がそちらでいっぱいになる。
さっきまで見えていたはずの良い材料まで、急に小さく見えてしまうんですよね。
今思うと、私は悲観的だったというより、悪い情報に強く引っぱられていたのだと思います。
今日は、この「ネガティビティ・バイアス」の話です。
悪い情報は、それだけで少し大きく見えやすい
投資では、良い材料と悪い材料が同時に並ぶことがよくあります。
でも、心の中ではいつも同じ重さで受け取れるわけではありません。
たとえば、好材料がいくつかあっても、ひとつの悪材料だけが強く残る。
含み益が続いていても、1日の下落だけが妙に気になる。
普段なら気にならない値動きなのに、不安なニュースを見たあとだけ急に弱気になる。
こういうことは、わりと自然に起こります。
人は「全体でどうか」よりも、「気になる悪い部分」に意識を持っていかれやすいからです。
その結果、相場そのものより、自分の受け取り方のほうが先に傾いてしまうことがあります。
その裏側にある心理──ネガティビティ・バイアス
ネガティビティ・バイアスというのは、良い情報よりも悪い情報のほうが強く心に残りやすく、判断にも影響しやすい心の傾きです。
心理学では、同程度ならネガティブな出来事のほうが、より大きく、長く、広く影響しやすいという整理されることがあります。
たぶんこれは、危険を見落とさないための反応でもあるのだと思います。
人類が誕生したころは、良いことをひとつ見逃すより、悪いことをひとつ見逃すほうが生存という意味でまずかった。
そう考えると、この心の傾き自体はそこまで不自然なものではありません。
ただ、投資では少しやっかいです。
相場が揺れると、短期の損失や不安な見出しばかりが大きく見えて、もともと持っていた時間軸や前提が見えにくくなることがあります。
悪い情報を気にすること自体が悪いわけではない。
でも、それだけで全体を判断し始めると、少しずつ視野が狭くなっていきます。
ネガティビティ・バイアスのこわいところ
ネガティビティ・バイアスのこわいところは、悪い情報を見たことそのものより、そこから判断の軸まで引っぱられやすいことです。
本来なら、
「前提はまだ崩れていないか」
「時間軸は変わっていないか」
を見たいはずなのに、いつの間にか
「これ以上悪いものを見たくない」
「とりあえず不安を減らしたい」
が基準になってしまうことがあります。
その結果、まだ崩れていない投資まで手放してしまったり、ニュースに反応しすぎて売買を繰り返してしまったりする。
しかもその場では、それが冷静な判断のように見えてしまうのがやっかいです。
ネガティビティ・バイアスへの対応策
私が少し距離を取りやすくなったのは、悪い材料を消そうとするのではなく、見方を整えるようになってからでした。
① 悪い材料を見たら、良い材料と中立の材料も並べる
頭の中だけで考えると、どうしても悪いほうが大きくなります。
なので私は、気になる悪材料が出たときほど、「それでも変わっていないこと」も一緒に確認するようにしています。
② 時間軸を言葉にし直す
今日の下げに反応しているのか。
それとも、3年後の前提が本当に崩れたのか。
ここを分けるだけで、気持ちが少し落ち着くことがあります。
③ 不安な情報に触れすぎない
同じ悪材料を何度も見にいくと、事実以上に大きく感じやすくなります。
情報収集のつもりが、不安の反復になっていないか。
私はときどき、ここを見直すようにしています。
一言まとめ
ネガティビティ・バイアスは、悲観的な性格だから起きるものではなく、悪い情報を強く受け取りやすい心の傾きです。
だから大事なのは、悪い情報を無視することではなく、
それだけで全体を決めないことなのだと思います。
私も今でも、下げた日ほど悪い材料ばかり大きく見えます(笑)
でも、そういう日にこそ「今見ているのは全体か、一部か」を確かめるようにしています。
そうすることで、少し落ち着いて相場を見ることができるような気がします。
ここまで読んでくださった皆さまへ
皆さまは、悪いニュースを見たあとに急に弱気になったことや、ひとつの下げだけが妙に心に残ったことはありますか。
もしよろしければ、ネガティビティ・バイアスを感じた場面をコメントで教えていただけたらうれしいです。
私もまだ、この心理と付き合いながら投資を続けています(^-^)
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