中東のニュースが、ガソリン価格として近づいてきた──サリエンス・バイアス[ニュース×投資心理]
今週、遠い中東のニュースが、だんだん生活の近くまで降りてきました。
原因のひとつになったのが、サウジの減産です。
供給不安が「なんとなくの不安」ではなく、数字として見え始めた。
そして、その余波は原油価格だけでなく、日本のガソリン価格にもにじみ始めています。
先週はホルムズ海峡そのものの混乱が主役でした。
今週は、そのニュースが「家計に近い数字」として見え始めた週だった気がします。
1. 週末の数字(3/13)
日経平均(終値):53,819円
TOPIX(終値):3,629pt
ドル円(17時):159円42〜44銭
2. 今週の空気
今週、私が気になったのは、サウジ減産でした。
中東情勢の悪化を背景に、サウジの原油生産は大きく落ち込みました。 これまで「供給が細るかもしれない」という言葉で見ていた不安が、今週は「実際に供給が減っている」という数字で意識されるようになった。そんな変化があったと思います。
その結果、原油価格は高止まりし、日本でもガソリン価格の上昇がニュースとして目に入りやすくなりました。
週次平均では、3月9日時点のレギュラーガソリン全国平均は161.8円/Lでした。 ただ、足元ではそれより高く感じる店頭も増えていて、政府は3月19日から補助の再開を決めています。
ここで大事なのは、原油の値段そのものより、 「遠いニュースが、生活コストとして近づいてきた」 という感覚なのかもしれません。
3. 私が感じたこと
相場のニュースを見ていても、いつも強く心を動かすのは、大きな見出しそのものとは限りません。
「サウジ減産」 「中東情勢の悪化」 「供給不安」
こういう言葉は大きい。 でも、それだけならどこか遠いままのこともある。
ところが、それがガソリン価格として近づいてくると、一気に現実味が出ます。
原油が何ドルかより、 ガソリンが何円かのほうが、生活の中ではずっと具体的だからです。
私の乗っているバイクはハイオクなので、こういう週は値上がりをいっそう身近に感じます。
今週は、その“近さ”が相場の見え方を変えるのを感じました。
ニュースの重さそのものより、 自分にどれだけ近く感じるかで、心の動きはずいぶん変わる。
そんな一週間だったと思います。
4. 投資心理:サリエンス・バイアス
ここで出てくるのが、サリエンス・バイアスです。
ざっくり言うと、 目立つ情報、感情を動かす出来事、まわりより突出して見える数字に、心が強く引っ張られやすい という偏りです。
そして厄介なのは、 強く目に入ったもの以外の情報を、つい軽く見てしまいやすい ところにあります。
今回で言えば、 サウジ減産というニュースも大きい。
でも実際に心をいちばん動かしやすいのは、「原油が何ドルか」より、「ガソリンがまた上がった」という、生活に近い数字のほうかもしれません。
それ自体は自然なことです。 むしろ、人として普通の反応だと思います。
ただ、ガソリン価格のように目立つ数字が前に出ると、 その背景にある供給量の変化、政府の補助、物流の混乱がどこまで続くのか―― そういう他の材料を、まとめて見落としやすくなることがある。
ガソリンが上がった。 だから景気も悪いはず。 だから株も厳しいはず。
そうやって、一つの目立つ数字から、全部を一本線でつなげたくなる。
今週は、その心の動きに少し気をつけていました。
だから私は、こういう週ほど、こう問いかけるようにしています。
「その数字はいま目立っているだけか。それとも、本当に全体を動かす材料なのか。」
この一問を入れるだけで、少し落ち着いて見られる気がします。
5. 来週の自分へのメモ(3つ)
① 目立つ数字が出たら、すぐに全部を一本線でつなげない
ガソリン価格が上がったからといって、景気も株も同じ流れで悪くなるとは限らない。一つずつ分けて見る。
② 生活に近い数字ほど、感情が乗りやすいと意識する
家計に近い数字は、ニュース以上に強く心を動かす。だからこそ、その数字を見た瞬間に、すぐ不安になりすぎていないかを一度確かめる。
③ 中東情勢のニュースは、“生活コストにどう届くか”まで見ておく
戦争の怖さだけで終わらせず、実際に何が家計に近づいているのかを確認する。
6. ここまで読んでくださった皆さまへ
今週の相場、どんな一週間でしたか?
「ここが一番気になった」という場面があれば、もしよろしければ、一言だけでもコメントで教えていただけるとうれしいです(^-^)
■関連note
・📌【サイトマップ】はじめての方へ 投資のメンタルと向き合うネルゥnote案内所【投資×心理】
・原油急騰とホルムズ海峡の混乱──最悪シナリオに引っ張られる心[ニュース×投資心理]
この記事は noteマネー にピックアップされました

