残る七名への問い ── 1.31声明と4.3声明は誰が撤回するのか
【本稿の要点(3行)】
・5月17日 趙博氏「謝罪文(2)」 と5月20日 4項目要請は、いずれも4.3声明にとどまっている。
・しかし「職業差別」 認定の起点は1.31声明(1月31日付・匿名)であり、論理的にはそちらへの撤回が先に問われる。
・本稿は、4.3声明共同代表4名と、共同代表ではない三名 ── あわせて七名 ── 一人ひとりに、何が問われているかを整理する。
【前提となる事実関係】 1.4イベントとは、2026年1月4日 大阪・森ノ宮で開催された、沖縄の米兵性暴力被害を扱う朗読会(主催:市民団体「2秒の視線」)。沖縄の被害当事者・支援者は、性暴力被害を扱う場に性的娯楽パフォーマンスを組み込む構成、TIC(トラウマ・インフォームド・ケア)の不在、沖縄を消費する本土発の動員様式に異議を表明した。本土側の一部活動家ネットワークは、1月31日付「1.31声明」 と4月3日付「4.3声明」 によってこれらの異議を「職業差別」 と認定し攻撃を続けてきた。5月17日 趙博氏「謝罪文(2)」 で「『職業差別だ』 と断定したのは明らかに私の間違い」「『4.3声明』 についても撤回せねばならない」 と表明、5月20日 4項目要請で4.3声明共同代表4名(長谷川宏・MarikoCaroline Greet・ウエマ マサトシ・砂布均)に対し撤回・論拠公開・謝罪・論拠公開を公開で要請したが、同日夕方 自身のFacebookアカウントを閉鎖(一時停止とみられる・参照不能化)した。5月20日 一日の連続事象の全体像は論考42「消えた『謝罪』 ── 趙博氏Facebookアカウント閉鎖と『逃亡する特権』」(公開後URL追記) で整理した。
【補足:謝罪は受け入れられていない】 5月17日 趙博氏「謝罪文(2)」 投稿のコメント欄には、賛辞コメントと、的確な問題点を指摘して謝罪が成立していないことを指摘する声の両方が書き込まれた。コメント欄は当初友人限定であったが、批判の声を受けてオープン化された以降、批判と、謝罪は受け入れられていないという指摘が相次いだ。現在 趙博氏ホームページには謝罪文が掲載されているが、多々問題があった4月6日付反省文もそのまま掲載されており、また、さまざまな指摘があった直近の謝罪文も、そのまま掲載されている。これをもって「謝罪している」 と言うのは、あまりに不誠実である。趙博氏が個別に謝罪メッセージを送った人(筆者を含む)で、現在 筆者が知る限り、謝罪を受け入れた者は一人もいない。
序 断定の起点はどこにあったか
5月17日 趙博氏「謝罪文(2)」 で趙博氏は次のように書いた。
沖縄の米軍による性的被害者の方々が不安になり、そうした「関心に晒される」 ことを恐怖するのは当然です。その不安と恐怖は「イベントの趣旨に対する相応しくないパフォーマンスは在らぬ誤解を招き兼ねないから止めてほしい」 という抗議になりました。それを「職業差別だ」 と断定してしまったのは明らかに私の間違いでした。
「4.3声明」 についても撤回せねばならないと私は思っております。
「『職業差別だ』 と断定したのは明らかに私の間違い」── これが趙博氏の到達点である。そして5月20日 4項目要請で、4.3声明共同代表4名への撤回・論拠公開・謝罪・論拠公開を公開で要請した。
加えて、「謝罪文(2)」 は TIC(トラウマ・インフォームド・ケア)という名称こそ使っていないが、その概念に実質的にたどり着いている。「沖縄の米軍による性的被害者の方々が不安になり、そうした『関心に晒される』 ことを恐怖するのは当然です」(被害当事者の心理的安全)、「性暴力被害者のことを考えるイベントなのに被害者に対する配慮がなかったという運営側の、根本的な問題」(被害者中心の配慮)、「『2秒の視線』 は、そのような緻密な手続きをちゃんと踏んでいませんでした」(適切な手続き)── これらはまさに、論考25「声明側はTICを知らなかった ── 無知が生んだ2ヶ月間の加害」 と 論考31「TICを知らなかった者と、知っていて適用しなかった者 ── 砂布均氏とMarikoCaroline Greet氏の矛盾」 で4ヶ月余り問うてきた TIC の核心である。「『職業差別だ』 と断定してしまったのは明らかに私の間違い」 という到達点は、この実質的な TIC 理解の上に立っている。
しかし、その断定は4.3声明(4月3日付)から始まったのではない。
「職業差別」 認定の起点は、より早い時期にある。1月2日 村上薫氏のタグ付け投稿で「セックスワーカー差別」 と認定された瞬間に、沖縄側からの構造批判(性暴力被害を扱う場の企画構成・TIC不在・本土による消費)は「『職業差別』 を行う者からの攻撃」 という反転枠付けに変換された。1月31日「1.31声明」 が、その認定を「職業差別」「重大な人権侵害」 として声明化した。4月3日「4.3声明」 は、論考シリーズによって1.31声明が論証的に反駁された後、新たな声明として出されたものである。
つまり、認定の起点 → 1月2日タグ付け投稿(村上薫氏)
声明化 → 1月31日「1.31声明」
再強化 → 4月3日「4.3声明」
「『職業差別だ』 と断定したのは明らかに私の間違い」 という趙博氏の表明が論理的に成立するならば、その断定の起点 ── 1月2日タグ付け投稿と1.31声明 ── への撤回も、論理的に必要となる。
5月17日「謝罪文(2)」 と5月20日 4項目要請がいずれも4.3声明にとどまっている事実は、構造上の不十分さを残している。1.31声明への撤回(および村上薫氏個人の1月2日タグ付け投稿の取り下げ)が、論理的には4.3声明撤回より先に問われるべき事項である。
5月19日、上田真弓氏も同じ指摘を行った ──「『職業差別』 と断定したのが間違いだったのであれば、その断定の起点である1.31声明にも言及する必要がある」。
第1章 起点 ── 村上薫氏の決定的ミスリード
1月2日タグ付け投稿が議論の軸を決定的にすり替えた
村上薫氏のミスリードは、4ヶ月余りに及ぶ本件の枠組み全体を作り上げた決定的なものである。これを軽く扱うことはできない。
沖縄側が1.4イベントに対して提起したのは、ストリッパーであること自体への異議ではなかった。「別の場でストリッパーが踊ることは否定していない」(比嘉マリア氏)と明言されている。問題にされたのは、性暴力被害の朗読という重いテーマと、性暴力を模した作品の出演歴を持つ人物の身体表現とを組み合わせる企画構成そのもの、TIC(被害当事者の尊厳と安全への配慮)の不在、本土発の動員様式 ── これら複層の構造批判であった。これは「職業差別」 ではない。職業差別とは何の関係もない、本土と沖縄の構造的非対称への異議であった。
ところが1月2日、村上薫氏(2秒の視線元メンバー)は、宮城秋乃氏にタグ付けする形で投稿を発信し、そこで沖縄側の構造批判を「セックスワーカー差別」 と認定した。この瞬間に、沖縄側からの構造批判が「『職業差別』 を行う者からの攻撃」 という反転枠付けに変換され、議論の軸が決定的にすり替わった。
この1月2日タグ付け投稿が起点となって、以下の構造が積み上がった:
1月31日 「1.31声明」 ──「職業差別を許さない市民の会」 発出。村上薫氏の1月2日タグ付け投稿の「セックスワーカー差別」 認定を、本土側の活動家ネットワークが「職業差別」 認定として声明化
4月3日 「4.3声明」 ── 共同代表4名(長谷川宏・MarikoCaroline Greet・ウエマ マサトシ・砂布均)による再強化
4ヶ月余りにわたる沖縄側被害当事者・支援者への攻撃 ──「差別者」 ラベル付与・「監視ばばあ」「TERF」「違法行為」「殲滅」「セカンドレイプ」 等の侮蔑・人格攻撃
2026年4月以降、五宝光基氏が「職業差別はなかった」 と認め、5月17日 趙博氏が「『職業差別』 と断定したのは明らかに私の間違い」 と認めるまで、4ヶ月余りの時間が費やされた
つまり、村上薫氏の1月2日タグ付け投稿がなければ、「職業差別」 フレームそのものが成立しなかった。趙博氏「殲滅」 発言・宮城秋乃氏発言改変・比嘉マリア氏への「PTSDは妄想」 二次加害・Miky King氏(金武美加代)への「違法行為」「TERF」 拡散・コメスキヨサネ氏の実名ブロック・春摘紅子氏の被差別性横領攻撃 ── これらはすべて、村上薫氏の1月2日タグ付け投稿によって開かれた「職業差別」 フレームの延長上で増殖した加害行為である。
同型論法の二度目の発動
加えて、村上薫氏は同型論法(「差別者」 認定 → 糾弾要求 → 応じなければ排除)を2022年のおかだだい氏排除で既に発動してきた人物であり、1.4イベント問題はその二度目の発動である(参照:論考23「『差別者認定』 の系譜 ── 反差別が批判を封じるとき」)。一度目で排除されたのはおかだだい氏(日本軍「慰安婦」 問題の活動家)、二度目で「差別者」 ラベルを付与されようとしたのが沖縄側被害当事者・支援者であった。
つまり、1.4イベント問題における「セックスワーカー差別」 認定は、村上薫氏個人の偶発的判断ではなく、同氏が既に習慣化した論法の二度目の発動である。同氏の論法は、ある集団を「差別者」 として認定し、糾弾要求に応じない場合は運動圏から排除する、という運動内排除装置として、二度繰り返された。
主催者明言後も認定を維持
3月22日、1.4イベント主催「2秒の視線」 自身が「職業差別とは考えておりません」 と公的に明言した。にもかかわらず村上薫氏は、その後も1月2日タグ付け投稿の取り下げを行わず、起点として下した「セックスワーカー差別」 認定を撤回していない。起点を作った当人が、主催者の明確な否定にもかかわらず、断定そのものを維持し続けてきた事実である。
撤回条件の倒錯
さらに、村上薫氏は「宮城さんが牧瀬さんに謝ったらタグ付け投稿は取り下げる」 という条件を協働者に繰り返し述べてきた。これは、起点ミスリードの責任を加害者本人が引き受ける形ではなく、被害当事者(沖縄側)の方が謝罪することを撤回の条件とする構造である。 本来撤回の動詞を握っているのは加害者であり、被害当事者の側ではない。
組織を使った隠蔽の試み ── 1月10-12日
加えて、1月10-12日 ── 1月4日の1.4イベントから1週間後 ── 村上薫氏は組織(きょうとユニオン滋賀支部)の上層(H書記長)を経由して、批判者である芝山守氏との「仲直り」 を組織経由で提案させ、組織の上層を使って問題隠蔽を試みた経緯が、芝山守氏 2026年5月18日 FB公開投稿で記録された。
芝山守氏のFB投稿には、運動圏内部からの3つのコメントが付けられた:
尾崎美代子氏「組織のしかも上の人を使って問題を隠蔽して貰おうとした。これ反差別、反権力を闘う人が一番やってはいけないこと」
安西玲子氏「仲直りではなくて、謝罪をしないと。それかどこで差別発言をしているのか教えて貰いたいです」
比嘉マリア氏「重要なポイントです」
「反差別、反権力を闘う人が一番やってはいけないこと」 ── 運動圏内部から、村上薫氏の組織隠蔽の試みが、反差別運動の核心倫理に反する行為として明確に名指された記録である。起点ミスリードの責任を組織経由で覆い隠そうとする動きは、構造の中核を担う行為であった。
村上薫氏に問われていること
1月2日タグ付け投稿を取り下げるのか
「セックスワーカー差別」 認定が、沖縄側の構造批判を「職業差別」 にすり替えた起点ミスリードであったことを認めるのか
1.31声明への賛同を取り下げるのか
「宮城さんが牧瀬さんに謝ったらタグ付け投稿は取り下げる」 という条件付けを撤回し、加害者の側が無条件で撤回するという立場に立ち返るのか
1月10-12日 きょうとユニオン経由の組織隠蔽試みについて、芝山守氏および同組合に謝罪を行うのか
2022年おかだだい氏排除と1.4イベント問題で繰り返した同型論法への自己批判を行うのか
第2章 4.3声明共同代表4名への問い
5月20日 趙博氏 4項目要請の直接の宛先は、4.3声明共同代表4名 ── 長谷川宏・MarikoCaroline Greet・ウエマ マサトシ・砂布均 ── である。4項目は次の4分岐構造を持つ:
(a) 4.3声明撤回に進む → 第1項に応答
(b) 4.3声明撤回に進まない → 第2項に応答(論拠を公開の場で示す)
(c) 4ヶ月余りの差別的発言を撤回・訂正・謝罪する → 第3項に応答
(d) 撤回・訂正・謝罪に進まない → 第4項に応答(論拠を公開の場で示す)
このうち砂布均氏は5月20日中に公開拒絶応答を発信し、第1項・第3項を明示的に拒否した。残る3名(長谷川宏・MarikoCaroline Greet・ウエマ マサトシ)からの応答は、これからの観察事項である。
長谷川宏氏
4.3声明共同代表として4月3日「沖縄側の異議は職業差別である」 という認定を発出した声明の中核に位置してきた一人として、4項目への応答が問われる。1.31声明への共同代表は名簿が公開されていないが、1.31声明の枠組みを4.3声明として再強化したことへの責任が、共同代表としての中心的責任である。
加えて、長谷川宏氏は牧瀬茜氏のストリップショーを芸術的だと絶賛し「女性にもおすすめ」 と推奨してきた経緯が記録されている。その牧瀬茜氏の過去パフォーマンス(主催者側が公開しているもの)に、法的問題を含みうる事項、そして本土と沖縄の構造差別を搾取している問題があることが、4ヶ月余りの議論のなかで明らかになってきた。教育者でありながら、自身が強くおすすめしたパフォーマーにこうした問題が明らかになったことの責任を、長谷川宏氏自身がどう整理するのかが問われる(参照:論考18「『文は人なり』 の選択的適用 ── 長谷川宏氏の論法と構造」)。
加えて、2026年1月末、長谷川宏氏は「文は人なり」 という書き出しで宮城秋乃氏を「知性がない」 等と断じた投稿を発信している。同氏は同投稿で事実検証の要求を「暗黒面」「屁理屈のよろい」 と無効化しながら、批判者をブロックで遮断する形を取ってきた(論考18「『文は人なり』 の選択的適用 ── 長谷川宏氏の論法と構造」)。この発言の撤回・謝罪を行うのかも、4.3声明撤回問題と並んで残されている。
問われていること:
4.3声明共同代表の意思として、4.3声明撤回に進むのか、進まないのか
1.31声明の枠組みを4.3声明として再強化したことへの責任を、どう整理するのか
進まないのであれば、進まない論拠を公開の場で示すのか
4ヶ月余りに沖縄側被害当事者・支援者を「差別者」 として扱ってきた認定の責任を、どう整理するのか
2026年1月末「文は人なり」 を起点に宮城秋乃氏を「知性がない」 等と断じた投稿の撤回・謝罪は行うのか
牧瀬茜氏のストリップショーを「女性にもおすすめ」 と絶賛・推奨してきた経緯について、出演者の過去パフォーマンスに法的・構造差別搾取上の問題があることが明らかになった現在、教育者としての推奨責任をどう整理するのか
MarikoCaroline Greet氏
MarikoCaroline Greet氏は、5月17日「謝罪文(2)」 公表後、最も発信を続けてきた共同代表である。
5月18日 Miky King氏(金武美加代)が自身のFB公開声明で整理した内容によれば、MarikoCaroline Greet氏は、Miky King氏に対して、「本名を用いた上で、『違法行為もお手の物』『TERF』 などと断定的に印象づける投稿や、過去のSNS発言を執拗に掘り起こして拡散する行為」 を継続してきた。Miky King氏は「過去に精神的ダメージを受け、実際に通院までしていた件を現在も繰り返し掘り返され続けていることにより、日常生活や精神面に大きな影響が出ています」 と表明している。Miky King氏は5月18日FB公開声明で、「本名を用いた継続的投稿/過去案件の反復的掘り返し/第三者への印象誘導/反論不能状態(ブロック)での拡散/長期間にわたる継続性」 という5要件を整理した。
5月18-19日 西巻糸子氏FB投稿のコメント欄でMarikoCaroline Greet氏は次のように応答した:
「私は専門家ではないし、主催者でもないし、企画者でもないし、通りすがりのものですので、TICに関しての責任は負いません」
「私に責任を問うなら、どうぞ裁判で訴えてください。法廷で決着をつけましょう」
「あなたは逆にこれがデマであることをどうやって証明するのですか?」(悪魔の証明を被批判者に要求)
「ダイレクトに職業差別だと考えます」
5月17日 趙博氏が「『職業差別だ』 と断定したのは明らかに私の間違いでした」 と書いた翌日、4.3声明共同代表のMarikoCaroline Greet氏が「ダイレクトに職業差別だと考えます」 と書いた── 共同代表のなかで、趙博氏の到達点と真っ向から対立する位置が、5月18-19日時点で公開発信されている記録である。
やまむらひろの氏は、何週間にもわたって、同じ5項目のTIC質問を西巻糸子氏FBコメント欄で繰り返し投げかけてきた。MarikoCaroline Greet氏の「通りすがりのものですので、TICに関しての責任は負いません」 という応答は、その質問に向けられたものである。質問に答える代わりに、責任の所在を主催者・企画者の側へ移す形がとられた。
しかし、問われていたのは「1.4イベントのTIC運営の責任を誰が負うか」 ではない。西巻糸子氏は、この応答に対して次のように書いた。
あなたにあの2秒のイベントのTICに関する責任を負うように誰が言いましたか? 「イベントのTICについて考えた上でこの問題を捉え直そう!」 と呼びかけられているわけです。あなたは、このことを呼びかけられた段階でも、それを無視して、一方的に、職業差別のラベルを貼り続けました。そこを問われています。
沖縄側が発したのは、性暴力被害を扱う場の安全をめぐる配慮の声 ──「TICの観点からこの問題を捉え直そう」 という呼びかけ ── であった。沖縄側からの異議申し立てそのものが、TICに基づく配慮であった。MarikoCaroline Greet氏は、その配慮を「職業差別」 と言いなした。配慮を差別と呼び替えたこと、これが問われている。
「TICに関しての責任は負いません」 という応答は、TICで問われたことに対してTICで答えていない。 やまむらひろの氏は、TICの責任を主催者の側へ移すこの応答に対して、次のように書いた。
TICを知っているなら、その場における安全確保のアップスタンダーとして誰もが一定の行動責任を負います。それがTICです。専門家かどうか、その場の主催者かどうかは関係ありません。知っている人は誰でも実践可能なのがTICです。
ある異議申し立てが、TICに基づく配慮なのか、それとも「職業差別」 なのか ── これを見分けることは、主催者であるか否かと関係がない。TICを知る者であれば、参加者であれ「通りすがり」 であれ、沖縄側の呼びかけがTIC配慮であることを見分けられる。MarikoCaroline Greet氏は「TICを知っていた」 と述べてきた。TICを知っていたのであれば、沖縄側の異議申し立てがTICに基づく配慮であることも分かったはずである。それを「ダイレクトに職業差別だと考えます」 と書いたことは、「TICを知っていた」 という自認と両立しない。
やまむらひろの氏の5項目TIC質問の第5項 ──「『知っている』『配慮は必要』 と認めながら、なお『職業差別は成立する』 とおっしゃるなら、TICの枠組みの中でそれがどう成立するのか、具体的にご説明ください」── は、この矛盾を正面から問うものである。TICを認め、配慮の必要を認めるならば、配慮は配慮であって「職業差別」 にはならない。MarikoCaroline Greet氏がこの第5項に応答できていないことは、配慮を「職業差別」 と言いなした起点の誤りが、論理的に閉じられないまま残されていることを示している。
5月19日夕方、MarikoCaroline Greet氏は自身のFBで、「強要罪」(刑法第223条・3年以下の懲役)・「カスタマーハラスメント」・「パワハラ」 枠付け を公開発信した。「謝罪しろ謝罪しろ、謝罪したらしたで、そんなの謝罪になってない、もっと謝罪しろ、謝罪が足りない、というのを何ヶ月も横目で見てきて、ものすごく気分が悪いです」「ネットで情報を見聞きしただけの部外者も、たくさんそれにあいのりしてきていて、本当に驚きます」 と書き、自らを「気分が悪い」 側に置いた。
5月20日午前〜午後、同投稿のコメント欄では、Mariko氏支持者圏から「相手が悪質すぎる」「『オレサマかオレサマ以外か』 みたいな主張」「リング・エスケープ」「アイヌ差別や外国人差別と同じ」 等のコメントが蓄積し、「Mariko氏=差別された側」 枠付け が補強されている。
加えて、3月22日 1.4イベント主催「2秒の視線」 が「職業差別とは考えておりません」 と明言した謝罪文の公開コメント欄で、長谷川直美氏から「2秒の企画で『安全を守る』 必要があったのは、米兵による性暴力被害者の方々」「間違った理解のもとに、攻撃する必要のない方をマリコさんが攻撃している」 と直接指摘された経緯がある。
問われていること:
1.31声明・4.3声明撤回に進むのか、進まないのか
進まないのであれば、進まない論拠を公開の場で示すのか
Miky King氏(金武美加代)への「違法行為もお手の物」「TERF」 等のレッテル拡散を撤回・謝罪するのか、進まないなら論拠を示すのか
Miky King氏が5月18日FB公開声明で整理した5要件(本名を用いた継続的投稿/過去案件の反復的掘り返し/第三者への印象誘導/反論不能状態(ブロック)での拡散/長期間にわたる継続性)への応答を行うのか
5月18-19日 西巻糸子氏FBで発信した「通りすがり」「TIC責任は負いません」「裁判で訴えてください」「悪魔の証明」「ダイレクトに職業差別」 を撤回するのか
5月19日夕 自身のFBで発信した「強要罪」「カスタマーハラスメント」「パワハラ」 枠付け を撤回するのか
やまむらひろの氏が複数回投げかけている5項目TIC質問(TIC配慮の具体例/「前提条件変えてもらっちゃ困りますよ」 と被害者の尊厳の関係/4.3声明にTIC概念が一言も入っていない理由/比嘉マリア氏のフラッシュバックを「妄想」 と呼んだ理由/TICの枠組みで「職業差別」 がどう成立するか)に応答するのか
沖縄側からの異議申し立てが、性暴力被害を扱う場の安全をめぐるTICに基づく配慮であったことを認め、その配慮を「職業差別」 と言いなしたことを、起点における誤りとして認めるのか
3月22日 2秒の視線謝罪文公開コメント欄で長谷川直美氏から指摘された「2秒の企画で『安全を守る』 必要があったのは、米兵による性暴力被害者の方々」「間違った理解のもとに、攻撃する必要のない方を攻撃している」 という指摘に、どう応答するのか
参照:論考21「『本当の被害者』 を決める権利 ── MarikoCaroline Greet氏の論法と構造」、論考31「TICを知らなかった者と、知っていて適用しなかった者」。
ウエマ マサトシ氏
ウエマ マサトシ氏は共同代表唯一の沖縄人として、沖縄を代表し沖縄の思いを断言する発言を繰り返し、1.31声明への賛同も発信している。
3月22日 1.4イベント主催「2秒の視線」 が「職業差別とは考えておりません」 と明言した謝罪文の公開コメント欄で、ウエマ マサトシ氏は比嘉マリア氏について「性被害に遭ったことはない者が、性的PTSDフラッシュバックを起こすことはあり得ない」 と断定する発言を行った。これに対し長谷川直美氏は次のように直接反論した ──「以前も同じことをウエマさまは書かれており、比嘉さまへの二次加害を繰り返していらっしゃいます。被害に遭われた方の経験を、当事者ではない者が、その傷の大きさについて語る資格はありません。どうか、ご自身のモノサシで測ることも、比嘉さまに言及なさることも、もう金輪際おやめください」。
「性被害に遭ったことはない者が、性的PTSDフラッシュバックを起こすことはあり得ない」 という断定そのものが、被害当事者の心理的安全への配慮を欠いた発信である── TIC(トラウマ・インフォームド・ケア)の最も基本的な前提を、共同代表として4月3日 4.3声明を発出した直後(3月22日)の時点で、比嘉マリア氏に対して二次加害として実行していた記録となる。
5月17日 趙博氏「謝罪文(2)」 公表以降、ウエマ マサトシ氏からの目立った応答は確認されていない。
問われていること:
4.3声明共同代表の意思として、1.31声明・4.3声明撤回に進むのか、進まないのか
進まないのであれば、進まない論拠を公開の場で示すのか
4月5日 名古屋辺野古コンサートをめぐる経緯(沖縄側から異議が出された経緯)に、どう向き合うのか
比嘉マリア氏のPTSDフラッシュバックを「あり得ない」 と断定してきた発言を撤回・謝罪するのか、進まないなら論拠を示すのか
長谷川直美氏から「当事者ではない者が、その傷の大きさについて語る資格はありません」 と直接反論された指摘に、どう応答するのか
4ヶ月余りに沖縄側の被害当事者・支援者を「差別者」 として扱ってきた認定の責任を、どう整理するのか
参照:論考26「名古屋辺野古コンサート ── 沖縄差別者が『沖縄のために』 歌うとき」。
砂布均氏
砂布均氏は、5月17日 趙博氏「謝罪文(2)」 公表後、最も明確に4.3声明撤回拒否姿勢を表明してきた共同代表である。
5月14日「監視対象こわい」 投稿でコメスキヨサネ氏を実名で名指しブロックした。5月19日には次のように書いた:
愚直に何度でも言います。
1.4イベントではストリップは行われておりません。
パフォーマーである牧瀬茜さんがストリッパーであることが問題視されたのです。
これは、砂布均氏自身がかつて「性被害とストリッパーの身体表現は何らかのバイアスがないと繋げるのが不可能です」 と断定して沖縄側懸念を「バイアス」 として退け続けた「バイアス論」 の、5月時点での反復である。しかし「バイアス論」 は既に成立しない。論考11「牧瀬茜 ── 論争の焦点となった出演者:経歴と『バイアス』 論の崩壊」 で整理した通り、出演者の活動歴(米軍基地内ステージ出演経歴/自身のストリップショー告知と1.4イベント告知の並列/「ジュゴンのポーズ」 消費事例 等)を踏まえれば、論破済みである。
そして5月20日、趙博氏が4項目要請を公開発信してから約2時間後、砂布均氏は自身のFBで趙博氏の投稿をシェアし、本文で次のように書いた:
ちょっと待てよパギやん。
オレらが謝罪する理由も4.3声明を撤回せなアカン理由もない。
牧瀬茜さんは今も叩かれ続けてるやん。
せめて牧瀬茜さんは悪くないって言えよ。
どこから圧力かかってる?
さらに同投稿のコメント欄で、投稿者本人として:
「この四ヶ月余り」 理不尽な攻撃受けてるん牧瀬茜さんやんけ。いやこの2年ほど。
これは、5月20日 4項目要請への共同代表側からの最初の公的応答である。4項目要請のうち第1項(4.3声明撤回)と第3項(4ヶ月余り差別的発言の撤回・訂正・謝罪)の両方を、共同代表の砂布均氏が明示的に拒絶した記録となる。
この応答には、(a) 拒絶の明文化(ただし第2項・第4項で要請された「進まない論拠の公開」 への応答ではない)、(b) 加害/被害の反転 枠付け(「四ヶ月余り」 の主語を沖縄側被害当事者から牧瀬茜氏へ反転、さらに期間を「2年ほど」 に拡張)、(c) 外部圧力 枠付け(「どこから圧力かかってる?」 で趙博氏の自己批判進展を外部圧力に帰属)、という3つの構造が並走している。
加えて、同投稿には「せめて牧瀬茜さんは悪くないって言えよ」 という、趙博氏への新たな逆要求が含まれる。これは、構造批判(1.4イベント企画構成の問題・性暴力被害を扱う場に性的娯楽を持ち込んだ構造)を「個人(牧瀬茜氏)の善悪」 に縮減する論点すり替えを、趙博氏に対して新たに要求するものである(参照:論考10「沖縄の声はこうして消された」)。
さらに、5月18-19日 砂布均氏は宮城秋乃氏の投稿を引用しつつ「内ゲバで人を殺すのに比べりゃさ、裸で踊るなんて可愛いもんだと思うぜ」 と書いた。中核派の内ゲバ殺人と1.4イベントを比較し、「内ゲバ殺人と比べれば些細」 という三段論法で、沖縄からの構造批判を消去する論法である。
5月19日 Hiroshi Yamada氏に「PTSD患者へのセカンドレイプはやめたらどうですか?」 と指摘されたことに対しても、砂布均氏は「セカンドレイプではないです」 と即時否認した。さらに「セカンドレイプしてる本人は自分のやってることをセカンドレイプとは認めない」 と返され、その後も「砂布均さん、セカンドレイプはやめてください」 と短く繰り返されている。
Sasha Goskino氏が「両者はトランスヘイター(個人ないし組織として)という共通点」「本質的な保守性・反動性」 と宮城秋乃氏に「トランスヘイター・保守反動」 レッテルを投入したことに、砂布均氏は「ネトウヨレベルですね😰」 と同意した。
そして、砂布均氏が4ヶ月余りにわたって応答を回避し続けてきた質問群がある。TIC(トラウマ・インフォームド・ケア)に関する質問である。 3月9日 やまむらひろの氏は砂布均氏の「まとめ」 投稿に対して9つの体系的な質問を投げかけた(TIC配慮の有無、被害当事者への二次加害認識、企画構成の妥当性、職業差別判定の根拠 等)。これに対する砂布均氏からの体系的応答は確認されていない。5月18-19日 西巻糸子氏FB → 砂布均氏FB で MarikoCaroline Greet氏に向けてやまむらひろの氏が5項目TIC質問を3回繰り返し投げかけた際にも、砂布均氏は MarikoCaroline氏と連携してコメント欄に登場していたにもかかわらず、TIC質問への応答には加わっていない。
問われていること:
5月20日「オレらが…4.3声明を撤回せなアカン理由もない」「オレらが謝罪する理由も…ない」 と公開で拒絶応答した以上、趙博氏が4項目要請 第2項・第4項で求めた「進まない論拠を公開の場で示す」 ことを行うのか、行わないのか
「牧瀬茜さんは…2年ほど…理不尽な攻撃」 という 枠付け について、その「2年ほど」 の起点・「攻撃」 の具体・「理不尽」 の判定基準を、公開の場で示すのか
「どこから圧力かかってる?」 という疑念表明について、「圧力」 の根拠・推定される源泉を、公開の場で示すのか、示さないなら撤回するのか
「せめて牧瀬茜さんは悪くないって言えよ」 という趙博氏への逆要求について、1.4イベント企画構成への構造批判と、出演者個人の善悪を分離せず「個人の善悪」 に縮減する論点すり替え構造を、自覚しているのか
1.31声明・4.3声明撤回に進むのか、進まないのか
「性被害とストリッパーの身体表現は何らかのバイアスがないと繋げるのが不可能です」 という「バイアス論」 が、出演者の活動歴によって反証されたこと(論考11「牧瀬茜 ── 論争の焦点となった出演者:経歴と『バイアス』 論の崩壊」)を認めるのか、認めないのか
5月19日「ストリッパーであることが問題視された」「裸で踊るなんて可愛いもんだ」 という発信、すなわち崩壊済みの「バイアス論」 の反復を、撤回・訂正・謝罪するのか
やまむらひろの氏が3月9日の9項目体系的質問・5月18-19日の5項目TIC質問など、4ヶ月余り複数回投げかけてきたTIC関連質問群に、ようやく応答するのか、しないのか
TIC「知らなかった者」 と「知っていて適用しなかった者」 の自己定位を公的に表明するのか、しないのか(論考25「声明側はTICを知らなかった ── 無知が生んだ2ヶ月間の加害」・論考31「TICを知らなかった者と、知っていて適用しなかった者 ── 砂布均氏とMarikoCaroline Greet氏の矛盾」 で問われ続けてきた事項)
4.3声明にTIC概念が一言も入っていない理由を、公開の場で示すのか
5月14日「監視対象こわい」 投稿の撤回、コメスキヨサネ氏へのブロック解除を行うのか
1月31日に「全部出したらいいと思いますよ!」 と書いて、沖縄側が牧瀬茜氏のために配慮して伏せていた事項の公開を直接促した経緯について、宮城秋乃氏・比嘉マリア氏・牧瀬茜氏に公的に謝罪するのか
5月19日 Hiroshi Yamada氏「PTSD患者へのセカンドレイプはやめたらどうですか?」「砂布均さん、セカンドレイプはやめてください」 の指摘への「セカンドレイプではないです」 即時否認を撤回するのか
Sasha Goskino氏「両者はトランスヘイター」 への同意「ネトウヨレベルですね😰」 を撤回するのか
「内ゲバで人を殺すのに比べりゃさ、裸で踊るなんて可愛いもんだと思うぜ」 という比較論法を撤回するのか
参照:論考38「趙博氏が降りた ── 砂布均氏とMarikoCaroline Greet氏が答えなければならないこと」。
第3章 共同代表ではない二名 ── 牧瀬茜・春摘紅子
4.3声明共同代表ではないが、構造の中核に位置してきた人物が三名いる ── 村上薫氏・牧瀬茜氏・春摘紅子氏。村上薫氏は第1章で詳述したため、本章では残る二名(牧瀬茜氏・春摘紅子氏)を扱う。
牧瀬茜氏 ── 市民運動の場への「エロ持ち込み」 の責任を問う
牧瀬茜氏は、十年以上にわたって、市民運動の場に「エロ」 を持ち込み、「性売買」 の場への集客をしてきた。1.4イベントだけではない ── 辺野古の海でのヌード撮影、新宿ベルクで辺野古の海を題材にプライベートゾーンが見える衣装で行ったパフォーマンス、大阪・いくのパーク百年芸能祭でのプライベートゾーンが見える衣装でのパフォーマンス。性暴力を模した行為を含む映像作品にも出演している。
宮城秋乃氏は、運動の場に性的に消費する眼差しが入り込むことの問題を、長く指摘し続けてきた。1.4イベント問題を通じて、その意味を、わたしたちは広く知ることになった。
市民運動の場に性的パフォーマンスを持ち込み、それがつらい人たちが排除され続けてきた。普通に「だめ」 と思うことを「だめ」 と言える場が成立しなくなり、当たり前の異議を表明する人が逆に排除されてきた。その結果として起こった分断への責任は、加害者本人に帰せられる ──「いや、牧瀬茜氏は被害者ではない」。
「あかねちゃんが来てくれてうれしい」「茜ちゃんはよく来てくれる」 ── そう感謝されるそばから、そこに来ることができなくなった人たちがいる。運動内で性加害を受けた人、性的な眼差しに対して異議申し立てをした女性、性売買に否定的な男性 ── そういう人たちが排除されてきた。牧瀬茜氏がたびたび訪れてくれることが評価される一方で、去った人の数は、永久にわからないままである。沖縄の運動圏内では、米兵による性暴力被害の記録集の扱いについて比嘉マリア氏から申し入れがあったが無視された経緯、運動圏内で性的トラブルが発生し男性が出禁になった事案、そして沖縄に居住する大和人が牧瀬茜氏を呼び込んでいた構造 ── これらが具体的に記録されている。
そのうえで、牧瀬茜氏ひとりに責任が閉じるものでもない。「エロ持ち込み」 を利用し、煽り、それでいいと言い続けた男性たち、それに過剰適応してきた女性たち ── この構造が継続を支えた。さらに、「立ち去る」 女性の存在に気付かなかった、あるいは特に気に留めなかった多くの人々の「鈍感さ」 も、一朝一夕に作られたものではなく、徐々に多層的に積み重なった結果である。牧瀬茜氏個人の属性が、結果として指摘を遮ってきた経緯もある(村上薫氏についても同型構造)。「牧瀬茜さんはとばっちりで暴露バッシングされてしまって可哀想」 という枠付けが、いまも一部に残っている。
牧瀬茜氏は、1.4イベント身体パフォーマンス出演者として、沖縄側から1.4イベントの組み立て方への異議が出されたことに対し「謝罪を求める」 立場として4ヶ月余り発信を続けてきた。1.31声明への賛同を公的に明言してきた(村上薫氏も自身の記事のなかで、牧瀬茜氏が1.31声明に同意していることを明記している)。自身の年末ストリップショーチラシと1.4イベントチラシを並べて告知した人物としても記録されている。
5月18日 趙博氏「謝罪文(2)」 公表投稿に寄せられたコメントには、次のように記録されている。
自分の年末のストリップショーのチラシと、『米兵による沖縄の女性の性被害をなかったことにしない』 という企画のチラシを並べて告知。実際にそういう目的で来た人がその後牧瀬さんのストリップショーに行き、『ジュゴンのポーズ』 をお願いして写真撮影をしました。辺野古の海が、沖縄の女性の性被害が、ストリップのお客さんの獲得につながり、その性的娯楽の「ネタ」 として消費されました。
このコメントは、1.4イベント以前の構造として、牧瀬茜氏自身のストリップショー告知と1.4イベント告知の並列、そして「辺野古の海」 を象徴する「ジュゴンのポーズ」 がストリップショーで再演されることで、「辺野古の海」「沖縄の女性の性被害」 が「ストリップのお客さんの獲得」「『ネタ』 として消費」 されていたことを、具体的事実として記録している。
沖縄の運動の文脈で、牧瀬茜氏については重要な到達点が立ち上がっている。1.4イベント(沖縄の米兵性暴力被害を扱う朗読会)の場に「エロ持ち込み」 をした問題 ── 性暴力被害を扱う場に性的娯楽を持ち込む構成、本土発の動員様式(論考16「『本土は沖縄を消費するな』」 で論じた構造)、県外アーティストのサロン化 ── は、長年にわたって、宮城秋乃氏が指摘し、孤独に問題提起してきた事項であった。砂布均氏が「誹謗中傷」 と枠付けし続けた行為、趙博氏「謝罪文(2)」 が「牧瀬は悪くない」 と書いた構造、いずれも沖縄からの構造批判を「個人攻撃」 に縮減する操作であった(参照:論考10「沖縄の声はこうして消された」)。
1.4イベント問題で構造批判が積み重ねられるなかで、宮城秋乃氏が長年言い続けてきた「エロ持ち込み」 の罪が、明らかになった。牧瀬氏を通じて持ち込まれた性的娯楽が、子どもや女性の虐待であったことが、確認されつつある。あなたにも伝わっただろう。どうするのか。
問われていること:
1.31声明賛同を取り下げるのか
4ヶ月余り「謝罪を求める」 立場として発信してきた内容の、5月20日 趙博氏 4項目要請以後の整理を行うのか
「謝罪を求める」 立場としての求めは、4.3声明撤回を受けても、なお同じ内容で維持されるのか、変わるのか
自身のストリップショー告知と1.4イベント告知の並列によって、「実際にそういう目的で来た人がその後牧瀬さんのストリップショーに行き、『ジュゴンのポーズ』 をお願いして写真撮影をしました」 という事態について、どう整理するのか
「辺野古の海」「沖縄の女性の性被害」 が「ストリップのお客さんの獲得」「『ネタ』 として消費」 されてきた構造について、自身の発信および告知運用をどう整理するのか
沖縄の米兵性暴力被害を扱う朗読会の場に、自身の「エロ持ち込み」(性的娯楽を提供する芸態を、当事者の心理的安全への配慮なしに持ち込んだ事態)が発生したことそのものを、どう整理するのか。沖縄の運動の場で同様の「エロ持ち込み」 を今後行わない、という整理に進むのか
4.3声明が「沖縄を切り捨てる団結」 として作用してきた構造の中核に、自身がどう位置していたかをどう整理するのか
参照:論考11「牧瀬茜 ── 論争の焦点となった出演者:経歴と『バイアス』 論の崩壊」、論考24「4.3声明 ── すべて反論済みである ── 沖縄を切り捨てる団結」。
春摘紅子氏
春摘紅子氏は、3月14日辺野古スレッドで在日コリアンとしての被差別性を借用してコメスキヨサネ氏(沖縄人)を「排外主義者」「差別者」「旭日旗がお似合い」「日本軍と同じ考え方」「朝鮮人差別をした側」 と攻撃した人物である。
この攻撃は趙博氏自身の投稿のコメント欄で行われたが、趙博氏は制止しなかった。 趙博氏は在日コリアンとして長年差別と闘ってきた当事者として、自身の被差別性が他者によって借用され沖縄の人を攻撃する武器に転用される構造を、知りうる立場にいながら、この事態を制止しなかった。これは、論考19「『反差別』 の名の下に ── 被差別性の横領の構造 ── 春摘紅子氏と趙博氏」 で論じてきた「被差別性の横領」 構造の、最も典型的な実例として記録されている。
5月20日 趙博氏 4項目要請には、春摘紅子氏は直接の対象として明示されていない。しかし、3月14日辺野古スレッドでの春摘紅子氏の発言は、1.31声明・4.3声明と並走する形で、4ヶ月余りの加害構造の中核に位置してきた。「『職業差別』 認定」 という起点ミスリードが「被差別性の借用による攻撃」 という別経路の加害として、コメスキヨサネ氏(沖縄人・実名で名指された当事者)に対して直接実行された事案である。
問われていること:
3月14日辺野古スレッドの自身の発言を撤回するのか、しないのか
コメスキヨサネ氏に対する「排外主義者」「差別者」「旭日旗がお似合い」「日本軍と同じ考え方」「朝鮮人差別をした側」 等の発言を、それぞれ撤回・謝罪するのか
「被差別性」 を借用して別の被差別性を持つ人物を攻撃する構造に、どう向き合うのか
在日コリアンとしての被差別性を、沖縄人(コメスキヨサネ氏)への攻撃の正当化資源として動員した構造を、自覚するのか
趙博氏が制止しなかったコメント欄で発信を続けたことについて、自身の側からの撤回・謝罪を、独立に行うのか
参照:論考19「『反差別』 の名の下に ── 被差別性の横領の構造 ── 春摘紅子氏と趙博氏」。
終 断定の起点に戻る
5月17日 趙博氏「謝罪文(2)」 で「『職業差別だ』 と断定したのは明らかに私の間違い」 と書かれた以上、その断定の起点 ── 村上薫氏の1月2日タグ付け投稿、そしてそれを声明化した1.31声明 ── への撤回がなされない限り、4ヶ月余りの構造の出発点が宙に浮いたままになる。
これから問われるのは:
4.3声明共同代表4名のうち未応答の3名(長谷川宏・MarikoCaroline Greet・ウエマ マサトシ)からの応答 ── 撤回に進むか、進まないか。進まないなら論拠を公開で示すか。4ヶ月余りの加害行為を撤回・訂正・謝罪するか
砂布均氏 ── 5月20日公開拒絶応答の第2項・第4項(進まない論拠の公開)への応答、TIC質問群への応答、5月14日コメスキヨサネ氏ブロック解除
村上薫氏 ── 1月2日タグ付け投稿の取り下げ、1.31声明賛同取り下げ、組織隠蔽試みへの謝罪、2022年おかだだい氏排除と同型論法への自己批判
牧瀬茜氏 ── 1.31声明賛同取り下げ、十年以上にわたる市民運動の場への「エロ持ち込み」 と「性売買」 への集客の責任、自身のストリップショー告知と1.4イベント告知の並列で発生した事態の整理
春摘紅子氏 ── 3月14日辺野古スレッドの被差別性借用攻撃の撤回・謝罪
七名全員が同じ形式で「声明撤回」 だけを問われているのではない。各人の関与の形態に応じた、個別具体の撤回・謝罪が問われる。
趙博氏が5月20日夕方にFacebookアカウントを閉鎖した(論考42「消えた『謝罪』 ── 趙博氏Facebookアカウント閉鎖と『逃亡する特権』」(公開後URL追記))ことは、七名一人ひとりの応答責任を消去しない。趙博氏のFB閉鎖が及ぶ範囲は趙博氏本人のFB発信に限定される。七名それぞれの過去発信・関与・応答責任は、趙博氏のFB閉鎖とは独立に残る。
「断定したのは明らかに私の間違い」 という到達点が論理的に成立するかどうかは、その断定の起点である1.31声明と1月2日タグ付け投稿が、どう整理されるかにかかっている。
本稿は、その整理を求める記録として書かれる。
参照論考一覧
論考42「消えた『謝罪』 ── 趙博氏Facebookアカウント閉鎖と『逃亡する特権』」(公開後URL追記) ── 5月20日 一日の連続事象とFB閉鎖の中心命題
(2026年5月21日 red)
