観測とは何か——あなたが見ているから、世界はそこにある
https://x.com/ako_sasahara/status/2062851928028279154?s=46&t=3bjHgss0CD-IPUyIvWk01A
本日のnoteを更新しました。
— 佐々原 亞子 (@ako_sasahara) June 5, 2026
量子力学のささやかな入口——
「観測」というキーワードについて、
ゆっくり書きました。
「観測することは、関わること。
関わることは、世界の振る舞いを変えること」https://t.co/EgYYBLiuq5#量子力学 #物理学 #科学エッセイ #観測 #時渡り
「観測」という言葉を、今日、何度使ったでしょうか。
天気を観測する。星を観測する。患者の経過を観測する。
ふだん使う場面では、ずいぶん地味な動詞です。
けれども、物理学の世界では、「観測」はとてつもなく大きな意味を持ちます。
観測されるまで、世界は確定していない——そう考える分野があるのです。
量子力学です。
ひとつ、有名な実験があります。
二重スリット実験。
電子という、とても小さな粒を、ふたつのスリット(細い隙間)に向かって飛ばします。
スクリーンに何が映るか、想像できますか。
ふつうに考えれば、ふたつのスリットの真後ろに、ふたつの線が出るはずです。
ボールを投げ込んでいるようなものですから。
ところが——実際には、何本もの縞模様が映るのです。
これは波の性質です。
水面に石を投げ込むと、波紋同士が重なって縞ができる。あれと同じ。
ひとつの電子という「粒」を投げたはずなのに、結果は「波」の振る舞い。
世界は、わたしたちが思っているより、ずっと不思議です。
ここからが、本題です。
「電子がどちらのスリットを通ったのか」を、観測してみる。
そのために検出器を仕掛けてみる——すると。
縞模様が、消えるのです。
観測した瞬間、電子は「粒」として振る舞いはじめる。
誰にも見られていないとき、電子は「波」のまま広がっている。
観測した瞬間、世界の振る舞いが変わる。
これが、量子力学のなかでも、もっとも有名で、もっとも不気味で、もっとも美しい事実のひとつです。
「観測されるまで、それは確定していない」
この発想は、物理学を飛び越えて、わたしたちの日常にも染み出してきます。
誰かに本気で見つめられた瞬間、自分が自分として確定するような感覚。
SNSで「いいね」がついた瞬間、自分の言葉がはじめて存在しはじめるような気配。
親しい人を失ったあと、世界の解像度が落ちていく感じ。
それらはみな、もしかしたら、ささやかな量子力学なのではないか——とわたしは思うのです。
観測することは、関わること。
関わることは、世界の振る舞いを変えること。
そんなふうに、量子の世界はわたしたちに囁いてきます。
8月にお届けする物語『時渡り』は、観測することで揺らぐ世界の物語です——とだけ、今日は申し上げておきますね。
詳しくは、また次回の量子力学のおはなしで。
「シュレーディンガーの猫」という、もう少しだけ不思議な思考実験をご紹介します。
あなたが今日、誰かを観測してくださること。
そして、誰かに観測されること。
そのささやかな行為のなかに、世界を作る力があります。
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『時渡り』第一巻
《量子の海に溶けた少女と、狂える発明家》
2026年8月1日 Amazon Kindle にて発売予定
発売記念:8/1〜8/5 完全無料DL
主題歌『時亘り』も同日公開
── 波の側 / 粒の側
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— 佐々原 亞子
`#量子力学` `#観測` `#科学エッセイ` `#物理学` `#SF小説`
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