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20年越しの夢がライン川で叶う瞬間──Violaさんの『ローレライ』が教えてくれる、歌と旅と人生の奇跡

Violaさんのエッセイ

 この作品には、Violaさんらしい瑞々しい感性と、日常の一瞬を鮮やかな物語に変える観察力が凝縮されています。
 声楽の師匠からのスパルタ指導、過去生リーディングで告げられた『歌うことで満たされる人生』、そして20年越しに実現した『ローレライ岩を眺めながら歌う』という夢──。その一連のストーリーが驚くほど自然に流れ、読者を旅の臨場感と音楽の余韻に包み込みます。

 特に印象的なのは、ライン川沿いの描写。幻想的な景色の中、突然の土砂降りを『神の怒り』とユーモラスに語る場面には、Violaさん特有の前向きな想像力と遊び心が光っています。

#なんのはなしですか

『ローレライ岩を眺めながら、ローレライを歌ってみた』私。
 不遜な行為だ。不遜極まりない‥‥

過去生が導く?歌への憧れ〜ローレライ岩を望んで歌う『ローレライ』〜
その時、ライン川の大蛇のような流れが不気味にうねり始めたッ! Violaの歌声が響いた瞬間、天と地が共鳴し、見えざるスタンド《GOTTES ZORN(神の怒り)》が姿を現したのであるッ! …… ジョジョの奇妙な冒険のナレーション風

Violaさんの魅力

 Violaさんは、noteで多彩なテーマを綴る魅力あふれるエッセイストで、『病院が好き』シリーズをはじめとした作品群は、医療や日常を観察者の視点で切り取り、細やかなユーモアと洞察を交えて描かれ、多くの読者を惹きつけています。
 自己紹介でも語られているように、『異国での暮らしや文化を通じた気づき』を誠実に文章へと昇華する姿勢が、すべての作品に通底しています。

 本作でも、その視点は健在です。声楽の修練と過去生というスピリチュアルな要素、そしてドイツ・ライン川の旅が三層構造のように絡み合い、まるで一篇の叙情詩を読むかのような読後感を与えます。

文化へのリスペクト

 作中で引用される『ローレライ』(近藤朔風訳詞・フリードリヒ・ジルヒャー作曲)は、いずれも著作権保護期間が満了したパブリックドメイン作品です。
 作詞者・作曲者のクレジットを明示する細やかな配慮からも、Violaさんの文章家としての誠実さが伝わります。

総評

『過去生からの導き』というテーマを、ユーモラスかつ情緒豊かに描き切った秀逸なエッセイです。
 音楽と旅を通して、自分の小さな夢を実現する喜びを、これほど温かく、かつリアルに表現できる文章は稀です。

 次回は『病院が好き』シリーズと音楽を絡めた『音楽と健康のエッセイ』も読んでみたいと強く思いました。

武智倫太郎

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