陰謀論と戦う私が、noteの設計思想を知って「ここで書き続けよう」と決めた話
SNSで「正しい情報」を発信しようとして、疲弊したことはありませんか?
私は医療関係者として、陰謀論やフェイクニュースに対するリテラシー啓発をnoteで続けています。でも正直に言うと、ときどき虚しくなることがあるんです。センセーショナルな見出しの記事がバズる一方で、丁寧に書いた啓発記事は静かに流れていく。「もっと煽ったほうがいいのかな」なんて、本末転倒なことを考えてしまう夜もありました。
そんなとき、noteのCXO (最高体験責任者)である深津貴之さんの記事に出会いました。「なぜnoteは『PV至上主義』と戦うのか」。読み終えたとき、私は思わず「このプラットフォームで書いていてよかった」と声に出していました。
今日は、その感動を皆さんと分かち合いたいと思います。
「怒り」が最も儲かる構造の恐ろしさ
深津さんの記事で、私が最も衝撃を受けたのはこの一文でした。
「ユーザーを怒らせて議論を呼び、クリックさせること(レイジ・ベイトといいます)が、最も効率よく儲かる手段になってしまう」
これ、まさに私がフェイクニュース啓発の現場で感じていたことなんです。
陰謀論やデマがなぜこんなにも拡散するのか。それは「怒り」や「不安」を煽るコンテンツが、プラットフォームの設計上、最も「報われる」仕組みになっているからです。PVが収益に直結する世界では、人々の感情を逆撫でするほうが合理的になってしまう。リベラルなメディアですら、この誘惑に取り込まれてしまうと深津さんは指摘しています。
私自身、Xで啓発活動をしていたとき、まさにこの構造に飲み込まれそうになった経験があります。「○○を信じる人は情弱」みたいな煽り投稿のほうが圧倒的に伸びる。でも、そんな投稿をしても、本当に届けたい人には届かないどころか、むしろ分断を深めるだけ。何のために発信しているのか、わからなくなってしまいました。
noteが目指す「3つの設計思想」
深津さんは、SNSやメディアの「治安」は3つの要素で決まると言います。何をすれば儲かるか、何をすれば人気者になれるか、何をすれば達成感を得られるか。
そしてnoteが目指しているのは、こういう世界だそうです。
継続的にネットを良くすれば儲かる。みんなの役に立つ知識や経験を共有するほど人気者になる。読者に感謝されたり、読者が成長するほど達成感を得られる。
これを読んだとき、私は「ああ、私が求めていた場所はここだったんだ」と思いました。
陰謀論やフェイクニュースの啓発って、正直言うと「バズりにくい」ジャンルです。「ワクチンは危険!」という投稿は拡散されても、「ワクチンの仕組みを丁寧に解説します」という投稿は地味に見える。でも、本当に価値があるのは後者のはずです。
noteは「じっくりと読まれ、ファンが継続的に応援してくれるコンテンツが報われる世界」を目指していると深津さんは書いています。これこそが、私のような発信者にとっての希望なんです。
「外なる戦い」から「内なる戦い」へ
もう一つ、深く共感したのが「外なる戦い」と「内なる戦い」という対比です。
フォロワー数の競い合い、他人とのケンカ、マウント合戦。これらは「外なる戦い」であり、プラットフォームの治安を悪化させる要因だと深津さんは言います。一方で、いかに自分の文章力を上げるか、体験を深めるか、探求を続けるか。これが「内なる戦い」であり、noteが目指す方向性だと。
私がフェイクニュース啓発で心がけているのも、まさにこの「内なる戦い」なんです。
陰謀論を信じている人を論破して「勝つ」ことが目的ではない。そうではなくて、どうすれば正確な情報がより多くの人に届くか、どうすれば分断ではなく対話を生み出せるか。その問いと向き合い続けることが、私にとっての「内なる戦い」です。
他者を攻撃するエネルギーを、自分を磨くエネルギーに変える。これは心理学的にも健全なアプローチですし、長期的に見れば確実に良い結果を生みます。プラットフォームの設計思想が、そういう方向に人を導いてくれるのだとしたら、これほど心強いことはありません。
「数字の向こう側」を見るということ
深津さんの記事の最後に、こんな言葉がありました。
「数字の向こう側にいる『人の感情』や『創作の連鎖』を、私たちは見ていきましょう」
この一文を読んだとき、私は本当に救われた気持ちになりました。
私がnoteで書いている啓発記事は、正直なところPVは多くありません。でも、ときどき感謝のコメントをいただくことがあります。数字には表れない、でも確かに誰かの心に届いている。その実感があるから、私は書き続けられています。
PVや売上は「遅行指標」であって、直接追うべきものではないと深津さんは言います。私たちが本当に見るべきは、読者が継続しているか、ポジティブな連鎖が生まれているか。その視点を持ってプラットフォームを運営してくれている人がいる。それだけで、私は「ここで書き続けよう」と思えるのです。
「正しさ」より「誠実さ」を
最後に、この記事を読んで改めて思ったことを書かせてください。
フェイクニュースや陰謀論と向き合うとき、私たちはつい「正しさ」で勝負しようとしがちです。科学的に正しい、論理的に正しい、だから私の言うことを聞きなさい、と。
でも、それだけでは人の心は動きません。
大切なのは「誠実さ」だと私は思っています。自分が知らないことは知らないと認める。間違えたら訂正する。相手の不安や恐れに寄り添いながら、一緒に考える姿勢を見せる。
noteというプラットフォームが「PV至上主義」と戦ってくれているおかげで、私たちはその「誠実さ」を大切にした発信ができます。煽らなくていい。急がなくていい。じっくりと、丁寧に、自分の言葉で伝えていけばいい。
深津さん、素晴らしい記事をありがとうございました。私はこれからも、noteでフェイクニュースやリテラシーについて書き続けます。「怒り」ではなく「理解」を、「分断」ではなく「対話」を生み出すために。
あなたがもし、正しい情報を発信しようとして疲弊しているなら、ぜひ深津さんの記事を読んでみてください。きっと、また歩き出す力をもらえるはずです。
私たちの小さな発信が、誰かの「ポジティブな連鎖」の始まりになると信じて。
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