ComfyUI を Linux で 20% 高速化! Pop!_OS は、Windows の代わり使えるか? 【画像生成 AI】
はじめに
こんにちは、きまま / Easygoing です。
今回は、無料で使える OS の Linux を使って ComfyUI の高速化を試してみたのでご紹介します。

世界で最も普及している OS は Android
2026年3月現在、世界で最も普及している OS は Android です。

Android は、2008年に Google がオープンソースの Linux をベースに開発した OS で、世界中の スマホ や タブレット に搭載されています。

デスクトップ PC に限ってみると、OS のシェアは現在でも Windows が最も多いですが、最近は デスクトップ PC でも Linux の利用が少しずつ広がっています。
Linux は、必要な機能を「足して使う」
Windows は、ビジネス用途でも個人用途でも同じプログラムを使う「全部入り」の OS です。
Windows は、Home・Pro・Enterprise などのエディションに分かれていますが、基本的にはどれも同じプログラムで、廉価グレードは 機能の一部に制限をかけて 販売しています。

それに対して、Linux は基本実装はシンプル で、ユーザーが必要な機能を「足して使う」OS です。
一般に、特定の用途での利用であれば、シンプルな実装の分 Linux の方が高速に処理を行う ことができます。
Pop!_OS の特徴!
Linux OS には、いろいろな ディストリビューション(Distribution:配布版)がありますが、今回は 米国の system 76 社 が公開している Pop!_OS を利用してみます。

Pop!_OS の特徴
Rust 言語 でメモリの安定性が高い
NVIDIA のドライバ を内蔵している
Pop!_OS は、2025年12月に Linux が正式対応した、新しいコンピューター言語の Rust で書かれたデスクトップ環境の OS であり、メモリの安定性が高く、高いパフォーマンスが期待 できます。

また、Pop!_OS は 標準で NVIDIA の GPU ドライバを搭載 しているため、NVIDIA の GPU との相性問題が多い Linux 環境でも、安定して NVIDIA の GPU を利用することができます。
Windows と Linux をデュアルブート
今回は、1つの PC に 2台の SSD を搭載して、 Windows と Linux を デュアルブート できる環境で検証しました。

ComfyUI は、Windows 環境の SSD1 にインストールして、仮想環境(venv と venv_linux)を分けて実行しています。
Linux はランダム読み込みが速い!
まずは、ComfyUI をインストールした SSD1 の速度を、Windows と Linux で比較してみます。
Windows のアクセス速度(CrystalDiskMark)

Linux のアクセス速度(KDiskMark)

シーケンシャル読み込みは Windows が 15 % 速い
ランダム読み込みは Linux が 50 % 速い
SSD1 は、Windows のファイル形式の NTFS でフォーマットしているので、AI モデルのロード時間に関わる シーケンシャル読み込み は、Windows が 15 % 速く なっています。
一方で、小さな処理に関連する ランダム読み込み は Linux が 50% 高速 になっていて、実際のアプリの実行処理は Linux が有利と予想されます。

NTFS は Windows のファイルシステムですが、30年以上の後方互換性 を担保するために 複雑な実装 になっているのに対して、Linux で利用した ntfs3 ドライバ は 2021年 に Linux に採用された新しい形式 であり、オリジナルの NTFS より最近の高速な SSD に最適化されている可能性があります。
Python 3.14 の ComfyUI で実行!
それでは、今回の検証の環境をご紹介します。

Pop!_OS に実装されている NVIDIA ドライバ は 580.126.18
RAM:32GB
GPU:NVIDIA RTX 4060 Ti 16GB
ComfyUI:0.17.2
Python:3.14
Pytorch:2.12 開発版
ComfyUI は、最近 Python 3.14 への対応が始まっていて、さらに開発版 Pytorch を利用すると パフォーマンスが向上する場合がある ので、今回は最新の Python と開発版 の Pytorch を利用しています。
検証結果
それでは、実際の測定結果です。
ComfyUI の起動時間(秒)

軽量のワークフロー(SDXL + Detaler)

重量級のワークフロー(SDXL + HiDream + Detaler)

比較のグラフ(中央値)

ComfyUI の 起動は、Linux が 40% 速い
軽量のワークフローは 5% 速い
重量級のワークフローは 20% 速い
ComfyUI の実行速度は、Linux が全ての処理で Windows を上回って います。
Linux は、ストレージのランダムアクセスが速いので、ComfyUI の起動が 40 % 速く なっています。
全てのモデルが VRAM に収まる軽量のワークフローでは、Linux の優位性はあまり大きくありませんが、RAM へのオフロードや SSD のスワップが発生する 重量級のワークフロー だと Linux が 20% も速く なっています。

Flux・Z-Image・Qwen-Image・HiDream といった、容量の大きい次世代モデル を使う場合は、Linux の恩恵が大きい ことが分かります。
今回は、Windows に有利な条件で測定
今回は、性能の良い SSD1 に Windows を割り当てて、性能の劣る SSD2 に Linux をインストールしています。
さらに、Linux ネイティブの ext4 形式は、Windows の NTFS 形式より読み込み速度が速いため、高速な SSD1 に Linux と ComfyUI をインストールした場合、Linux がさらに速く なります。

また、今回の測定では、ComfyUI の起動時に筆者の 複数 GPU・低 RAM 環境に合わせて、メモリについて以下の 手動設定 をしています。
--reserve-vram 0 --disable-async-offload --disable-pinned-memoryもし、VRAM と RAM を手動設定ではなく ComfyUI の自動設定 に任せた場合、ComfyUI は Linux の方が効率良くメモリを利用するアルゴリズムのため、Windows との差がさらに拡大していた と思います。
Pop!_OS は Windows の代わりに使える?
今回利用した Pop!_OS は、NVIDIA の ドライバも安定していて、Windows と似たような タイルレイアウト (COSMIC UI) を採用しているので、Windows に近い操作感で使うことができます。

Pop!_OS の、デフォルトの COSMIC ストア のアプリの配布形式は Flatpak 形式 で、アプリを OS とは隔離された環境(サンドボックス)内で実行するので、 セキュリティ や 安定性 が高くなっています。
一方で、逆に アプリを跨いだファイル操作(ドラッグ&ドロップ や コピー&ペースト など)は制限される場合があり、アプリごとに権限の設定が必要で、この辺りの操作感は Android に近いです。

筆者の使用感では、Android で PC を操作する感覚 に抵抗が無ければ、Windows から Linux への移行は比較的容易 だと思います。
まとめ:Linux で ComfyUI を高速実行!
Linux はランダムアクセスが速い
重いワークフローで特に高速化
操作感は Android に近い
今回は、ComfyUI を Linux で実行してみました。
Linux は、ComfyUI の実行が速いだけではなく、NTFS ファイルシステムの制御 も優秀だったので、パフォーマンスで Windows を大きく上回る結果になりました。

Linux は、初めて触るのはなかなか勇気が必要ですが、Git や Python がデフォルトで組み込まれているので、ComfyUI を手動でインストールするユーザー には、相性が良いかもしれません。
次回は、Pop!_OS のインストール手順と実際の使用感 についてご紹介したいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございます!
動画紹介
サイエンス千夜一夜 さん
サイエンス千夜一夜 さんは、Windows と Linux の違い について、大変分かりやすい動画を多数公開されています。
Windows から Linux への移行を考えている方は必見です。
