岩手物語 第十八話 目撃者
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第十八話 目撃者
数分続いた地震が収まった。
誰だ、こいつは……。
僕は、驚きのあまり声を上げることもできずにいた。
「じいちゃん!無事か!」
僕は男の気配のする方向を凝視しながらじいちゃんに声をかけた。
すると、その声に目の前の男が反応した。
「ああっ!俺だっ頼むっ。」
ん……この声、聞いたことあるぞ。
すると、じいちゃんの声が居間のほうから聞こえてきた。
「大丈夫か~、停電か~。」
「うん、大丈夫、大丈夫だけど。」
僕が返事をすると、ちん、ちんっと音がして、電気が戻ってきた。
男を見ると、丸まった格好で、両手をこちらに向けていた。
「お前!」
「俺だ、俺だ、阿部だっ。」
よく見ると阿部だ。
僕は一気に緊張の糸がほぐれた。
「お前、うちで、何してんの。」
なんで阿部が僕の部屋の押し入れに居たんだ?
「はあっ、はっ、ごめん俺は。」
「俺は見たんだ。」
阿部の表情は青ざめ、がたがた震えている。
そして、震えながら声を出した。
「ユミ先輩が」
「!ユミ先輩がどうしたんだ。」
阿部はつばを飲んだ。
「ユミ先輩が!」
僕の両腕をつかんだ阿部は恐怖に怯えていた。
「アラハバキの中で、薄緑のひかり…光って…」
阿部は唾を飲み込んだ。
「光って消えてしまったんだ。」
