カリキュラム研究001【イギリス・PSHE協会】AI時代の新科目をカバー~イギリスのウェルビーイング・カリキュラム~
みなさん、秋の日々、いかがお過ごしでしょうか。
今回のレポートは、イギリスで注目されているメンタルヘルス関連の新しいカリキュラムをご紹介します。
そもそも「PSHE協会」って何?
PSHE(Personal, Social, Health and Economic education)協会は、
イギリスで「心と社会性の教育」を推進する専門団体です。
2006年に設立され、英国教育省の公認を受けながら、小学校から高校までの幅広い年齢を対象に、
個人の幸福(wellbeing)・人間関係・社会参加・経済的理解を育むため
の教育を支援しています。
2020年からはPSHE教育がイギリスで義務化されました。

テーマは大きく3つです。
Health and Wellbeing(健康と心の幸福):感情理解、ストレス対処、メンタルヘルス、思春期の変化など
Relationships(人間関係):家族や友人関係、いじめ防止、共感やリスペクト、多様性理解
Living in the Wider World(社会とのつながり):責任ある行動、キャリア教育、経済的リテラシー、オンライン安全など
「完全公開」が大きな特徴
PSHE協会のカリキュラムと教材は、すべて無償で公開されています。指導計画・授業案・ワークシート・評価基準などが世界中の誰でも閲覧でき、各トピックには「根拠となる研究・政策文書」へのリンクも添えられています。
教員・研究者・医療や福祉の専門家が協働しながら継続的にブラッシュアップしていく、いわば<生きたカリキュラム>です。教育を「共有財(コモンズ)」としてとらえるイギリスらしい姿勢が表れていると感じます。

今やイギリス国内だけでなく、世界中の教育現場が参考にするグローバル・リソースとしても注目を集めています。
新カリキュラム「Wellbeing for Life」が公開
2025年10月20日、中高生向けの新しいメンタルヘルス教育プログラム 「Wellbeing for Life」 がサイト上に公開されました。
なぜ今、このカリキュラムが必要なのか
2023年のNHS調査によると、イングランドの11〜16歳の約4人に1人(22.6%)が何らかのメンタルヘルスの問題を抱えていると報告されています。うつ・自傷・摂食障害などが増加傾向にある中(ケント大学報告)、体系的で安全なPSHE教育によって改善が可能だという考えのもと開発されました。
学べる主なテーマ
感情を「気づく・言葉にする・コントロールする」
注意の向け方と集中の維持
ネガティブ思考のリフレーミングとポジティブ思考の習慣化
不安や反芻(同じ悩みを繰り返し考えること)への対処
摂食障害や自傷行為など、助けを求める方法の理解
ストレスと緊張のコントロール
カリキュラムの内容(中1〜高2相当・全15レッスン)
授業用PowerPointと生徒向け教材
教師用ハンドブック(感情調整などの解説付き)
教室掲示用ポスター
レッスンは段階的に構成されており、どの学年からでも導入できます。また、2025/26年度のPSHE新ガイドラインに完全準拠しています。
ヨーク大学と共同開発した小学生版「Foundations for Wellbeing」を基盤に、最新の脳科学・発達心理学の研究をもとに設計されています。
このレポートで今後お届けすること
この週刊レポートでは、PSHE協会のカリキュラムの中から
🌟「感情教育」
🌟「(比較)宗教教育」
の2テーマを重点的にピックアップしてお届けしていきます。小学生・未就学児向けのカリキュラムもすでに用意されていますので、おってご紹介予定です!
ご興味をもたれましたら、ぜひ「💓」をお願いします。
これまでの週刊・教育アイテムレポートはこちらから。欧米での最新「感情教育」アイテム紹介をメインテーマにお届けしています。
自己紹介はこちらから
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日本は3連休ですね♪
みなさま、よい週末をお過ごしください!
