眠くなったら寝るんですよ | うつ病治療2年9ヶ月
うつ病の治療を始めてから、40回目の診察。
僕は今、一つの大きな境界線に立っている。
現在のステータスを整理すると、こんな感じ。
イフェクサー(抗うつ薬): 断薬から1年
デエビゴ(睡眠薬): 断薬から2ヶ月
「眠くなったら寝るんですよ」
診察室で先生に言われたその一言に、不意を突かれた。
振り返ればもう何年も、僕は機械的に自分を眠りにつかせていた。
毎晩22時30分、睡眠薬を飲んでベッドに入る。
薬で意識を強制終了させる夜が当たり前になりすぎて、
「自然に眠気が訪れる」という、
生物としてごく普通の営みをどこかに置き忘れてきていた。
驚いたことに、
デエビゴを飲まなくなって2ヶ月目、体は少しずつ本来のリズムを思い出し始めている。
以前のように、深夜のコンビニでサッポロポテトやアイスを衝動買いして詰め込むこともなくなった。
今月、デエビゴに頼ったのは8日だけ。
1時間以内には眠りに落ち、平均睡眠時間も6時間30分ほど。
「何かがズレている」というあの嫌な違和感が、脳から消えつつある。
気づいたら、
イフェクサーも飲まなくなって1年が経っていた。
再発率60%と言われる断薬後1年という壁を、
僕は気づいたら超えていた。
メンテナンスのために通い続けた精神科も、
そろそろ卒業のタイミングかもしれない。
最近の僕は、少しばかりストイックすぎるのかもしれない。
クロスフィットのジムに通い、重いバーベルを持ち上げ、ボックスジャンプで脛を打ちつける。
「2026 クロスフィットオープン」の結果は、世界ランキング89,659位。
自分の体力のなさを数字で突きつけられた。
けど、来年のためにコツコツトレーニングを続けている。
パーソナルトレーニングで、
以前は上がっていた重量がびくともせず、
肩を落とす日もあった。
オーバートレーニングだと分かっていても、
身体を追い込むことでしか確かめられない「生」の実感がある。
けれど、そろそろ戦略的に体を「休ませる」フェーズに入らないといけないかも。
かつて、うつ病と睡眠障害を治すために、
脳みそを「戦略的に休めた」時のように。
先日、虎ノ門ヒルズで『攻殻機動隊』の展示を観たとき、
ふと考え込んでしまった。
「義体(カラダ)と電脳(ネットワーク)」
肉体に詰め込めば限界が生じ、
肉体を捨てれば個が曖昧になる。
今の僕の自我は、一体どこまでが「僕」なのだろうか。
耳鳴りは相変わらず止まない。
けれど、そのノイズさえも自分の一部として、
更新され続けるプロセスの中に僕はいる。
最近は、その耳鳴りさえも、
少しずつ凪いでいくような予感がしている。
「絶好調」とはほど遠い。
けれど、かつての真っ暗な闇の中にいた頃とは、
見えている景色が明らかに違う。
今の僕がどこまで回復し、何が無理なのか。
それを探るための次の「ソロ旅」が始まる。
久々すぎて、少しだけ胸がざわついている。
でも、そのドキドキさえも、今の僕には必要なピースのように思える。
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