むぎちゃんと16人の未病警察
未病を野放しにない、十六茶
「なんとなく調子が出ない。」
夏だからだろうか。
冷房だろうか。
寝不足だろうか。
いや、どれも違う気がする。
熱はない。
風邪でもない。
でも、朝からモヤがかかったような、
関節が錆びているような感覚が続いている。
パソコンを立ち上げる。
昨日まで三件だった仕事が、一晩で三十件に。
「至急」
「念のため」
「共有です」
「ご確認ください」
返信すると、
「ありがとうございます。
追加で二点ございます。」
「それと別件ですが」
「そういえばこれも」
「ところで来月なんですが」
気がつけば画面には、
仕事が仕事を産み
その仕事がさらに仕事を産み
隣の仕事と交配し
さらにその子どもの仕事が
「親を紹介します」と言って、
CCで親や親戚まで連れてきていた。

どうやら、仕事が産卵期に入ったようだ。
ギズモかなにかだろうか?
誰だ、水かけた奴!
終業チャイムは退勤を知らせる鐘ではない。
第二ラウンド開始のゴングである。
私は静かにパソコンを閉じた。
「私は何もみてない、いいね。」
するとパソコンが親切そうな面で、音を鳴らした。
『未読があります。』
『未読があります。』
『未読があります。』
親切を装った圧迫面接?
「うわあぁぁぁぁー!」
机に突っ伏した、その時。
手のひらに触れる冷たい感触。

ポッポー。
聞き慣れた鳴き声に顔を上げる。
「むぎちゃあーーーーん!!」(号泣)

私の手のひらに、冷えた十六茶。
そして小さな巻物を広げる。
『偏っているあなたの毎日に。
今日は未病警察で来た。』
胸に刺さった。
そういえば今日は朝からコーヒーだけ。
昼休憩は五分。
卵かけご飯を流し込み、飲み物はまたコーヒー。
水は……飲んだっけ?
野菜は……。
エナジードリンクと、
カップスープに入っていた、申し訳程度の野菜。
「あ。」
思わず声が漏れた。
仕事の量ばかり気にしていたけれど、
生活のバランスが前から崩れていた。
むぎちゃんがもう一枚、巻物を広げる。
『忙しい日は、整えることから忘れがち。』
確かにそうだ。
忙しい日は、早く食べられるものを選ぶ。
眠くなればコーヒー。
喉が渇いたらエナドリ。
休憩時間はスマホを見ながら終わる。
一息つくことすら忘れていた。
私は十六茶のキャップを開けた。
ふわり。
ほーうっ。
香ばしい香りが鼻をくすぐる。
自然と息を深く吸っていた。
その一呼吸だけで、肩の力が少し抜ける。
仕事は減っていない。
締切も減っていない。
現実は何一つ変わっていない。
でも、
「よし。まず一件ずつ片づけようか。」
そう思えた。
一息ついて深呼吸する時間くらいは、
自分で作ってもいい。
今日は、ちゃんと野菜を食べよう。
押し潰されそうになった心に、
小さな余白を作る。
バランスを取ることを思い出させてくれる、のむ魔法。

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16人の未病警察

十六茶は、「未病」という
「病気ではないけれど、なんとなく調子が出ない」という状態に着目し、
バランスをとって身体を整えていこうという健康思想から生まれた、
16種類の素材をブレンドしたカフェインゼロのお茶だそうです。
香ばしい香りの効果
十六茶を口に含んだ瞬間に広がる香ばしさ(焙煎香)は、単なる風味付けにとどまらず、
心身を整える実用的な作用を持っています。
穀物や豆類を焙煎する過程で発生する
「アルキルピラジン類」などの香気成分は、
脳のα波を増加させて自律神経をリラックスモード(副交感神経優位)へ導き、
末梢血管を広げて血流を促すことが科学的に知られています。

穀物・豆類(温め・巡り・消化のサポート)
ハトムギ(ヨクイニン)
甘みとほんのり冷ます性質を持ち、胃腸をすこやかに整えて体内の不要な水分を排出する働きに長けています。植物療法でもデトックスや肌のコンディション維持に用いられます。成分に含まれるコイクセノライドや水溶性食物繊維が、ターンオーバーの促進や水分代謝の正常化をサポートします。
玄米(発芽玄米含む)
穏やかな性質で胃腸を元気にし、エネルギー(気)を補う基礎的な穀物です。体力を養うトニックとしても信頼されています。GABA(γ-アミノ酪酸)やビタミンB群が豊富に含まれており、神経の興奮を鎮めてストレスを軽減しながら、体内の代謝を円滑に回します。
大麦
体を優しくクールダウンさせ、胃腸の和らげと余分な熱を払う効果を持ちます。粘膜を保護し消化器系を労わるハーブとしての側面もあります。豊富に含まれる水溶性食物繊維(β-グルカン)が、食後の血糖値の急激な上昇を抑え、腸内環境のバランスを整えます。
ハブ茶(エビスグサの種子 / 決明子)
目の疲れや充血を取り除き、腸を潤して便通を整える効果に優れています。パソコン作業などで酷使した目のケアに適した素材です。アントラキノン誘導体が腸の自然な運動を促し、ビタミンA様作用を持つ成分が目の健康維持に寄与します。
黒豆(大豆)
血の巡りを良くして体のむくみを引き去り、エイジングケアに直結する「腎」の働きを補います。女性のホルモンバランスを整えるハーブとしても重宝されます。豊富に含まれるポリフェノールのアントシアニンや大豆イソフラボンが、強い抗酸化力を発揮して血管のしなやかさを保ちます。
小豆
体の余分な水分と熱を強力に押し出し、解毒とむくみ解消を助ける優れた利水素材です。植物療法におけるデトックスハーブとしても扱われます。サポニンや大量のカリウムを含んでおり、余分な塩分(ナトリウム)の排出を促して体液バランスを最適化します。
野菜・植物・葉類(清熱・老廃物排出・調整)
びわの葉
肺の熱を冷まして不快な咳を鎮め、胃のむかつきを抑えてすっきりさせる作用があります。収れん作用(引き締め)と粘膜の保護に優れています。アミグダリンやタンニンといった有効成分が、粘膜の炎症を抑え、組織の修復をサポートします。
柿の葉
体内の余分な熱を抑え、血の流れを整える冷却効果を持ちます。ビタミン補給と血管の保護に特化した素材です。熱に強いプロビタミンCやポリフェノール(アストラガリンなど)を豊富に含み、毛細血管を強化しながら抗酸化力を高めます。
桑の葉
体にこもった熱を放出し、目や肺の潤いを保つ働きがあります。糖の代謝をコントロールするハーブとして現代でも非常に注目されています。独自成分である1-デオキシノジリマイシン(DNJ)が、小腸での糖分解酵素の働きをブロックし、食後の糖吸収を緩やかにします。
あわ
消化器系を温和に整え、精神的なイライラや不安を静めて心地よい睡眠へ導く力があります。各種ミネラルを補給する滋養素材です。マグネシウムや鉄分が豊富で、神経伝達の安定化や貧血の予防に寄与します。
きび
体内の過剰な熱を冷まし、お腹の調子を整えて毒素を出すサポートをします。消化に優しく、身体へ滑らかに栄養を届けます。亜鉛や銅などの微量ミネラルとタンパク質が含まれており、体内の活性酸素を取り除く抗酸化酵素(SOD)の働きを助けます。
トウモロコシ
胃腸の働きを活発にして食欲を呼び戻し、不要な水分を尿として排出させます。水分代謝を促すマイルドなトニックです。カリウムが豊富に含まれており、体内の水分圧力を調整して余分な体液の停滞や高血圧を防ぎます。
根・昆布・野草類(補益・水分調整)
たんぽぽの根
体内の熱毒を放出し、肝臓や胃の働きを助ける強いデトックス力を持っています。西洋ハーブでは「ダンデライオンルート」として、肝機能の向上や胆汁分泌の促進に欠かせない存在です。水溶性食物繊維イヌリンやタラキサシンを含み、腸内環境を整えて脂質の代謝を後押しします。
ナツメ(大棗)
気力を補い、血を養ってストレスによる心の動揺や不安を和らげる「養心」の代表格です。ストレス耐性を高めるアダプトゲン的な役割を果たします。豊富に含まれるサポニンや鉄分、糖質が、神経伝達物質セロトニンの合成を助け、疲労回復と精神安定をもたらします。
根昆布
体内のしこりや滞りを和らげ、余分な水分や熱を排出させる効果を持ちます。豊富な海のミネラルを届ける代謝サポート素材です。アルギン酸やフコイダンといった粘液質の水溶性食物繊維、ヨウ素を含み、脂質の吸収を抑えながら腸内を綺麗に掃除します。
カワラケツメイ
目の充血や疲れを和らげ、お腹の調子を整えながら通便を助ける野草です。脂肪の吸収を抑え、排出を促すハーブとしても用いられます。脂肪分解酵素の働きを和らげるポリフェノールを含んでおり、余分な脂質の吸収を防ぐ効果が研究されています。
偏ったら少し整える
「まだ大丈夫。」
「これくらい平気。」
「忙しいから仕方ない。」
その積み重ねが、いつの間にか心や体のバランスを少しずつ傾けていく。
薬膳でも、毎日の食事で偏りを整えることは養生の基本とされています。
特別な漢方や高価な食材だけではなく、
日々の積み重ねを大切にする考え方です。
他にもむぎちゃん
