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ミツバチ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
(ミツバチ属から転送)
ミツバチ属 Apis
生息年代: Oligocene–Recent
セイヨウミツバチ Apis mellifera
分類
界 : 動物界 Animalia
門 : 節足動物門 Arthropoda
綱 : 昆虫綱 Insecta
目 : ハチ目(膜翅目) Hymenoptera
亜目 : ハチ亜目(細腰亜目) Apocrita
上科 : ミツバチ上科 Apoidea
科 : ミツバチ科 Apidae
亜科 : ミツバチ亜科 Apinae
族 : ミツバチ族 Apini
属 : ミツバチ属 Apis
Linnaeus, 1758
英名
Honey bee
種

(本文参照)

ミツバチ(蜜蜂)とは、ハチ目(膜翅目)・ミツバチ科(Apidae)・ミツバチ属(Apis、アピス)に属する昆虫の総称である。花蜜を加工して巣内に蓄え、蜂蜜を作る習性で知られる。

現生種はアジア、ヨーロッパ、アフリカを中心に9種が知られており、もともとアメリカ大陸には分布していなかった。しかし、養蜂に広く利用されるセイヨウミツバチが世界各地へ移入されたことで、アメリカ大陸でも野生化・定着している。

日本ではトウヨウミツバチの亜種であるニホンミツバチが本州、四国、九州および南西諸島の一部に分布する[1]。

概要

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セイヨウミツバチの飛翔の40倍高速度撮影

日本ではニホンミツバチとセイヨウミツバチの2種が飼育(養蜂)され、蜜の採取が行われている。また、作物の受粉にも広く利用されている。

一方、トマトやピーマンなどのナス科の果菜類は蜜を出さず、特殊な振動採粉を必要とするため、ミツバチではなくマルハナバチ(ミツバチ科マルハナバチ属)が利用される[2]。

セイヨウミツバチの養蜂では、規格化された巣箱を用いた大規模な採蜜が行われる。一方、ニホンミツバチの養蜂では、一部でハニカム人工巣を用いた養蜂も行われている[3]が、多くは野生群を捕獲して飼育する方法が取られている。採蜜時には巣を破壊して搾り取るという伝統的手法が用いられることも多く、蜂蜜の流通量も少ない。

日本では2012年6月に養蜂振興法(昭和30年8月27日法律第180号)が改正され、原則として蜜蜂を飼育する場合には都道府県知事への飼育届の提出が必要となった[4]。

種類

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現生種

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ミツバチ属 Apis は現生種ではコミツバチ亜属 Micrapis、オオミツバチ亜属 Megapis、およびミツバチ亜属 Apis の3亜属、合計9種に分類される[5]。そのいずれもが、真社会性の昆虫で、餌に花蜜や花粉を集める[6]。コミツバチ亜属及びオオミツバチ亜属の種は、開放空間に営巣しその巣板は1枚である[6]。ミツバチ亜属では樹洞のような閉鎖空間に営巣し、複数の巣板を作る[6]。

コミツバチの働き蜂

コミツバチ亜属には次の2種が属し、その体の大きさはミツバチ属中で最も小さく、現生種のうちで最も祖先的な群である[7]。

オオミツバチ亜属には次の2種が属し[5]、体の大きさはミツバチ属中で最も大きい[9]。オオミツバチには基亜種のほかに2亜種が知られている[10]。

ミツバチ属3種の比較。左からトウヨウミツバチ・セイヨウミツバチ・オオミツバチ

ミツバチ亜属には次の5種が属している[5]。

セイヨウミツバチ (A. mellifera )とトウヨウミツバチ(A. cerana )の後翅の翅脈の比較

現生種の系統関係

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ミツバチ属現生種の系統関係については、働き蜂の形態形質やミトコンドリアDNA、核DNA塩基配列の解析では、おおむね共通した系統関係が示されている[20]。

コミツバチ亜属、オオミツバチ亜属、ミツバチ亜属のいずれも単系統群で、コミツバチ亜属が最も基部で分岐し、オオミツバチ亜属とミツバチ亜属は姉妹群の関係にある。ミツバチ亜属の中ではセイヨウミツバチとサバミツバチがそれぞれ分岐し、残ったトウヨウミツバチ、キナバルヤマミツバチ、クロオビミツバチがクレード(系統群)を形成する[20]。

コミツバチ亜属とオオミツバチ亜属がいずれも開放空間に一枚巣板を作ることから、この習性がミツバチ属の共有原始形質であり、ミツバチ亜属の閉鎖空間に複数巣板を作る形質は派生形質であると考えられている[20]。

化石種

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化石種は1976年に17種が記録されたが、2005年に3亜属8種に整理された(3亜属のうち1亜属は現生種と同じオオミツバチ亜属である)[21]。その後アメリカ合衆国ネバダ州で発見された中新世中期の化石がミツバチ属のものであることが 2009年に発表され、Apis nearctica と命名された[22]。これは新世界で初めて発見されたミツバチ属の化石となった[22]。

ムカシミツバチ亜属 Cascapis は次の1種とされていた[21]が、2009年に1種追加され2種となった[22]。

  • ドイツムカシミツバチ Apis armbrusteri Zeuner, 1931、発見場所はドイツで地質年代は中新世である[21]。
  • Apis nearctica Engel, Hinojosa-Díaz & Rasnitsyn, 2009、発見場所はアメリカ合衆国で地質年代は中新世である[22]。

アケボノミツバチ亜属 Synapis は次の6種となっている[21]。

  • ミヤマアケボノミツバチ Apis henshawi Cockerell, 1907、発見場所はヨーロッパで地質年代は漸新世である[21]。
  • ナガアケボノミツバチ Apis longtibia Zhang, 1906、発見場所は中国で地質年代は中新世である[21]。
  • チュウゴクナガアケボノミツバチ Apis miocenica Hong, 1983、発見場所は中国で地質年代は中新世である[21]。
  • ボヘミアアケボノミツバチ Apis petrefacta Riha, 1973、発見場所はボヘミアで地質年代は中新世である[21]。
  • ムカシアケボノミツバチ Apis vetustus Engel, 1998、発見場所はドイツで地質年代は漸新世である[21]。
  • Apis “Miocen I” アケボノミツバチの1種、発見場所はヨーロッパで地質年代は漸新世である[21]。

オオミツバチ亜属 Megapis

  • イキオオミツバチ Apis lithohermaea Engel, 2005、発見場所は日本の壱岐島で地質年代は中新世である[21]。

生態

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新世代の女王蜂の羽化を目前とした巣では、群れの分割(分蜂)が起こる。旧世代の女王蜂は働きバチを伴って巣を離れ、新たな営巣場所を探す。この際、働きバチが女王蜂を取り囲んで塊状となる分蜂蜂球(ぶんぽうほうきゅう)を形成する[23]。

ミツバチの働きバチは受精卵から発生する2倍体(2n)で、すべてメスである。通常、メスの幼虫は花粉や蜂蜜を与えられて育ち働きバチとなるが、ローヤルゼリーのみを与えられた個体は繁殖能力を持つ女王バチへと分化する。オスは未受精卵から発生する1倍体(1n)であり、繁殖を主な役割とする。働きバチに比べて体が大きく、複眼と単眼が発達していることが特徴である[24]。

オスバチは女王バチとの交尾のため、晴天時に飛行する。女王バチは飛行中の雄蜂群に入り交尾を行う。オスバチは交尾後まもなく死亡し、新女王蜂は複数のオスと交尾した後、体内の貯精嚢に精子を蓄えて巣へ戻り産卵を開始する[25]。交尾できなかったオスも巣へ戻るが、繁殖期の終了後には働きバチによって巣外へ追い出されることが多い。

ミツバチは農薬などの化学物質の影響を受けやすいことが知られており、農薬曝露と蜂群への影響について研究が行われている[26]。

セイヨウミツバチの成虫の寿命は、女王蜂が1-3年(最長8年)、働き蜂が活動期で約15-60日、越冬期で約140日、雄蜂が21-32日程度とされる[27]。

性決定の仕組み

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ミツバチでは半倍数性による性決定が行われる。受精卵からはメス(女王蜂または働き蜂)が生まれ、未受精卵からはオスが生まれる。オスは半数体(n)であり、母親である女王蜂由来の遺伝情報のみを持つ。一方、メスは二倍体(2n)で、母親と父親双方の遺伝情報を受け継ぐ[28]。

蜜の採集

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コスモスの蜜を採集中のミツバチ

ミツバチは蜜源を発見すると、巣内で特有のダンス行動を行い、仲間に蜜源の方向や距離を伝達するとされる。この行動はカール・フォン・フリッシュによって研究され、動物行動学に大きな影響を与えた[29]。フリッシュはこの研究などにより、ニコ・ティンバーゲン、コンラート・ローレンツとともに1973年のノーベル生理学・医学賞を受賞した。

蜜源が近距離にある場合には、働きバチは円を描くように移動する「円形ダンス」を行う。一方、蜜源が遠距離にある場合には、「8の字ダンス」あるいは「尻振りダンス」と呼ばれる行動を示す。この際、尻を振りながら直進する方向が太陽に対する蜜源の方向を示し、振動の長さや頻度が距離情報に関係するとされる[30]。

同様のダンス行動は、花粉や水の採集、分蜂時の新たな営巣場所の探索においても観察されている[30]。

巣の構造

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蜂の巣(巣板)

自然の状態では、ミツバチの巣は巣板と呼ばれる鉛直方向に伸びる平面状の構造のみからなる。ミツバチが利用した空間の形状によっては巣板が傾いていることもある。巣板の数はミツバチの種によって異なる。養蜂に用いるニホンミツバチやセイヨウミツバチは複数枚の巣板を形成し、自然の状態でも10枚以上にのぼることがある。コミツバチなどは巣板を1枚しか作らないため、養蜂には向かない。

ミツバチは巣板を防御する構造物を自ら作り出すことはせず家屋の隙間や床下、木のウロなどもともと存在する外壁を利用する。都市部では巣板がむき出しになった巣も存在する。

巣板は中空の六角柱が平面状に数千個接続した構造である。このような構造をハニカム構造と呼ぶ。強度に優れ、材料が最少で済むという特徴がある。六角柱は厚さ約0.1mmの壁でできており、奥行きは10〜15mmある。底部は三角錐である。巣板の材料はミツバチの腹部にある蝋腺から分泌された蜜蝋である。幼虫を育てるために使用する穴の奥行きは10〜15mmであるが、蜜を貯蔵するために使用する穴の奥行きはバラツキが大きく20mm程度に成る場合もある。

天敵との関係

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ミツバチは、針を刺したら自身も死ぬ。これを回避すべく、一部のミツバチは、以下のような対抗手段を講じる。

ミツバチの天敵としてアジアだけに生息するオオスズメバチがいるが、アジアで進化したトウヨウミツバチはオオスズメバチへの対抗手段を獲得した。巣の中に侵入したスズメバチを大勢のミツバチが取り囲み蜂球(ほうきゅう)とよばれる塊をつくり、飛翔筋を激しく震わせることによって内部の温度を上昇させ、スズメバチを蒸し殺す(熱殺蜂球)。蜂球形成後、およそ5分で内部は最高温度の平均46℃、CO2濃度4%、相対湿度90%に達し[31]、オオスズメバチは10分以内で熱死した[31]。50%の個体が死ぬ致死温度 TL50を調べたところ、オオスズメバチでは大気条件で 47.5℃であったが、蜂球内に近いCO2濃度3.7%では 45.4℃と2℃ほど低くなり、相対湿度90%(温度46℃の場合)の混合気体では 44℃とさらに1℃の低下が観測されている[31]。ミツバチの運動により温度、CO2濃度、湿度が高まり、酸素欠乏ではなく体表の気化熱で冷やすことができなくなり、高温により死んだと考えられる[31][32]。一方で、ミツバチの10分間の致死温度 TL50は蜂球内と同等のCO2濃度でもほぼ変わらず50℃以上であり、このためミツバチが蜂球の熱で死ぬことはない[31][33](前述のように巣から女王が移動する場合も「分封蜂球」という蜂球を作る)。ただし、蜂球を一度経験した個体(15から20日齢)の寿命を追跡調査した結果、余命が1/4ほどに短くなることが報告されている[34]。また、蜂球経験済みの個体は次に蜂球を形成する際、返り討ちに遭いやすく危険な蜂球の中心部に集中することが観測された[34]。

セイヨウミツバチは、大勢でモンスズメバチの気門のある腹部を圧迫し、呼吸を不可能にして約1時間かけて窒息死させるという対抗手段を持っているケースが報告された。これをasphyxia-balling(窒息スクラム)と呼ぶ[35][36]。また、従来、セイヨウミツバチは蜂球を作らないと考えられていたが、2・3回、スズメバチを提示すると、蜂球を形成することが実験で確認された[32]。トウヨウミツバチとセイヨウミツバチの共通祖先がすでに蜂球行動をしていた可能性がある[32]。

古くから使われていたニホンミツバチに比べより多くの蜜を採集するセイヨウミツバチが1877年に導入された[37]。セイヨウミツバチは繁殖力も旺盛なことから野生化しニホンミツバチを駆逐してしまうのではないかと懸念された。実際に北米では養蜂のために導入した後、野生化している。しかし、日本では現在まで一部の地域を除いて野生化は確認されていない。これは天敵オオスズメバチの存在によると考えられている。セイヨウミツバチの窒息スクラムはモンスズメバチ以下の小型種しか対応できず、大型で体力があるオオスズメバチの襲撃を受けると容易に巣を全滅させられるためと説明される。

一方、近年になって都市部で野生のニホンミツバチの観測が増える傾向にある。住宅街はもちろん、自動車の排気ガスや鉄道の騒音に晒されるような都心部に巣作りしていることも多々ある。都心部では天敵のスズメバチが人間によって駆除されるため、山間部より比較的安全であるからと推測されている。

蜂球
左:巣口周辺を飛び回るキイロスズメバチと腹部を反り上げ翅を震わせるニホンミツバチ。
中:ニホンミツバチによる蜂球。中では2匹のキイロスズメバチが蒸されている。
右:「中」の約1時間後。蜂球は解体され、蒸し殺されたキイロスズメバチの死体が見える。
(いずれも2005年7月 横浜市内)

寄生虫

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巣に寄生し、巣の基材(巣板)を食べるハチノスツヅリガ[38]、ノゼマ病を引き起こすミツバチ微胞子虫(Nosema apis)、バロア病を引き起こすミツバチヘギイタダニ(Varroa destructor)、アカリンダニ症を引き起こすアカリンダニ(Acarapis woodi)、ミツバチトゲダニ症を引き起こすミツバチトゲダニ(Tropilaelaps clareae)[39]、ケーニガーミツバチトゲダニ(T. koenigerum)、幼虫が蜜や花粉を食べ、排泄物により巣を崩壊させるハチノスムクゲケシキスイ(Aethina tumida)などが報告されている[40]。

ハチノスツヅリガ

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幼虫が巣を食害するハチノスツヅリガ(Galleria mellonella )

直接ミツバチを襲うわけではないが、養蜂家からスムシ(巣虫)と呼ばれ嫌われるハチノスツヅリガ(Galleria mellonella )などの蛾の幼虫は、蝋を原料とした巣を食べて成長する(蜂児をも捕食することがある)[41]。多くのスムシに寄生された巣の蜂群は逃去することもある[41][42]。オオミツバチでもハチノスツヅリガの食害があるが、ヒマラヤオオミツバチでは知られていない[43]。コミツバチでも同様にハチノスツヅリガの食害を受け、これが蜂群の逃去の原因となっている[44]。

アカリンダニ

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アカリンダニは日本の届出伝染病に指定され[45]、ミツバチ成虫の気管内に寄生して体液を吸汁するダニ。寄生されたセイヨウミツバチ群では、採餌能力、育児能力の低下を引き起こし、冬期に群が崩壊することが知られている[46]。

病症

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感染症

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ノゼマ症の発生要因であるNosema apis

ミツバチの代表的な病症として知られるノゼマ症は、小型の単細胞寄生生物である微胞子虫の一種Nosema apisの感染を原因とする病症である。これはミツバチの病気の中で最も一般的で広範囲に及んでいる点から養蜂家の間でも問題視されている[47]。

メスの働きバチが最も強く罹患し、オスはそれほどではない。罹患した蜂は女王蜂への給餌にほとんど参加しないため、女王蜂が感染することは稀である。最も顕著な症状は赤痢である。これは巣箱の外側に黄色の縞として現れ、重症の場合は巣箱の内側にも現れる。感染した蜂は羽がバラバラになるため飛べなくなる[注釈 2]。

感染は蜂の中腸を損傷し、腸組織の壊死を引き起こす。これにより、罹患した蜂は食物を消化し栄養素を吸収する能力が低下する[48][49]。

症状は比較的にみても非特異的であるため、ミツバチが罹る他の病症と区別するのが難しい現状を抱えている。主に悪天候の後の春に発生することが確認されているが、冬季に発生する場合もある点が報告されており、養蜂家が巣箱を点検する春に初めて気付くといった状況に陥る事態へ繋がっている。

蜂群崩壊症候群

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現在、ミツバチは世界的に激減しつつあり[50]、蜂群崩壊症候群と呼ばれる。原因としては特定のダニ、病原体、ネオニコチノイド系農薬、長距離移送によるストレス、生息地の環境変化や地球温暖化などが原因として指摘されている[51]。

ミツバチの認知能力

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ミツバチやマルハナバチについては、近年の研究により、零の概念の理解、簡単な計算能力、視覚パターンの識別など、比較的高度な認知能力を示す可能性が報告されている。また、捕食者を模した刺激を受けた後に、曖昧な刺激に対して回避的・悲観的傾向を示す行動変化も観察されている[52]。

ミツバチによる生産物

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人間は、主に下記の物をミツバチの生活環から得て利用をしている。

蜂蜜
花から得られる糖分と水分、ミツバチ体内の転化酵素が濃縮された物質。有史以前から甘味料として利用され現在では製菓原料、化粧品原料、栄養食品などにも利用される。

蜜蝋(蜂ろうとも表記される[53])

ミツバチが体内で合成し分泌する物質。ワックス成分で巣の主要な構成材料となっている。中世ヨーロッパではろうそくの主原料であった。蜜蝋自体は食品とはならないがワックス、油絵具などのメディウム(薄め液)、石鹸、クリーム、口紅、蝋燭などの原料として利用される。
また、第二次世界大戦時では、爆弾、砲弾、プロペラの滑沢、魚雷、スクリュー、光学兵器、錆止めなどに使用され、重要な戦略物資であった[54]。

プロポリス

植物が芽などを保護する目的で分泌した滲出物をセイヨウミツバチが集めた物質で[55]、巣の接合部位や巣材の蜂ろうの補強材料として、また巣のすき間を埋めるのに使う物質である[56]。抗菌性や抗腫瘍性成分などが注目され、健康食品として利用されている[57]。
プロポリスを集めるセイヨウミツバチの働きバチは専門化していて、花粉と同じように後脚に付けて運ぶ[58]。
セイヨウミツバチの亜種間でプロポリスを集める性質に差があり、コーカシアン (A. m. caucasica )、インターミッサ (A. m. intermisa )はよく集めるが、エジプト蜂 (A. m. lamarckii )やカーニオラン(A. m. carnica )はあまり集めない[59]。
コミツバチ亜属の2種は開放空間の植物の枝に1枚の巣板を作る[60]。この巣へのアリの侵入を防ぐために、植物の樹脂を営巣した枝の巣の近く2-3cmのところに塗布する[60][61]。オオミツバチでも巣の接合部の補強材料としてプロポリス様の樹脂を使う[56]。
トウヨウミツバチはプロポリスを集めない[57]。
ローヤルゼリー
働きバチが体内で合成し咽頭腺から分泌する物質。ローヤルゼリーのみで育てられたメスの幼虫だけが女王バチとして成長する。ゲノム解析により女王バチと働きバチのゲノムに違いがないことが明らかになっており、どのメスの幼虫も女王バチになる可塑性を持っている。
ビーポーレンを運ぶセイヨウミツバチ
花粉
働きバチは幼虫の餌やローヤルゼリーの原料とするため、花粉をだんご状にして後脚の脛節にある花粉かご(英語版)につけて運び、巣に蓄える。この花粉団子はビーポーレンとも呼ばれ、主に乾燥物が健康食品として利用されている。
抗HIV物質
ミツバチの毒にはメリチンという抗HIV作用のある物質があり、2017年の段階では実用化には至っていないが注目されている[62]。

文化

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慣用句

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  • 蜂のひと刺し - 日本の汚職事件ロッキード事件での榎本三恵子証言から有名になった。蜂の針には返しがあるため、一度刺したら針に付属する内臓が出て死ぬとされる[63]。ただ、これは皮が厚く固い動物に対してのみで、昆虫などに対しては何度でも行える[64]。

慣習

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  • 「蜂に伝えよ(出典: en:Telling the bees)」 - 養蜂家の結婚・死亡・出産などの重要なことを蜂に伝えないと、蜂が巣を引き払ったり、蜜を作るのを止めてしまったり、死んでしまうという迷信。イギリス、特にイングランド地方で広く信じられており、その他アイルランドやウェールズ地方、ドイツ、オランダ、アメリカ合衆国といった国と地域でも広く知られている。

ミツバチが主題の作品

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その他

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  • ニホンミツバチが1997年(平成9年)11月28日発売の20円普通切手の意匠になった。切手は2015年(平成27年)9月30日に販売を終了した[66]。
  • シンビジウム(蘭)の一種である中国南部原産のキンリョウヘン(金稜辺)の花はニホンミツバチを引き寄せる匂いを出す[67]。ニホンミツバチの分蜂を捕獲する時に利用される事もある[67]。セイヨウミツバチには金稜辺の花の匂いに集まる習性は無い[68]。

脚注

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注釈

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  1. ↑ 新しい女王蜂が生まれ、巣別れ(引越し)する性質。
  2. ↑ 可視化している症状の特徴として「這う」動きを示すなどの報告が挙げられている。

出典

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参考文献

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関連項目

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ミツバチの罹る病気

外部リンク

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