コンテンツにスキップ

アマツバメ目

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アマツバメ目
生息年代: Late Paleocene–present
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
界 : 動物界 Animalia
門 : 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
綱 : 鳥綱 Aves
上目 : 新顎上目 Neognathae
階級なし : 新鳥類 Neoaves
階級なし : 不整趾類 Strisores
目 : アマツバメ目 Apodiformes
学名
Apodiformes Peters, 1940
シノニム

Daedalornithes
Apodimorphae sensu Mayr

科

アマツバメ目(アマツバメもく、学名: Apodiformes)は、鳥類の分類目の1つである。空中生活に著しく適応したグループである。

カンムリアマツバメ科、アマツバメ科、ハチドリ科の3科が属す[1][2]。(カンムリアマツバメ科 + アマツバメ科)、ハチドリ科はそれぞれ生活様式などが著しく異なるが、骨格上の共通点や分子系統により、同一のグループに分類されている。

なお、「アマツバメ目」という名だが、ツバメ(スズメ目)とは遠縁である。

形態

[編集]

アマツバメ科とカンムリアマツバメ科の足は他の鳥と異なる大きな特徴がある。写真のように足の指(趾)が全て前方を向く皆前趾足である。このため、アマツバメ類は木の枝などに止まることができない。地上に止まる際は、岩などの壁面に爪でぶら下がるようにして止まる。

ハチドリ科は他の鳥と同様に親指が後方を向いており、木の枝に止まることができる。

骨格などに、以下の共有派生形質を持つ[3]。

いずれも、翼に対して、初列風切羽が占める割合が大きく、次列風切羽が占める割合が小さい。初列風切羽は飛行において推進力を発生させ、次列風切羽は揚力を発生させるため[4]、それぞれ、プロペラ機のプロペラと翼に相当する。この初列風切羽の比率が、アマツバメ科では、強大な推進力で高速飛行を可能としている。高速飛行のため、少ない次列風切羽の面積で必要な揚力が得られる[要出典]。ハチドリ科では翼がほぼ全て初列風切羽となり、ヘリコプター[5]を上回る[要出典]ホバリングを可能としている。

昼行性である。

分類

[編集]
アマツバメ科 Apodidae
ツバメに形態や生活様式がよく似ている。細長い鎌のような翼をもち、高速で飛行する。
カンムリアマツバメ科 Hemiprocnidae
アマツバメ科に非常に近い類縁のグループである。頭に冠毛をもつ。
ハチドリ科 Trochilidae
鳥類の中で最も体が小さいグループである。高速で翼を動かすことで空中で静止するホバリングができる。

絶滅科

[編集]
† ユンゴルニス科 Jungornithidae
アルゴルニス Argornis、ユンゴルニス Jungornis、パラゴルニス Parargornis が属す。ハチドリ科に近縁[6]。

系統

[編集]

アマツバメ目、ズクヨタカ目、タチヨタカ目、ガマグチヨタカ目、アブラヨタカ目、ヨタカ目を合わせたグループは単系統で、Strisores と呼ばれる。

アマツバメ目のうち、皆前趾足を共有するアマツバメ科+カンムリアマツバメ科は単系統である。

夜行性は Strisores の基底で共有派生形質として獲得され、アマツバメ目の系統で昼行性が再度獲得された[3]。

分類史

[編集]

Sibley分類では、アマツバメ目はアマツバメ上目 Apodimorphae に階級が上げられ(ただし Apodimorphae はのちに Mayr によりズクヨタカ科を含めた系統の名に再定義された)、現生鳥類の14の群の1つとされた。アマツバメ上目の中で、ハチドリ科がハチドリ目 Trochiliformes に分離され、アマツバメ目はアマツバメ科とカンムリアマツバメ科のみになった。

Livezey & Zusi (2007)[7]は、大枠で従来の分類を踏襲したが、ヨタカ目とアマツバメ目を姉妹群とし Incessores 亜節(単型亜節)Cypselomorphae 上目にまとめた(Cypselomorphae の定義は通常と異なる)。 ただし、アマツバメ目は、カンムリアマツバメ亜目 Hemiprocni(カンムリアマツバメ科のみ)とアマツバメ亜目(アマツバメ科とハチドリ科)に分け、実際の系統と違った。

利用

[編集]

中華料理で有名な燕の巣はアマツバメ科のインドショクヨウアナツバメ Collocalia unicolor の巣である。

出典

[編集]
  1. ↑ Gill, Frank; Donsker, David, eds. (2012), IOC World Bird Names, version 3.1
  2. ↑ Billerman, Shawn; Lovette, Irby; et al. (2009), “Alter the traditional orders Apodiformes and Caprimulgiformes to reflect new data on their relationships”, in AOU N&MA Check-list Committee, Proposals 2009-C, p. 267–314
  3. 1 2 Mayr, Gerald (2010). “Phylogenetic relationships of the paraphyletic caprimulgiform' birds (nightjars and allies)”. J. Zool. Syst. Evol. Res. 48 (2): 126–137. doi:10.1111/j.1439-0469.2009.00552.x.
  4. ↑ 東昭『生物の飛行』
  5. ↑ 厳密にはヘリコプターのローターは回転翼で、プロペラではない。
  6. ↑ Nesbitt, Sterling J.; Ksepka, Daniel T.; Clarke, Julia A. (2011-11-30), “Podargiform Affinities of the Enigmatic Fluvioviridavis platyrhamphus and the Early Diversification of Strisores (“Caprimulgiformes” + Apodiformes)”, PLoS ONE 6 (11): e26350, doi:10.1371/journal.pone.0026350
  7. ↑ Livezey, Bradley C.; Zusi, Richard (2007), “Higher-order phylogeny of modern birds (Theropoda, Aves: Neornithes) based on comparative anatomy. II. Analysis and discussion”, Zoological Journal of the Linnean Society 149: 1–95

関連項目

[編集]