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■ CV #006 / VANTAN (シリーズ 2/3) キャンパスのデザイン

【バンタンシリーズ 第2回(全3回)】

空間がブランドを語る ーー バンタンの新しい校舎デザイン

“CREATIVE VIZION(クリエイティブ ヴィジョン)”は、私の仕事や考え方をクリエイターの皆さんと共有するシリーズです。

3回シリーズで、「バンタン(VANTAN)」のブランドリニューアルについてお話ししています。



私は前職で、グラフィックデザインとインテリアデザインの両方を手掛ける環境に身を置いていました。
その経験を活かし、今回は「ロゴ」と「空間」の両面から、ブランドの世界観を一貫して設計しています。

ブランドリニューアルは、紙の上だけで完結しません。
空間そのものが、ブランドの世界観を体現する――。
バンタンでは、恵比寿キャンパスを皮切りに、校舎デザインを刷新。
今回は、そこに込められた想いや仕掛けをご紹介します。

◾️ 訪れる人、訪れない人への空間設計

ロゴリニューアルとあわせて提案したのが、校舎デザインです。

ここで特に意識しているのが、「どう撮られるか」という視点です。
TVや雑誌はもちろん、WEBやSNSといったメディアが身近な現代は特に、ブランドは“実物”ではなく、“写真を通じた見え方”によって語られることが非常に多くなっています。
実際、世界中の人々のうち、約99%の人は“その場所”を訪れることができません。そうした中で、ブランドの価値は1枚の写真、あるいはせいぜい2~3枚の写真で判断されてしまうこともあります。
建築で言えば、まず外観の写真が1枚目に、内装や使用シーンをイメージした写真が2枚目や3枚目にくることが想定できます。
その中で、どの位置にロゴのサインが写るか、どのくらいのサイズで見えるか、写真としてどれだけキャッチーに映るか。それらをすべて、カメラアングルから逆算して設計していきます。
これは、建築やインテリアを専門とする方々とはまた別の、PRの視点まで一貫してデザインに組み込んでいる点は、業界内でもユニークなアプローチだと自負しています。

◾️ 赤いエントランスが生み出す、クリエイティブスイッチ

そして、語れるストーリーやコンセプトがあるということも重要です。
「クリエイティブのスイッチ」を入れる空間をつくること、それが今回のテーマでしてた。

バンタンは東京、名古屋、大阪、福岡など、全国各地に校舎を展開しています。
中でも恵比寿キャンパスは、バンタンのシンボルとなる拠点です。

そこで私は、「赤いエントランス」をデザインしました。
これは単に目立つためのデザインではなく、クリエイティブなスクールであるからこそ、生徒たちが校舎に足を踏み入れた瞬間、“クリエイティブモード“へと切り替わる仕掛けにしたいと考えたからです。

校舎のエントランスは、それぞれの立地や空間条件にあわせて大きさや形が異なります。それでも、どの校舎に行っても同じ“体験”が得られるように設計することを目指しました。

赤いエントランスを設置することで、「ここから先はバンタンの空間だ」と、訪れる人がひと目で感じ取れる。
そして裏テーマとして、「クリエイティブの赤門」として認知されるほど、優れたスクールになってほしいという願いも込めています。

◾️ 街に開かれた、ブランド発信基地へ

恵比寿の校舎は、山手線沿いに位置しています。
そのため、電車からも校舎がよく見えます。

「だったら、生徒たちが誇れる場所にしよう」

そんな発想から、赤いエントランスだけでなく、ロゴを活かしたデザインを校舎に施しました。
さらに、SNS映えするフォトスポットも設置。
生徒がインスタグラムやTikTokで、この場を“背景”として写真を撮り、発信することで、自然とバンタンの存在が広がっていく仕組みをつくりました。

◾️ キャンパスをメディア化するという発想

さらに、校舎の壁面デザインは、“外壁”という従来の考え方から、“メディアスペース”というアイデアへと昇華させています。

通常、建築における外壁は、意匠的な要素として外観の見え方をつくるものです。
しかしバンタンでは、その外壁を生徒の作品を展示する“ギャラリー”のような場として機能させました。
竣工時にロゴが入っていた壁面は、時期ごとにグラフィックデザインやイラスト、写真など、生徒作品が入れ替わりで展示されていきます。

優秀な作品を飾ることで、「自分もここに展示されたい」という生徒たちのモチベーションを高めるインナーブランディングの役割を果たすと同時に、通行人や訪問者に対しては、「こんな作品がつくれるスクールなんだ」という印象を与え、業界への憧れや期待をを生み出していく。
つまり、「校舎自体をメディア化する」という発想です。

◾️ 最後に

ロゴだけでなく、校舎という“空間”そのものもリニューアルすることで、バンタンのブランドは、より立体的に、より体験的に進化を遂げました。

次回は、この広がったブランドイメージを、多様なスクール群へどう展開し、統一感あるブランドへと再構築したのか。
そのプロセスについて、お話ししたいと思います。

CREATIVE VIZION #006

>バンタンシリーズ 前回記事はこちら ↓

 


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安川 宏輝  ZUAN UNION / 図案連合 いただいたサポートは、世のクリエイターの地位向上を含めた働きやすい環境をつくる活動にあてさせていただきます。