The Blow Your Mind & Blowing In The Wind(後編)
まさかの2部編成、その後編
ああ、なんか、アカンかも。ここまで来て、ここに立って、目の前に楽器隊が控えているのに。
ふわふわと足から血の気がひき、ふんわりと吐き気までしはじめる。この波が頻繁に来るようになったらおしまいだ。
ふわふわふんわり、語感だけは可愛い。あと4分、あと3分、時間とはこんなにも長かったか。今日に限って貧弱、何のためにこの腹肉を蓄えてんだ、これは非常用ではなかったのか。
大きな歓声が左手から上がり、藤井風あらわる。
be on time。その動きに沿って人が雪崩のように押し寄せてくる。予想はしてたけど、これは踏ん張りどころ。ぞうぴをなめんな。ここからはアドレナリンのお仕事です。
かわちこいニットキャップから整えられたちょろげ、ロンT×なにかしらのライブT(?)の重ね着にトラックパンツ、なんともゆるい。なんとも近い。
何なんw
怒涛。両手を掲げ、会場にわれんばかりのhareが響き渡る。歌わずにはいられない。だってすぐそこにいるんだから。声を出せば届くんだから。
歌を聴きに来た?違う。音楽を、しに来た。演者かどうかは関係ない。全員で音楽をやりに来たんだ。そう確信した。
意志を持った手のひらが炎のように舞う。呼応するように太く通るその声は軽やかで伸びやかで、強くたくましく、とんでもなくかっこいい。
始まってしまうと、現金なもんで体調が戻る。火事場の馬鹿力的なものなんだろう。
繋がるようにもうええわ。死ぬのがいいわから、ここまで一息。
前座などと嘯く。今宵、風が全てを飲み込んでもっていってしまうのではという懸念。
個人的に感じたのは、今夜、彼は限りなく藤井風だということ。何も降りていない。何も背負っていない。これはディスでもなんでもなく、すごく喜ばしいことでメッセンジャーとしてでなく、音楽を愛する青年としてそこにいる。
きらり。もはや懐かしいまであるメロディ。スタンドマイクを斜めにして顔を隠すのも、大大大好物なはずなのに、記憶が曖昧なのはやっぱり全力で歌ってるからだ…
歌詞が飛ぶまつり。周りが歌う。故に何も問題がない。全員が連れていくのだ。だれが?どこへ?何も分からない。ただそこに音があって、その切っ先に藤井風がいる。
元気になれてよかった。老い先は短い。けれど、まだまだ死ぬことはない。死ぬ訳にはいかない。
damnのどしたコールはまるで綱引きをするように奪いあう。いや、互いに引き合い、それを楽しんでいる。溜めず長引かない可愛い変顔。
旅路、ロックバージョン。初めて聞いた時はなんで!?ってびっくりしたけど、格好も相まってなのか回が増す毎にちゃんとロックだ。ヘドバンができる。ぞうぴのヘドバンバージンは風くんに捧ぐ。強制的に押し付ける。
YOUでやっとこ大人しく聴こうと試みる感じ
が今更ながらやばい。宝箱を見せてくれるように開いて、本当に大事に歌っている。ひさしぶりに白目になっていたのはここだったかな。白目にわくぞうぴ。白目に萌える日が来るなんて夢にも思わなかった。
Alright Ok,goodbye、coming back coming back、掛け合う。もはや対話。終わると銘打って始まったもんだから、終わりにあっさり"ありがとー"の声がたつのがおもろい。違うの。もう、満タンなの。あったまりすぎてる。既に沸かしすぎてるの。
帰ってきて、prema。完全に声が出すぎている。コール&レスポンスを楽しみすぎている。とぅくとぅくだーんを発端に、大きな愛が鳴り始める。premaになれなくてごめんね。触れるだけじゃ足りないから、ガッツリ掴みにいく。
(今日はHAッ𖤐 ̖́-が少なめでぞうぴは一安心。個人的にHAッ𖤐 ̖́-は謎に笑ってまうので)
ライブハウスって、すんごいところだな。なんで今までここに来なかったんだ。なんと愛しいジュークボックス、びっくり箱。

風くんがはけたあと、セットチェンジで少し間が空く。調整は入念に行われる。どこからかダイチさんだね。という声が聞こえる。改めて信じられない。これからSuchmosが出てくる。どういうこと。一体全体どうなってるのか。
Pacific。ちゃんと切り替わる。メロウ。お兄ちゃんじゃん。お兄ちゃんじゃん。ちょっと待って。お兄ちゃんじゃん(お兄ちゃんじゃん)(お兄ちゃんじゃん)なんなのその余裕は。風が全部飲み込んじゃうかもしれないなんて誰が言ったの(ぞうぴです)。なんて烏滸がましい(ぞうぴが)。なんて恥ずかしい(ぞうぴが)。
Mint、名の色の光に染まる。周波数を合わせたのはどちらからだったのか、強く惹かれ、掴まれたまま、真っ直ぐに突き抜けていく。
Alright、ぐるぐると手をこまねくことしかできないありんこ(はいはいはーい)𓃰何も大丈夫じゃないのに飲み込まれてしまう。そして今はそれが是だ。
お恥ずかしながらSuchmosにわかのぞうぴはまだまだ未修のものも多く、それでも感じていたのは彼らの曲は"とても酔わせる"ということ。
DUMBO、アマチュアもプロも、にわかも古参も関係ない。光の中で勝手に咆哮するのは、何故だろう。どうして体が跳ねるんだろう。抗いようのない本能的なもの。コンダクターとして、YONCEは無邪気に掻き回す。この人は、すごく"悪い"お兄ちゃんだ。
Whole of Flower、ここら辺でやっとの事で息を継ぐ。 全員の汗やなんやが靄となり、雲となり雨になればいい。頼むスプリンクラー、この熱にあてられて水を撒いてくれ。
marry でやっとこ落ち着く。けれどこの後また食われるんだと本能が伝えてくる。これは嵐の前の静けさで案の定YMM。
Suchmosの歌詞はとても色気があるとおもう。彼らの音楽はセックスによく似ている。絶頂に向けて高め、なんぼでもイけばいい。彼らは緩急の使いが本当に上手で病みつきになる。
STAYTUNEはきっとお決まりの流れで、確実にイケるキラーチューン。それなのに音頭でチョケたりして、ほんとに余裕。翻弄されてしまう。
なんの話しをしてるねん。滅相もない、これは音楽の話です。
MCの中で、ひとつにならなくていい、全員がバラバラでいいといった。まだ大人になりきれない、だからお好きにどうぞとGAGA、VOLT-AGE、いくつも投げてくる。目を閉じても、刻まれてしまう。光に、音に溺れて、終わるまで止まることができない。
圧倒的当事者でありながら傍観者。上から見下ろすのではなく、同じ目線で、射るように見ている。
正直記憶は曖昧で、セトリを見ながら思い返して書いている。それもいずれ思い出せなくなっちゃうから、忘れまいと一気に書いている。
いい事を言おうと思ってたのに、思い出せなかったYONCE。めちゃめちゃ考えたのに、思い出せませんでしたと報告(歌で)する。
彼は歌いながら会話するタイプの兄ちゃんだ。ここまで当たり前のように受け止めてきたけど、歌声が強い・ブレない・外さない・とちらない。控えめにいって、化け物。しかもしゃべってもおもろい。全くもって隙がない。
Mireeで、風再び。兄ちゃんらしくエスコートする。なんだろう、この藤井風を全員で守りたいと一丸になる感じ。めっちゃがんばってハモってる。愛おしさの塊である。
年の離れたいとこの男の子のような。まったくお茶目だな。セクシーな歌など、歌っちゃって。
渋谷でまって→羽田でまってに変えてくるところも、ドヤーって感じでホンマに可愛い。可愛さがぶり返してくる。
ぺこりぺこり、TAIKINGにおててぶんぶんされながら袖に。
ここに来るまで、ぞうぴが確認できただけでも2人が体調を崩し、救護を頼む手が上がっていた。ラスト目前でまた1人。
たかが音楽だと彼はいう。大事なものがあって、その次に音楽がある。それは倒れて途中退場せざるを得なかった人に対する慰めで、周りを宥め、きっと彼自身に言い聞かせる言葉でもあったとおもう。
そりゃあれだけ食らっていたら倒れるのも無理はない。全部がパンパンでこんなにも熱いんだから。
life easy、自分のために生きているけれど、決してひとりではなく悦びはなんぼでもあっていいし、分かち合えばいい。
楽しみ方も表情も、疲れてても、終電(終わり)を気にしても全部いい。全部が同じでなくていい。いい事も悪いこともやりつくしたその先でまた会おう、会える、と歌う。
"会いたい"という願いではなく、約束だ。それは強く結ばれ、解けない。
終演後、喉から手が出るほど欲しかったのは水じゃなくビールだった。
エントランス前にどっかりと腰をおろし、動けなかった。
「閉めますよ、上に上がってください」と言われても、動きたくなかった。

藤井風の音楽は人生を灯す。
Suchmosの音楽は人生に悦びを与える。
言葉も使うものも同じはずであるのに、向かう先が違う。けれどそれらがなにかの拍子に触れ合ったとき、とんでもない熱と光を放つ。
化学反応、大爆発、満身創痍。
The Blow Your Mind TOUR 2026 は幕を閉じた。
間髪をいれず夏の幕が上がる。
全てを孕む夏が動き出す。
