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近衛文麿:英米本位の平和主義を排す

  • 上の新聞はイメージ。

6358文字

『近衛上奏文』で近衛に興味を持ち、近衛文麿の論文「英米本位の平和主義を排す」の現代語バージョンを作りました。


解説

「英米本位の平和主義を排す」 は、近衛文麿が大正7年(1918年)12月25日に発表した論文です。

詳細

  • 初出: 『日本及日本人』という雑誌(大正7年12月25日発行号)。

  • 執筆時: 近衛27歳(満26歳)。京都帝国大学法学部卒業後、内務省に勤務し、貴族院議員になっていた頃。

  • 発表時期の位置づけ: パリ講和会議(1919年)への随行(大正8年1月出発)の直前に発表されました。


近衛27歳(満26歳)・・若いですね。政治家になったばかりの頃ですか?

近衛文麿は政治家として早い段階で頭角を現した人物でした。近衛文麿の当時の経歴(1918年時点)

  • 1891年生まれ → 1918年は満26歳(数え年27歳)。

  • 1916年(大正5年、25歳):貴族院議員に就任(公爵として当然の資格で、世襲議員)。

  • 1917年(大正6年、26歳):京都帝国大学法学部卒業。

  • 1917-1918年頃:内務省地方局で見習・勤務(短期間)。

  • 1918年12月:論文「英米本位の平和主義を排す」を発表。

つまり、貴族院議員になって2年目、大学を卒業したばかりの頃にこの論文を書いています。政治家としてはまだ「駆け出し」ですが、**家柄(五摂家筆頭・近衛家)**のおかげで、極めて早い段階から中央政界の中心に位置していました。

近衛は血筋・教養・発言力の三拍子が揃っていたため、20代後半ですでに「将来の首相候補」の一人として注目を集めていました。ただし、本格的な権力掌握(首相就任)は1937年(第一次近衛内閣、46歳)のことなので、この時期はまだ「若手論客・貴族院のホープ」といった位置づけです。


ワシ感想:

近衛はとても頭が良い。大甘だ〜〜ヤバい〜〜っ騙されている〜〜!!と思うけど、まだ27歳だからな。これから学ぶのだしな。でも考える力がもの凄く、学べる。

でも、戦争に負けた理由も分かる感じ、近衛はとにかくお人好しだ・・。何かに嵌められていたことに気づいたのが分かるのは終戦前の『近衛上奏文』の時・・・それでも、フリーメーソンとコミンテルンだとまだ気づいていない感じだ。


  • 現代語版

近衛文麿:英米本位の平和主義を排す


戦後の世界では、民主主義や人道主義の思想がますます盛んになることは、もはや否定し得ない事実であり、我が国も世界の一員である以上、この思想の影響を免れることは当然できない。

ーーー

そもそも、民主主義にせよ人道主義にせよ、その根底にあるものは間違いなく人々の「平等感」である。これを国内的な視点で見れば「民権自由の議論」となり、国際的な視点で見れば「それぞれの国が平等に生存する権利の主張」となる。ここで言う「平等」とは、個人や国家の持つ「違い(差異)」をすべて消し去ってしまうという意味ではない。 個人としてはその「個性」を、国家としてはその「国民性」を十分に発揮しようとするにあたり、その障害となるような一切の社会的な欠陥(例えば、政治的な特権や、経済的な独占など)を排除して、個性や国民性を発揮するための「機会」を均等にすることを意味している。このような平等感は、人間の道徳における永遠に変わらない普遍的な根本原理であり、まさに「いつの時代にあっても間違いではなく、世界のどこに適用しても道理に反しない」ものなのである。

ーーー

たとえ頑固な人々が「平等」といった言葉を聞いて我が国体に反すると考えることがあっても、私は我が国体の観念が人類共通の基本的な倫理観念を取り込めないほど偏狭だとは思わない。いずれにせよ、民主主義や人道主義の潮流をうまく導いてその発展を図ることは我が国にとっても私たちの最大の望みである。

しかしここで私が遺憾に思うのは、わが国の人々が何かと英米人の言説に飲み込まれがちで、彼らが言う民主主義や人道主義をそのまま、割り引きも吟味もしないで信じて称賛してしまうことである。もちろん英米の政治家の言葉をすべて誠意のないものだと決めつけるつもりはない。ウィルソンのような人、ロイド・ジョージのような人が真摯で熱意ある人道の擁護者であることを認めるのをためらうことはない。

しかし世の中には、善意の人が自分では気づかないうちに虚偽を行うことがある。動機は純粋であっても、結果を見れば不純であったことが明らかになることはしばしばある。ましてやうごめく他の群れのような政治家や評論家、新聞記者の言動についてはなおさらである。

ウッドロウ・ウィルソン        ロイド・ジョージ

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