Z式#13頑張っているのに前に進まないのは、使えるものの置き方がずれているからかもしれない現場を動かす『資源配分構文』
【導入】なぜ、こんなに頑張っているのに前に進まないのか
現場では、かなり頑張っているのに、なぜか前に進まない時があります。
会議もしている。
対策も打っている。
問題も見えている。
人もそれぞれ動いている。
なのに、改善の実感が出ない。
忙しさばかりが増えて、成果の輪郭がはっきりしない。
こういう時、多くの人はこう考えます。
「もっと頑張らないといけない」
「まだ動きが足りない」
「人手が足りない」
「時間が足りない」
もちろん、それが本当に原因のこともあります。
けれど現実には、別の問題が潜んでいることも多い。
それは、『使えるものの置き方』がずれていることです。
本当に効く一点ではなく、見えやすい雑務に時間を吸われている。
お金を使うべき場面で我慢しすぎて、逆に非効率が続いている。
すでにある設備や備品やパソコンを活かしきれていない。
頼れるネットワークや協力先があるのに、使い方が設計されていない。
全部を同じ重さで扱おうとして、全部が薄くなっている。
私は、現場が前に進まない時、努力不足より先に『資源配分の雑さ』を疑った方がよいと思っています。
第12回では、どこまで自分が持つかという『境界線』を扱いました。
今回はその次です。
持ちすぎないことが見えてきたら、今度は「何に、どれだけ、どの順番で使えるものを置くか」を決めなければなりません。
それを整理するのが、今回の『資源配分構文』です。
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【こんな方に読んでほしい】
忙しいのに、成果の手応えが薄い方へ
この回は、特に次のような方に読んでほしい内容です。
・毎日かなり忙しいのに、前進の実感が薄い方
・やるべきことが多すぎて、頭の中が常に散らかっている方
・現場対応ばかりで、本当に大事な改善に手が回らない方
・人に仕事を振っても、結局自分が全部見ている方
・設備や仕組みはあるのに、活かしきれていないと感じる方
・お金を使うべきところと、締めるべきところの判断に迷う方
・部門長、店長、管理職、経営者の立場で、全体をどう動かすべきか悩んでいる方
こういう方は、能力が足りないのではなく、資源の置き方に無理が出ていることがあります。
人も時間も注意力も有限です。
そしてそれだけではありません。
設備も、システムも、備品も、インフラも、信用も、ネットワークも、使い方によって生きも死にもします。
だからこそ、配分を誤ると、優秀な人ほど疲れます。
逆に言えば、配分が整うと、同じ人数、同じ時間、同じ設備でも、動き方はかなり変わります。
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【この記事を読むとどうなるか】
何に力を置くべきかが見え、無駄な消耗が減りやすくなる
この記事を読むと、まず「全部を何とかしよう」とする考え方から少し離れやすくなります。
いま最も厚く置くべきものは何か。
何を減らせば、本当に回すべきものが回るのか。
何はお金を使って解決した方がよいのか。
何は今ある設備や人脈を活かせば足りるのか。
これは短期対応なのか、中長期で効く投資なのか。
そうした見分けが少しずつできるようになると、やることが増えるのではなく、むしろ減ります。
そして、減った分だけ、力を込めるべき場所が見えやすくなります。
私は、忙しさを減らすには、気合いより配分の見直しが先だと思っています。
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【はじめに】資源とは、時間やお金だけではない
ここで言う『資源』は、時間やお金だけではありません。
もちろん、時間は大きな資源です。
お金も大きな資源です。
人手もそうですし、注意力や判断力も重要です。
けれど現場では、それ以外にもたくさんの資源があります。
いま使えるインフラ。
既存の設備。
重機や機械。
備品。
パソコン。
システム。
店舗や倉庫の空間。
取引先との関係。
外部のネットワーク。
蓄積された信用。
経験やノウハウ。
心の余白。
こうしたものも、すべて資源です。
つまり、資源配分とは、単に「忙しいから時間をどう使うか」という話ではありません。
自分が使えるものすべてを見える化し、それをどこへ置くかを決める話です。
同じ時間でも、使う設備が変われば成果は変わります。
同じ人数でも、仕組みが整えば動き方は変わります。
同じ仕事でも、少しお金を使うことで、何倍も軽くなることがあります。
だから資源配分構文では、物質的なものと、見えにくいものの両方を扱います。
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【よくある誤解】これは単なる優先順位の話ではない
ここでよくある誤解があります。
それは、「要するに優先順位の話でしょう」と受け取られることです。
もちろん、何を先にやるかを決めることは大切です。
けれど、今回扱いたいのはそれだけではありません。
優先順位は、順番の話です。
一方で資源配分は、順番を含みつつ、
どこに時間を置くか
どこに人を置くか
どこにお金を使うか
どの設備を活かすか
どの仕組みを整えるか
どのネットワークを使うか
どこに注意力を集中するか
まで含めて決める話です。
つまり、優先順位は資源配分の一部です。
今回の回で本当に扱いたいのは、何を先にやるかだけではなく、自分が使えるすべての資源を、どこに、どれだけ、どの順番で配分するかということです。
だからこの回は、『優先順位構文』ではなく『資源配分構文』として扱う方が、実態に合っています。
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【今回の構文】『資源配分構文』とは何か
自分が使えるすべての資源を見える化し、
何に、どれだけ、どの順番で置くかを決める。
それによって、限られた力で最大の変化を生むための考え方が『資源配分構文』です。
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【なぜ必要か】問題が分かっていても改善しないのは、配分が雑だから
現場で改善が進まない時、原因が見えていないとは限りません。
むしろ問題はかなり見えているのに、変わらないことの方が多い。
売場が弱い。
会議が長い。
教育が薄い。
報告が雑。
クレーム対応が場当たり的。
数字管理が遅い。
設備はあるのに使い方が悪い。
システムは入っているのに現場で活きていない。
こうしたことは、だいたい皆うすうす分かっています。
なのに変わらない。
なぜか。
私は、その大きな理由の一つは『資源配分の雑さ』だと思っています。
ただし、ここで言う雑さは、単に時間の使い方が下手という意味ではありません。
資源そのものの見方が雑。
自分が何を持っているかの棚卸しが雑。
持っているもの同士をどう結びつければ能力が上がるかという見方が雑。
そして、問題の解決方法をどう観測するかも雑。
この「雑さ」が重なると、問題は見えていても改善しにくくなります。
本当に効く改善より、目先の処理に人が取られている。
中長期の仕込みより、今日の火消しが優先される。
設備更新や外注で軽くできるのに、現場が手作業のまま耐えている。
今あるネットワークを使えば早いのに、全部を自前で抱え込んでいる。
お金を使うべきところで使わず、逆に意味の薄いところにコストが流れている。
これでは、頑張っても苦しくなります。
前に進んでいる感覚が出にくいからです。
だからこそ必要なのは、問題を増やすことではありません。
『どこに資源を置くか』を決めることです。
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【現場でよくある配分ミス】
現場でよく見る配分ミスには、いくつか典型があります。
『1.緊急対応ばかりで、土台改善に手が回らない』
毎日起きる小さな問題に対応しているうちに、根本原因へ手がつかなくなる。
結果として、同じ問題を何度も処理することになります。
『2.できる人に全部が集まる』
頼れる人ほど仕事が集まります。
すると短期では回ります。
でも長期では、その人が詰まりの中心になります。
『3.設備や仕組みを活かしきれていない』
すでにある備品、パソコン、システム、動線、インフラがあるのに、使い方が設計されていないため、現場だけが根性で埋めている。
これはかなり多いです。
たとえば、ノートパソコンもそうです。
ノートパソコン単体で作業するのと、外部ディスプレイを1枚追加してダブルディスプレイにするのとでは、仕事のしやすさがまったく変わってきます。
場合によっては、トリプルディスプレイにすることで、さらに処理能力や視認性が上がり、作業の流れが大きく改善することもあります。
つまり、同じパソコンを使っていても、少しお金を使ってディスプレイを追加するだけで、作業効率や判断速度がぐっと上がるわけです。
これは単なる備品購入ではありません。
立派な『資源配分』です。
元の資源そのものの価値や機能は分かっていても、それをどう結びつければ能力が高まるかが見えていないと、現場は弱いままになります。
だから資源配分構文では、持っているものの価値だけを見るのではなく、それらをどう関連付け、どう組み合わせるかまで見なければなりません。
『4.お金を使うべきところで使わない』
人が疲弊しているのに、少額投資で軽くできる部分へお金を入れない。
これも、現場で非常によく起きる配分ミスです。
先ほどのディスプレイの例もそうですが、お金を使うことは、単に支出を増やすことではありません。
場合によっては、時間や注意力や判断力を買い戻す行為でもあります。
少しの投資で仕事の見通しが良くなる。
作業の切り替えが減る。
確認ミスが減る。
疲労が減る。
結果として、同じ人・同じ時間でも、出せる成果が変わってくる。
それでも「まだ使えるから」「我慢すればいいから」と投資を先送りしていると、人の時間と集中力をじわじわ失い続けることになります。
資源配分では、お金を減らすかどうかだけを見るのではなく、『どこに使えば全体の能力が上がるか』を見なければならないのです。
『5.全部を同時に良くしようとする』
売場も、教育も、会議も、発信も、採用も、設備更新も、全部を同時に強めようとすると、どれも中途半端になりやすい。
『6.減らす判断がない』
新しいことは足していくのに、古い仕事や意味の薄い習慣が残り続ける。
これもかなり大きいです。
こうしたミスは、気合いで解決しません。
むしろ、頑張る人ほど深みにはまりやすい。
だから配分を見直す必要があります。
自分が持っているものは分かっている。
その価値や金額や機能も分かっている。
けれど、それをどう結びつければ全体の能力が上がるのかが見えていない。
ここが資源配分でつまずく人の難しいところです。
境界線が必要なのは分かった。
では次は、持っているものをどう並べ替え、どう結びつけ、どこへ厚く置くのか。
ここから先では、その配分の仕方をできるだけ実務的に整理していきます。
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