「いい人」は、自分にとっての「一番の敵」だった
かつての私にとって、「NO」と言わないことは、職場で円滑に人間関係を築くため、そして自分の価値を証明するための「絶対的な正解」でした。でも、その正解を握りしめ続けた結果、私は自分自身を壊してしまったのです。
「はい」の数だけ、自分の心が削れていった。
飲食の現場で働いていた頃、私は常に「誰かの期待」に応えることに必死でした。
お客様からの急なリクエスト、上司からの無理なシフト相談、同僚のカバー。
本当はもう体力が限界でも、本当は休みたい夜でも、私は笑顔で「はい」と答え続けました。
「NO」と言えば、相手をガッカリさせてしまう。
「NO」と言えば、使えない奴だと思われてしまう。
そんな恐怖心が、私に無理な頑張りを強いていました。
でも、そうやって周囲に差し出し続けた私の「優しさ」の正体は、自分を後回しにし続けた「自分への裏切り」だったのだと、身体を壊して動けなくなった時にようやく気づきました。
私が一番、私を粗末に扱っていた
ベッドから起き上がれなくなった1、2ヶ月の間、私に「大丈夫?」と声をかけてくれた人はいたけれど、私の代わりに私の苦しみを受け止めてくれる人は誰もいませんでした。当然です。私の心と身体を守れるのは、世界でたった一人、私しかいないのだから。
誰かに嫌われることを恐れて、自分に「無理をさせること」を許し続けていた。
私が一番、私自身のことを粗末に扱っていたことに気づいたとき、涙が止まりませんでした。
自分を一番の味方にする。
そう決めたとき、私に必要だったのは新しいスキルを身につけることではなく、「NO」という武器を手に取ることでした。
「NO」は拒絶ではなく、自分への愛言葉
最初は、怖くて仕方がありませんでした。
でも、勇気を出して小さな「NO」を口にしてみると、不思議なことが起こりました。
去っていく人もいたけれど、本当に大切な人たちは、意外にも「そっか、無理しないでね」と受け入れてくれたのです。
「NO」と言うことは、相手を否定することではありません。
「ここからは、私の大切な領域です。これ以上は自分を傷つけさせません」という、自分自身への愛言葉なのだと思います。
「嫌われないNO」は存在する。私が試行錯誤の末に見つけた、言葉の選び方。
そうは言っても、これまで「いい人」をやってきた私たちが、いきなり冷たく突き放すようなことは難しいですよね。
相手との関係を壊さずに、でも自分の心は守る。そんな「しなやかな断り方」には、実はちょっとしたコツが必要でした。
私がどん底から這い上がる中で見つけた、相手も自分も傷つけない具体的な「言葉の選び方」や、断る時の「心の整え方」。
それについては、私が実際に使っている「NOの練習帳」として、次の記事で詳しくまとめてみようと思います。
もし、今これを読んでいるあなたが、誰かのために無理をして笑っているのなら。
まずは「私は、私を守っていいんだ」と自分を許してあげることから始めてみませんか?
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