蟹座と山羊座〜蟹座土星を深掘り
地球からみると、蟹座と山羊座は別々のエネルギーですが、宇宙視点では同じエネルギーの両極です。牡羊座と天秤座、牡牛座と蠍座、双子座と射手座、蟹座と山羊座、獅子座と水瓶座、乙女座と魚座は全てワンセットで一本の軸です。本質的には<6つのサイン(6本の軸)>しか存在しません。サインやハウスは<お向かいさん同士の二つでワンセット>と捉えることが重要なことでもあります。
これら対極同士のサインはクオリティが同じになります。クオリティ=活動宮・不動宮・柔軟宮の「行動様式」が同じ。さらに、ポラリティ=男性星座・女性星座の「エネルギーの方向性」も同じになります。唯一、エレメント=火・地・風・水が異なりますが、火と風の組み合わせか、地と水の組み合わせの2パターンしかありません。火と風、地と水はいずれも親和性が高く、反発する要素が少ない関係性にあたります。
蟹座と山羊座は共に活動宮(カーディナルサイン)です。活動は「始動」を示し、主体的に行動していくエネルギーです。山羊座は強い目的意識を持ってコツコツと努力を積み重ねながら、世界の高みへと上がります。蟹座は内向きに見えますが、やはり行動(方向づけ)はします。安心と安全を求め、そのためにならどこまでも進み続けます。蟹座のエネルギーは流れ続ける。どちらも同じ活動サインなのです。
ただ、その活動場所と性質が異なるだけです。山羊座は地(社会性・確実性・物質性)に重きをおき、蟹座は水(感情・安心できる居場所・内的世界)に重きを置いているだけです。そして、この二つの活動エネルギーはワンセットであり、両極が整うことで初めて成熟する仕組みです。つまり、蟹座と山羊座は母性的自立と父性的自立、心の安定と社会的活動、または家庭とキャリアです。どちらも必要です。
全てのサインを対極のサインとワンセットで捉えることで、理解がグンと深まります。たとえば太陽双子座の方が「対極の太陽射手座の要素を見出していく(引き出していく)」ことで、双子座の太陽はより安定します。視野が広がりますし、魅力や可能性も拡大します。あらゆる抵抗が少なくなり、生きやすくもなります。これは全ての天体に言えることです。え、全て?って感じるかもしれませんが。。。はい、全てです。
たとえば土星。インド占星術では土星を『パーパカルマ=罪を示す天体』と表現したりします。ここで言う「罪」とは「それをやるべきだったのにやらなかったこと」「向き合うべきだったのに向き合わなかったこと」「意識的に取り組むべきだったのに取り組まなかったこと」を意味します。蟹座土星は安心感と信頼感の欠如を示します。この方々は「世界に対する信頼や安心感が欠けたところから人生を始める」ことになるでしょう。母親との関係に冷たさや難しさを抱えることも多くなります。
しかし、痛み・葛藤・恐れを超えて、自らの心を安定させる方法を見出せるようになると、蟹座土星が示す重荷とカルマは変容していきます。他者や世界に対する安心感と信頼感と一体感を獲得するにつれ、蟹座土星は違う顔を見せるようになるのです。苦しい出来事をもたらすと言うよりも「母性的思いやりで周囲の人に寄り添うこと、心理的自立のプロセスを教えて支援すること」を要求するになるでしょう。
蟹座土星を持つ方は「心と感情のマスターとなること」を運命づけられているとも言えます。自らの感情に寄り添い、感情と心理のプロになること。人の心に安心感を与え、ケアして導くカウンセラー的資質の獲得を要求されることが多くなります。やがて心理のプロとして社会に貢献することになるかもしれません。あるいは「母性」を発揮する役割や仕事を通じて、人に安心と癒しを提供するようになるかもしれません。
私たちにとって最大のモチベーションは「痛み」です。痛みこそが最大のエネルギーでもあります。(だからこそ冥王星は最大の潜在力を持ちます)土星は「痛みと葛藤」を与えますので、最終的には土星が大きなモチベーションにもなります。そして、自分自身が苦しみながら乗り越えてきたこと(=土星)だからこそ、コツコツと努力する姿勢と謙虚さが身についており、本物の能力やプロフェッショナルな才能にもなり得るのです。
太陽や水星の特性や能力を使ってキャリアを得るケースは多いですが、どなた様もそこに「土星的要素」を加えると、それは最強に盤石なものになります。太陽だけではいつか沈む(終焉と衰退がやってくる)からです。土星が示す苦手意識や抵抗という重荷は大変に苦しいもので、まさにカルマと言うに相応しいのですが、最終的にはその道のプロフェッショナルになれるということでもあります。「味のある人生・着地感」を与えてくれるのもまた土星であり、土星のギフトは大きいのです。
私自身もそうなのですが、蟹座土星を持つ女性は子どもを持たないケースが非常に多いです。ずっとなんでだろうと思っていました。母性を獲得しないといけないのに、結果的には母親の役には就かない運命・・・しかも、自然的にそうなったケースが多い。晩婚だったからとか、再婚後、すでに子どもがいるお相手から、もう子どもはいらないと言われたとか、拒否しているわけでもないのに、なぜかタイミングが合わなかったとか。
もちろん、土星はシャドウなので、(自分でも気づいていないような)潜在下で「子どもを持つことへの恐れや苦手意識」を抱えているからそうなったーーとも考えられます。しかし、一概にそうとも言えないと思うのです。「進むべき道があり、不思議な運命性が働く」のかもしれません。ある著名なインド占星術師がこんな解説をされています。
「蟹座土星が真に求めるものは自分の子供を持って母親になることではなく、社会全体と人類全体への母性的愛情と思いやりを獲得することである。その資質と能力を使って、社会の中で活躍して社会貢献することである」
なるほどです。土星は社会天体なので、より「社会性」が伴ってきます。血縁関係や自分の子どもという枠や執着さえ超えて、もっと大きな母性の獲得を目指すのが蟹座土星の本質であると考えられます。そして、全ての天体は対極同士のサインでワンセット。蟹座土星を持つ皆さん、人生の後半になるにつれ、山羊座的な努力を要求されませんかw社会的活動やキャリアの道に引っ張り出される(頑張れよとお尻を叩かれる)多分、蟹座土星を持つご本人はそれをあまり望んでいないことも多いですが、なぜかそうなっていく。土星だって同じく反対側をやらされるのです。
土星も反対側(対極サイン)が示すことに取り組んでこそ、成熟していきます。蟹座と山羊座はワンセット。心の耐久性としなやかさを獲得していく、感情の扱い方を学び、自分自身を安定させていく、そんな蟹座土星のプロセス。しかし、それだけでは終わらないのです。社会的自立(父性的愛)をも獲得していく必要があります。(土星はより対極の要素が強くなるし、バーテックスとアンチバーテックスの関係性と同様の力学が働く、ノード軸の構造と極めて似た側面が強いと思います)
蟹座土星を持っている方は「世界に安心を与える能力、寄り添いながら自立を促す能力、カウンセリングや心理を扱う能力、大衆的な衣食住に関わる能力など」を内在していると言えます。土星をカルマの星ではなく、能力とプロフェッショナルの星として使えるようになると、人生に深い喜びが湧き上がること間違いなしです。蟹座土星の皆さん、応援しています。
