自分用Webアプリは完成より、使いながら直すほうが楽しかった
「全部できてから使おう」と思っているうちに、いつのまにか手が止まっている。
完成を目指すほど、ゴールが遠ざかっていく。
完成主義になりがちな人なら、この感覚が分かるかもしれません。
僕もそうでした。
この記事では、完成を待たずに使い始めて、「使いながら直す」ほうがずっと楽しかった、という体験を書きます。
アプリは、育てていくものでした。
完璧を目指して動けなくなりがちな人に、届けばと思います。
前の記事はこちら:
この記事でわかること
「完成させること」より「使いながら直すこと」に価値があった体験
実際に使い始めてから見えてきた、具体的な改善点
完成主義になりすぎないことの、思わぬメリット
「完成」を目指していた頃
アプリを作り始めた頃、僕のゴールは「完成させること」でした。
すべての機能が揃って、デザインも整って、バグもない。
そこまで仕上げてから、ようやく「使い始める」ものだと思い込んでいました。
でも、その完成にたどり着く前に、何度も手が止まりました。
「まだ足りない」「ここも直さなきゃ」と考えるほど、ゴールが遠ざかっていく感覚がありました。
完成を目指すほど、完成から遠ざかる。そんな妙な状態に陥っていたんです。
思い切って、未完成のまま使い始めた
あるとき、考え方を変えてみました。
完成を待たずに、「とりあえず動く」状態で使い始めてみたんです。
正直、不格好でした。
ボタンの位置は微妙だし、デザインも素っ気ない。
でも、日記を書いて保存するという、いちばんやりたかったことはできる。
それなら、まず使ってみよう、と。
この「完成前に使い始める」という小さな方針転換が、結果的に大きな違いを生みました。
使い始めて、初めて見えた違和感
実際に毎日使ってみると、作っているときには見えなかった違和感が、次々と出てきました。
たとえば、「保存ボタンが画面の上にあると、書き終わってから押すのに指を大きく動かす」こと。
「日記を書いたあと、入力欄に前の文章が残っていて、次の日に書きづらい」こと。
「一覧が古い順に並んでいて、最新の日記を見るのに毎回いちばん下までスクロールする」こと。
どれも、頭の中で設計しているだけでは、絶対に気づけなかったことです。
実際に自分の指で、自分の生活の中で使ったからこそ、見えてきた違和感でした。
「直す」が、なぜか楽しい
そして、気づいた違和感を、ひとつ直してみました。
保存ボタンを、押しやすい位置に移してみる。
すると、次の日から、ほんの少しだけ使い心地が良くなったんです。
その小さな改善が、思いのほか嬉しかった。
そして面白いことに、ひとつ直すと、また次の違和感が見えてきます。
「ここが良くなったなら、次はあそこも」と。
この繰り返しが、ゲームみたいで楽しかったんですよね。
「完成させなきゃ」という義務感の作業とは、まったく違う感覚でした。
完成のための作業は「やらされている」感じでしたが、使いながら直すのは「自分から手を動かしたくなる」感じだったんです。
完成主義は、最初の1個の敵かもしれない
振り返ると、「完成させてから使う」という考え方は、最初の1個を作るうえでは、むしろ足かせでした。
完成を目指しすぎると、「まだ完成していない」状態が、ずっと続きます。
その間は、使えない。
使えないから、改善点も見えない。
改善点が見えないから、何を直せばいいかも分からない。
完成を待っているあいだ、ずっと止まったままになってしまうんです。
でも、使い始めれば、アプリのほうが「次に直すべきところ」を教えてくれます。
使うことが、次の一歩を指し示してくれる。
だから、完璧じゃなくても、まず使い始めるのが正解でした。
小さく直せるのは、自分用ならではの自由
使いながら直すのが楽しいのには、「自分用だから」という理由も大きいと思います。
人に使ってもらうサービスだと、ちょっと直すだけでも気をつかいます。
「この変更で、他の人が困らないかな」「使い方が変わって戸惑わせないかな」と。
でも、自分用なら、使うのは自分だけ。
今日「ここが使いにくい」と思ったら、その日のうちに変えてしまっていい。
失敗しても、困るのは自分だけだから、気軽に試せます。
実際、僕は「やっぱり前のほうが良かった」と、変更を元に戻したことも何度もあります。
それでも誰にも迷惑はかからない。
この気楽さがあるから、思いついた改善を、ためらわずに試せるんです。
「思いついたらすぐ直せる」「失敗しても戻せる」。
この身軽さこそ、自分用アプリを育てる楽しさの、いちばんの源だと感じています。
「育てる」感覚で付き合う
今では、アプリを「完成させるもの」ではなく、「育てていくもの」だと思っています。
植木に水をやるみたいに、使いながら、気になったところをちょっとずつ手入れしていく。
完成というゴールテープはないけれど、そのぶん、終わりのない楽しさがあります。
この「育てる」感覚で付き合えるようになってから、アプリ作りが、ぐっと気楽で楽しいものになりました。
そして、育てる対象が「自分が毎日使うもの」だというのも大きいです。
他人のために作るのではなく、明日の自分が少し楽になるために直す。
だから、直した効果を、次の日にはもう自分で実感できる。
この「手応えの早さ」が、続けるモチベーションになっていました。
おわりに
アプリは、完成してから使うものではなく、使いながら完成に近づけていくもの。
そう思えるようになってから、作ることへのハードルが、ずいぶん下がりました。
完璧を目指して止まってしまうより、不格好でも使い始めて、少しずつ直していく。
そのほうが、続くし、楽しい。
もし「完成させなきゃ」と思って手が止まっている人がいたら、一度ゴールの位置を下げてみてください。
「完成させる」ではなく、「とりあえず今日から使えるものにする」。
それくらいで十分です。あとは、使いながら一緒に育てていけばいいんです。
使いながら気づいた改善点を、どう記録しているか。
その話も、また別の記事でまとめる予定です。
次の記事はこちら:
このシリーズの記事はマガジンにまとめています。
ChatGPT相談から始めて、Codexで作り、GitHub Pagesで公開してスマホで開くまでの進め方を、有料記事にまとめています。
購入前に無料部分を読んで、自分に合いそうか確認してみてください。
