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【第1回】住宅購入のお金──年収・ローン・手取り25%

今回からは、私が家を購入する際に何を考え、何を調べたのかを、4回に分けて具体的にお伝えしていきます。
第1回のテーマは「お金」です。ただ、その前にどうしても話しておきたいことがあります。私が手付金を失った話です。

私が手付金を失った理由

住宅ローンは事前調査が大切

ある物件で、ようやく「これだ」と思える家に出会いました。間取りも立地も気に入り、住宅ローンは金利の安いネット銀行に申し込むつもりでいました。仮審査も無事に通過し、頭の中ではもう新しい暮らしが始まっていました。
ところが、契約の段階で思わぬ事実が判明します。その土地が「仮換地」だったのです。
仮換地とは、土地区画整理事業の途中で、元の土地(従前地)の代わりに「仮に」使用できるよう、施行者(つくば市)が指定した土地のことです。区画整理が完了すれば正式な土地(換地)になりますが、それまでは法的な位置づけが少し特殊な状態にあります。
問題はここからでした。銀行は住宅ローンを貸すとき、その土地を「担保」として評価します。ところが、私が申し込んでいたネット銀行では、仮換地は担保として扱えなかったのです。担保が認められなければ、当然ローンは下りません。低金利を前提に綿密に立てていた私の資金計画は、ここで完全にとんざしました。
結果として、契約は白紙に。そして、すでに支払っていた手付金は戻ってきませんでした。
このとき痛感したのは、「物件そのもの」だけでなく「住宅ローンの条件」を事前にしっかり調べておくことが、いかに大切かということでした。金利の安さだけを見て金融機関を選んでいた私の、完全な準備不足でした。

【つくばで家を探す方へ──ここは特に注意】


つくば市の市街化区域には、今も区画整理事業による仮換地のエリアが多く存在します。つまり、人気のエリアや新しく整った街並みの中にも、仮換地の土地がまざっているということです。見た目や住み心地だけでは、その土地が仮換地かどうかはわかりません。
だからこそ、気に入った土地が見つかったら、「その土地が仮換地ではないか」「仮換地の場合、選んだ金融機関でその土地が担保になるか」を、必ず契約前にチェックしてください。重要事項説明書や登記情報、不動産会社への確認でわかります。これだけで、私と同じ失敗は防げます。

住宅ローンは「誰が借りるか」から考える

資金計画は夫婦で話し合う

住宅ローンには、大きく分けて3つの借り方があります。「単独ローン」「収入合算」「ペアローン」です。共働き世帯が増えた今、ここの選び方は資金計画の出発点になります。

単独ローン:夫婦のどちらか1人が借りる。契約は1本。借入可能額は1人の年収が基準で、住宅ローン控除も団信(団体信用生命保険)も1人分。

・収入合算:主となる借り手1人に、配偶者の収入を合算して借入額を増やす方法。契約は1本。多くのネット銀行が採用する「連帯保証型」では、合算した配偶者は団信にも住宅ローン控除にも原則含まれず、その配偶者が働けなくなっても主債務者の返済義務はそのまま残る。

ペアローン:夫婦それぞれが借り手になり、ローンを2本組む。借入可能額は大きくなりやすく、住宅ローン控除も2人分使える。ただし団信も2人それぞれ、諸費用も2本分かかる。どちらかが働けなくなっても、相手のローンは原則そのまま残る。

借入可能額だけを見れば、ペアローンがいちばん大きな額を借りられます。しかしその裏側で、どちらかが働けなくなっても、相手のローンは原則そのまま残るという重いリスクを抱えます。「いくら借りられるか」ではなく「どんなときに、誰の返済が残るのか」まで含めて選ぶべきだと、私は考えています。

いくらまで借りていいのか──手取りの25%

リスクを織り込んだ返済計画を立てる

金融機関の審査では、年収の6〜8倍程度が借入額の上限の目安とされることが多いです。年収600万円なら3,600〜5,000万円ほど、という具合です。でも、ここで絶対に忘れてはいけないことがあります。「借りられる額」と「無理なく返せる額」は、まったくの別物だということです。
銀行が貸してくれる上限まで借りると、多くの場合、暮らしは苦しくなります。私が一つの判断基準にしたのは、毎月の返済額を「手取り収入の25%以内」に収めることでした。額面年収ではなく、税金や社会保険料が引かれた後の「手取り」を基準にするのがポイントです。手取り月収が40万円なら、返済は月10万円まで。この範囲なら、教育費や急な出費があっても家計が回ると考えました。
数字の上限ではなく、「自分たちの暮らしが回るか」を基準にする。これは前回書いた「お金に縛られない暮らしがしたい」という、私たちの価値観そのものです。

「今、払えるか」ではなく「いざというとき、払えるか」

家族を守ることが大切

返済額を決めるとき、私は次のようなリスクを一つひとつ想定しました。
ひとつは、どちらかが働けなくなった場合です。病気やケガ、出産や介護で、収入が一時的に半分になることは十分にありえます。そのとき、片方の収入だけでも返済を続けられるか。ここを確認しておくことが、何よりの安心材料になります。
もうひとつは、不測の出費です。車の故障、家電の買い替え、医療費など。家計には、予定にない支出が必ず訪れます。返済でぎりぎりまで固定費を膨らませてしまうと、こうした出費に対応できなくなります。
そして見落としがちなのが、金利の上昇です。変動金利を選ぶ以上、将来上がる可能性は常にあります。私は「金利が2.5%まで上がっても、なお返済を続けられるか」を一つの目安にしました。今の金利で計算した返済額ではなく、上がった場合の返済額でも家計が回るか。そこまで確認して初めて、安心して借りられると考えています。

私の基本方針──固定費は、とにかく下げる

自由なお金を持つ

リスクを洗い出したうえで、私がたどり着いた方針はとてもシンプルです。「固定費は、できるかぎり下げる」。これに尽きます。
まず、金利は固定金利を選びませんでした。金利が上がるリスクは2.5%想定でカバーする前提に立ち、それでも毎月の固定費を抑えることを優先しました。(※どちらが正解かは家計や考え方によります。私は固定費を下げる方を選んだ、という話です。)
次に、ボーナス払いもしませんでした。ボーナスは、いつまでも今の水準であるとは限りません。景気や勤務先の事情で減ることもあります。「あるかどうかわからないお金」を返済計画の前提に組み込むのは、私にとってはリスクが大きすぎました。毎月の収入だけで返せる計画にしておく。これも固定費を読みやすくするための選択です。

返済を抑えて、その先で「お金に働いてもらう」

お金に働いてもらうという考え方

固定費を下げるのには、もう一つ大きな理由があります。積立投資と貯金を止めずに続けるためです。返済額を手取りの25%以内に抑えてできた余力で、私はつみたてNISAや貯金を続けています。投資先として広く選ばれているのが、S&P500(米国の代表的な500社に分散)やオール・カントリー(オルカン/全世界株式)といったインデックスです。
ここで意識したいのが「複利」の力です。複利とは、得られた利益がさらに利益を生んでいく仕組みのことです。たとえば、毎月3万円を、年利5%で運用できたと仮定すると、20年で元本720万円に対して約1200万円、30年では元本1080万円に対して約2500万円規模にまで育つ計算になります(※あくまで一定利回りを仮定した試算で、実際の運用成果を保証するものではありません)。期間が長くなるほど、複利の効果は雪だるま式に大きくなっていきます。
つまり、住宅ローンの固定費を下げることは、単に毎月をラクにするためだけではありません。浮いたお金に長く働いてもらい、家計全体を強くするための選択でもあるのです。
※私は金融や不動産の専門家ではなく、自分でローンを組んだ一人の当事者です。投資にはリスクがあり、最終的な判断はご自身の状況に合わせて行ってください。ここでは私の考え方を共有しています。

第1回のまとめ

経済的にも精神的にも豊かな暮らしを

最後に、今回の要点を整理します。家を探す前に、お金の土台をぜひ確認してみてください。
〇住宅ローンは「いくら借りられるか」ではなく「無理なく返せるか」で考える。
〇借入は年収の6〜8倍が目安だが、上限まで借りない。返済は手取りの25%以内を一つの基準に。
〇借り方(単独・収入合算・ペアローン)は、リスクまで含めて選ぶ。
〇どちらかが働けなくなっても、金利が2.5%に上がっても返せるかを確認する。
〇固定費を下げ、その余力でつみたてNISAや貯金を続け、複利を味方につける。
〇そして──私のように、土地が仮換地でないか、選んだ金融機関でその土地が担保になるかまで、契約前に必ず確認する。とくにつくば市の市街化区域では、仮換地のチェックを忘れずに。

次回予告


次回・第2回は「資産性──将来、売れる・貸せる家か」です。市街化区域とは何か、駅からの距離はどこまで許容できるか、つくば市の開発計画をどう読むか。「住んで終わり」ではなく、将来にわたって価値が残る住まいの見極め方を書きます。

相談について

お住まいに関する不安・悩み・疑問etc.どのようなことでもお話ください

家選びの相談というと、予算やエリアといった物件の話を想像するかもしれません。もちろんそれも受けています。ただ、私がいちばん手伝いたいのはその手前の部分です。
まだ物件を見る前の方へ
「家は欲しいが、何を大切にすればいいかわからない」「家族の価値観をうまく言葉にできない」。そういう段階の相談こそ、コメントやメッセージで聞かせてください。本業は教育です。答えを押しつけるのではなく、あなたとご家族が大事にしたいことを自分の言葉にできるよう、一緒に整理します。
つくば市エリア・物件で迷っている方へ
「竹園と並木で迷っている」「予算、3,500万台だとどこか」「学区で選ぶならどこか」。県外から移住し、自分もローンを組んだ当事者の視点で、中立にお答えします。
※ 私は不動産や心理の専門家ではなく、同じ道を先に通った一人の当事者です。答えを出す人ではなく、一緒に考える立場だと思ってください。

エリアで具体的に見たい方へ


竹園 https://note.com/yuji378/n/n42e2c2ed42fb

並木https://note.com/yuji378/n/n93bb85898dc7

春日https://note.com/yuji378/n/n4c1e0861eddf

研究学園https://note.com/yuji378/n/n77e46c296d76

吾妻https://note.com/yuji378/n/nca06055117a9

苅間https://note.com/yuji378/n/nf88c4a543f22

二の宮https://note.com/yuji378/n/ncf0efdac5083

小野崎 https://note.com/yuji378/n/n7e049d54580








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