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「二の宮」── 高くて、戸建てが出てこない。それでも選ばれる街

つくば市二の宮は、賃貸を探すと人気エリアとして名前が挙がります。ところが「買う」となると、多くの人が立ち止まります。土地は坪47万円台、しかも新築の戸建てがなかなか出てきません。

それでもこの街が選ばれ続けるのは、数字に表れにくい価値があるからです。市内でも学力が高いと評される二の宮小学校の学区であり、つくば市最大の洞峰公園が歩いて届く距離にあります。ガレットで知られるAgatoのように、長く愛されるカフェも点在します。賃貸で人気だということは、裏を返せば「ずっと住みたい人が多い」ということでもあります。

このシリーズでは、つくば市内の住宅エリアを教育・安全・資産性の3つの軸で見ています。今回は二の宮です。

教育 ── 二の宮小学校と、研究者コミュニティの学習文化

二の宮の核は、学区そのものにあります。

二の宮小学校(洞峰学園)は、研究機関に勤める家庭の子どもが多く、市内でも学力が高いと評される学校です。私立中学を受験する家庭も一定数います。

研究者や専門職の家庭が多い地域では、家庭での学習習慣や教育への関心が平均より高く、それが地域全体の学力水準を押し上げます。

ですから学区を理由にこの地を検討するなら、「この学校に入れば伸びる」ではなく、「この環境で、わが家がどう関わるか」で考えるほうが、入学後の期待を見誤りません。なお進学実績や評判は公的に確定した数値ではありません。最新の学区は、丁目・番地まで通学区域規則で確認してください。

学区という、無形の資産。これを買えるのが二の宮です。
(学区・評判は2025年度時点の情報です)

安全 ── 台地の成熟住宅地と、住民が守った洞峰公園

二の宮の安心は、緑とともに住民が選び取ったものです。

二の宮は研究学園地区南部の台地に位置する成熟した住宅地で、区画が整い、街路樹と公園が多いエリアです。

その象徴が、約20haの洞峰公園です。かつて県は民間活力を使ったリニューアル計画を示しましたが、市と住民がこれに反対し、2024年に県から市へ無償で移管されました。緑豊かな住環境を、住民が議論の末に守った——この経緯そのものが、二の宮という街の住環境への意識の高さを表しています。

園内の屋内プールでは水泳教室も開かれ、子育て世帯の習い事の場にもなっています。

ただし水害や地盤の細かなリスクは、同じ二の宮でも場所ごとに差が出ます。つくば市ハザードマップ(2026年5月発行)とJ-SHISで、検討地の丁目単位のリスクを確認してください。

守られた、緑。それが日常の風景になる街です。
(ハザード情報は2026年5月発行版時点です)

資産性 ── 高い、出てこない。それでも値が落ちにくい理由

新築は出にくく、価格は高い。それでも値が崩れにくいのが二の宮です。

二の宮の基準地価は2025年で14.45万円/㎡、坪に直すと47万円台です。前年からの変動率は+10.24%で、上昇が続いています。一方で空き地が少なく、新築戸建ての分譲はほとんど出ません。つくば駅までは1.8〜2.5kmあり、徒歩よりバスや車が前提になります。

そのため「土地から新築」という王道は、二の宮では予算と在庫の両面で難しくなります。現実的な入り方は、中古戸建ての購入と建替え、あるいは中古マンションです。価格は条件で大きく振れますが、土地坪45〜50万円帯を前提にすると、世帯年収900万円以上が一つの目安になります。

それでも値が落ちにくいのは、理由があります。成熟したつくば駅圏で、これ以上は増えない住宅地という希少性です。学区と公園という動かしにくい価値が、需要を下から支えます。短期の値上がりを取りにいく資産ではなく、長く持っても価値が崩れにくい「保つ資産」と捉えるのが妥当です。ただし将来の価格は確実ではなく、過去の実績と現在の傾向として読んでください。

保つ、資産。それが二の宮の資産性の本質です。
(地価は2025年基準地価時点です)

向く人・向かない人

向いている人

  • 二の宮小の学区と洞峰公園の住環境に価値を感じる

  • 中古・建替え・マンションも含めて検討できる(世帯年収900万円以上が目安)

  • 徒歩・自転車圏で、子どもの習い事(スイミングなど)まで完結させたい

  • 長く住み、資産を保つ視点で選べる

向いていない人

  • 新築戸建てを、駅の近くで、予算内に収めたい

  • 車を持たず、駅まで歩いて生活したい

  • 短期の値上がりを取りにいきたい

次に読むなら

同じつくば駅圏でも、駅直結の高級マンションという正反対の選択肢があります。次は竹園を読んでみてください。

▶ 竹園 ──https://note.com/yuji378/n/n42e2c2ed42fb

このシリーズ(つくば不動産note)では、教育・安全・資産性の3軸で、つくばの住宅エリアを非営業の立場から見ています。フォローしておくと、次のエリアも届きます。
次回は視点を移します。指定区域の拡大とともに住宅建築が進む新興エリア ── 「小野崎」を取り上げる予定です。

主な出典
国土交通省 地価公示・地価調査(不動産情報ライブラリ) https://www.reinfolib.mlit.go.jp/
つくば市 洞峰公園 https://www.city.tsukuba.lg.jp/soshikikarasagasu/kensetsubukoen_shisetsuka/gyomuannai/6/1/1002827.html
つくば市立二の宮小学校(洞峰学園) https://www.tsukuba-school.jp/nino/

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