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【第2回】住宅の資産性|つくば市で、暮らし方も資産も諦めない家選び

家を選んでいるつもりで、本当に選んでいたのは、「これからの暮らし方・生き方」だった。前回は「住宅購入のお金」について書きました。今回のテーマは「住宅の資産性」です。暮らし方・生き方を大切にしながら、資産性もちゃんと狙うその両立は、つくばという街ではかなり現実的だと感じています。

前回(第1回):住宅購入のお金──年収・ローン・手取り25%

この家、将来売れる・貸せる?

資産性とは、ざっくり言うと「この家、いざというときに売れるか・貸せるか」です。ずっと住み続けるつもりでも、転勤やライフステージの変化で、「手放す・貸す」選択肢がある家は強い。「多くの人が住みたいと思う街」は資産価値も落ちにくいということです。つまり「自分たちが気持ちよく暮らせるか」と「将来誰かに選ばれるか」は、多くの部分で重なります
だから私は、資産性を「暮らしと切り離した数字」ではなく、「自分たちの暮らしやすさを、他人の目線でも一度検算してみるチェック」として使うようにしました。この考え方なら、暮らしを犠牲にせずに資産性を狙えます。そしてその「検算」は、つくば市の公式データでかなりできます。とくに「つくミル(つくば市地図データサイト)」は、都市計画・規制やハザードマップを地図に重ねて見られます。気になるエリアを自分の目で確かめるだけでも、判断の足場が変わります。
つくミル(つくば市地図データサイト)

戸建てとマンション、結局どっち?


資産性を見る『基準』が違う

よく聞かれる質問ですが、「どちらが資産性が高いか」より、まずはじめに「資産性を見る『基準』が違う」と知ることが大事です。ここを混ぜると、比べなくていいものを比べて不安になりがちです。
マンションの資産性は、やはり「立地+管理+ブランド」の3つで見ると整理しやすいです。なぜこの3つかというと、いずれも「購入後に変更不可」だからです。立地(駅からの距離・生活利便性)は、将来買う人・借りる人の多さに直結し、あとから変えられません。管理(修繕積立金が足りているか、管理組合がきちんと機能しているか)は、同じ築年数でも建物の傷み方と評価を大きく分けます。ブランド(大手デベロッパーや実績のある管理会社かどうか)は、施工品質や管理の安定、中古市場での「安心感」につながり、売るときの値の付きやすさに効いてきます。
もちろん、この3つだけで資産性が決まるわけではなく、金利や景気、その時々の需給にも左右されます。それでも、個人が物件を見るときにチェックできて、かつ将来の評価への影響が大きい指標として、立地・管理・ブランドは押さえておく価値があると感じています。逆に、ブランドや管理が弱くても立地が突出していれば評価されることもあり、3つは「掛け算」で見るのが実感に近いです。
一方、戸建ては資産性の軸が「土地」に寄ります。建物は年とともに価値が下がりやすいけれど、土地は残ります。だから戸建てでは、その土地が市街化区域か、再建築しやすいか、ハザードはないかといった「土地そのものの安心」が、マンション以上に効いてきます。つくばは戸建ても多い街なので、「土地で見る」視点はとくに大事だと思います。
つまり、「どっちが正解」ではなく、マンションなら立地・管理・ブランド、戸建てなら土地の素質を見る。その違いを知っておくだけで、物件見学の質が変わります。

市街化区域かどうかで、何が変わる?


市街化区域は「街として整えていこう」

戸建てを見るとき(特につくば市)にとくに大事なのが、「市街化区域かどうか」です。ざっくり言うと、市街化区域は「街として整えていこう」とされているエリア、市街化調整区域は「むしろ開発を抑えよう」とされているエリアです。
これが資産性に関わるのは、インフラや生活利便施設の揃い方、そして「再建築のしやすさ」や「将来の売りやすさ」に関わってくるからです。市街化調整区域は、価格が魅力的に見えても、建て替えや売却に条件がつくケースがあります。「あとで知って困る」ことが起きやすい部分なので、検討の初期段階で、つくミルの「都市計画・規制」マップで確認しておくと安心です。

駅からの距離、どこまで許容できる?


「駅徒歩5分以内」、長くとも「10分以内」

つくばは車社会の側面が強く、「暮らしやすさ」だけで言えば、駅から少し離れても車で生活は十分回ります。ただ、「資産性」という目線だけで見ると、話は少しシビアになります。
一つの目安として、マンションで資産性が担保されやすいのは「駅徒歩5分以内」、長くとも「10分以内」と言われます。駅から近いほど「将来買う人・借りる人」の母数が厚く、中古市場でも値が付きやすいからです。逆に徒歩10分を超えてくると、価格は抑えやすくなる一方で、出口(売却・賃貸)の説得力は弱まりがちです。
注意したいのは、つくばでこの「徒歩5分以内」のマンションは、つくば駅や研究学園駅でさえ、ごく一部に限られるということです。TX沿線は駅周辺でも区画がゆったりしていて、「駅のすぐ目の前にマンションが建ち並ぶ」という都心型の街ではありません。だから「駅近マンション」という物件はそもそも希少で、出てくると人気が集中しやすい傾向があります。
資産性を重んじるなら駅近の一部物件を狙う、広さや価格を重んじるなら少し距離を許容する。「自分たちはどこまで許容できるか」を夫婦で話しておくと、物件選びの軸がブレません

これから街はどう変わる?

TX沿線への子育て世代の流入が大きく、人口増加率は全国の市の中でも上位

資産性を考えるうえで最後に大事なのが、「この街はこれからどう変わるか」です。まず人口から見ると、つくば市は市制施行以来人口が増え続けており、2026年6月現在では26万3千人を超えました。とくにTX沿線への子育て世代の流入が大きく、人口増加率は全国の市の中でも上位に入る水準です。ただし市の見通しでは、2035年ごろをピークに、その後は緩やかに減少へ転じるとされています。「今は伸びているが、ずっと右肩上がりとは限らない」という前提は、頭の片隅に置いておきたいところです。
資産性の「実績」として、駅周辺の地価の動きも見ておきましょう。あくまで公的な地価データ(公示地価・基準地価)の参考値で、個別物件の値段そのものではありませんが、街の勢いを見る目安にはなります。

研究学園駅周辺:住宅地の公示地価は坪単価でおおむね60万円台、前年比は+10~13%前後と、つくば市平均(住宅地でおおむね+4~6%台)を明らかに上回る水準。商業地を含めるとさらに高い上昇率の地点もあります。
つくば駅周辺:基準地価の前年比はおおむね+7%台。上昇は続いているものの、伸び率だけ見れば、ここ数年は研究学園駅周辺のほうが勢いが強い局面です。
(※数値は調査主体・地点・住宅地か商業地かで変わります。出典は文末にまとめました。)
この「上昇が続いてきた」という事実は、資産性を考えるうえで心強い材料です。ただし「過去がうまくいった」ことは「今後も同じペースで上がる」保証ではないので、そこは冷静に見たいところです。
その上で、つくばではいま、TX沿線を中心に大きな開発・整備が動いています。代表的なものをいくつか挙げてみます。

研究学園駅周辺の「学園南プロジェクト」:約15万㎡規模の大規模新街区で、大和ハウスによる分譲マンション「プレミストつくば研究学園」(総戸数602戸、つくば市最大級)などが進んでいます。
学園の森・研究学園エリアの商業施設:イオンの新業態「そよらつくば学園の森」が2026年10月に開業予定。コストコ近くのエリアで、日常の買い物環境がさらに充実しそうです。
つくば駅近く「70街区」(吾妻地区の国家公務員宿舎跡地、約5ヘクタール):大和ハウスが開発を担い、住宅(約570戸規模とされる)と研究・イノベーション拠点を一体整備。つくば市中心部の「最後の大規模街区」とされ、2033年ごろの完成を目指す計画です。
吾妻地区の筑波大学:職員宿舎跡地(約3.3万㎡、つくば駅徒歩約7分)に、大学と企業の共同研究拠点「IMAGINE THE FUTURE. Forum」を整備。学生・地域・企業がつながる「未来社会デザイン棟」もオープンし、学園都市の中心部がさらに更新されていく見込みです。

こうして並べると、開発の中心がつくば駅・研究学園駅を中心としたエリアに集まっていることが見えてきます。こういった「街の運営主体がいるエリア」は、生活利便性や雇用・人の流れが続きやすく、資産性の面でも需要が剥がれにくい傾向があります。移住してくる人の多くが求める「子育て・通勤・研究環境」といったニーズと、これらの開発の方向は重なりやすいと思います。
ただし、開発計画は「計画」であって約束ではなく、完成時期や中身が変わることもあります。「こうなるはず」と断定して買うのは危ういので、あくまで判断材料のひとつとして読むのが安全だと思います。エリアで言えば、研究学園・吾妻・竹園などはそれぞれ性格が違います。個別のエリア記事でも触れていますので、気になる街があればそちらも読んでみてください。
■ 関連記事(エリア別)
エリアごとの特徴や資産性の見方は、個別の記事でも書いています。気になる街があればあわせてどうぞ。
竹園 研究学園 小野崎 吾妻 春風台 みどりの

私たちの場合:暮らしを軸に選んだら、資産性もついてきた
私たち夫婦は、資産性を一番上には置きませんでした。優先したのは、お金に縛られない暮らしです。週に一度の外食、年に1~2回の旅行、どちらかが働けなくなっても回る家計、ローンは手取りの25%以下。ただその上で、「この街は将来も人が選ぶか」という資産性のチェックも、サボらずにかけました。
結果として、あとから査定を受けたときには購入時より高めの評価がついていました。もちろんこれは結果論で、誰もが同じになるとは限りません。でも、「自分たちの暮らしを軸にしつつ、資産性もしっかり考える」という選び方は、暮らしと資産のどちらかを諦める必要がない。それが、実際に家を買った一人の当事者としての実感です。

第2回のまとめ


今回は、つくばで「暮らし方・生き方」を大切にしながら、資産性もちゃんと狙うための見方を整理しました。ポイントを振り返ると、次のとおりです。
⒈資産性は「暮らしと切り離した数字」ではなく、「自分たちの暮らしやすさを、他人の目線でも検算してみるチェック」。「住みたい街」と「売れる・貸せる街」は多く重なる
⒉見る「基準」はマンションと戸建てで違う。マンションは「立地・管理・ブランド」の掛け算戸建ては「土地そのものの安心(市街化区域・再建築・ハザード)」を見る。
⒊駅からの距離は、資産性を重んじるなら「徒歩5分以内(長くとも10分)」が一つの目安。ただしつくばではそうした物件はそもそも希少。
⒋街の将来は、人口動向とTX沿線の開発(学園南プロジェクト、そよらつくば学園の森、つくば駅70街区、筑波大の拠点など)から読む。ただし「計画は約束ではない」という前提も忘れない。

資産性と暮らしやすさは、どちらかを諦めるものではなく、「暮らしを軸にしつつ、よく調べて検討する」だけで両立しやすくなる。それが、実際につくばで家を買った一人の当事者としての結論です。

ご相談について

お住まいに関する不安・悩み・疑問etc.どのようなことでもお話ください

「資産性と暮らしやすさのバランスで迷っている」「戸建てとマンションで迷っている」という方がいたら、よかったらコメントで教えてください。どのエリアで迷っているか、何を一番大事にしたいかを教えていただければ、同じように迷った当事者の立場から、考え方の整理を一緒にお手伝いします。

次回は第3回「安心・教育」。地震・民度・学区・商業施設など、暮らしの安心に直結するテーマを書きます。

■ 参考文献・出典
本記事の人口・地価・開発計画に関する記述は、主に以下の公的・一次情報を参考にしています(閲覧時点の情報で、最新状況と異なる場合があります)。数値は調査主体・地点・年次によって異なります。
・つくば市「TX沿線開発地区」(各地区の概要・計画人口)

・つくば市公式ウェブサイト(人口・戦略プラン・都市計画など)

・地価データ:国土交通省「地価公示」・都道府県「地価調査(基準地価)」およびそれらを集計した地価情報サイトを参照。公示地価・基準地価は国土交通省「不動産情報ライブラリ」でも確認できます。

・各開発プロジェクトの公式発表:学園南プロジェクト・プレミストつくば研究学園・つくば駅70街区(大和ハウス工業)、そよらつくば学園の森(イオンリテール)、IMAGINE THE FUTURE. Forum・未来社会デザイン棟(筑波大学)などのプレスリリース・公式サイト。

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