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「熟柿」を読んで。

noteの"読書の秋2025"というタグに惹かれ、
これまでちょこちょこと、
お気に入りの数冊をおすすめしてきました。

【「そして誰もいなくなった」の記事】
【「人間標本」の記事】



今日は、企画の"推薦図書"でもあった、
「熟柿」[佐藤正午 著/KADOKAWA]
感想をまとめたいと思います。



まず、装丁からですかね。

"柿"に目を引かれました。

「柿の季節だなぁ。」という風に、
果物の柿をひとつ手に取るようにして、
この本をレジまで持って行った感じです。


大体のあらすじや、
Web上のレビューを読んでから
本を買うことが多い私は、
こちらの「熟柿」についても、
リサーチはしていました。


そこからの「読みたい」という思いと、
この柿の装丁に、
購入意欲を掻き立てられたというのが
正しいかもしれません。



その効果は絶大だったようで、
休憩中にコーヒーお供にページをめくると、
読む手が止まらず…、

数時間で読み終えてしまいました。



とにかく、

「主人公が早くどうにか落ち着いてほしい!」

その一心で読み進めたんです。




主人公の"かおり"さんね、

"常識"をお持ちの女性なんですが、

ある夜の運転中、
取り返しのつかない事故を起こすんですよ。


ハンズフリー機能のない車なのか、
雨で見通しの悪い中、
かかってきた電話をとるんですよね。


「うそやん…。」という、
本当に危なっかしいシーンで、
ハラハラさせられましたが、
やはり筋書きどおりに、
事故は起こってしまいます。

色んな意味で、
「そりゃ起こすよ…。」でしたが…。



そうして、あれよあれよと、
何もかもが崩れていく…という様子が、
描かれている作品なんです。


それが、何ていうか、

「リアル…」という印象を受けました。

"かおり"さんの思考である、
「わたし」という一人称で
物語が進む訳ですが、


言い回しが長く、
時々読みづらく感じたところも、
行く先々で出会う人々に対しての感情も、
「これが"かおり"さんの世界か…。」
と思わせられ、
気持ちがずーん…と重くなりました。


中盤からは特に、
"かおり"さんにすごく共感…というか、
"わたし"が一体化してしまったというか、
非常に胸がざわざわし始め、苦しくて、
一気に読み終えたくなったんです。


そして、
気づけば涙ぼろぼろ…でしたね。



物語の余韻をじぃっ…と感じながら、
これを書いています。



実は私、

柿は硬め派!熟柿は苦手!なのですが、
(何の話や。)

「気長に待つ」という言葉としての"熟柿"は、
好きだと感じました。

自分にとっての“熟柿”について、
ふと考えたくなる、
そんな一冊でもありました。


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