見出し画像

ゆうあいクリニック発:本業とあまり関係ないコラム<現代に求められる「新しい」リテラシー>

 「リテラシー」という言葉をしばしば耳にします。元々は読んで字のごとく「識字」のことだったと思われますが、のちに転じて、一般的には「なんらかの分野で用いられている記述体系を理解し、整理し、活用する能力」を呼ぶようにもなっているように思います。現代的なものでは、「メディアリテラシー」「ネットリテラシー」「情報リテラシー」といった、ネット社会を中心にした概念や、「ヘルスリテラシー」「統計リテラシー」といった、ヒトや集団の心身の健康を扱ったもの、さらには「金融リテラシー」といった、大事なお金についてのリテラシーも忘れてはいけません。
 
私自身は、これらのリテラシーに関する正しい理解が現代人の安全で幸福な生活に必要不可欠なものであると確信していますし、場合によっては小中学校の勉強より優先順位が高いものではないか、と考えるようになってきています。私は個人的には以下の3つのリテラシーが最重要だと考えています。
 
1・ネットリテラシー
スマホ登場以来、いうまでもなく現代はネットの時代です。ちょっと分からないことがあれば「ググって(Googleを使って検索して)」調べる人が多いように思います。しかし、古いことわざですが、「タダほど高いものはない」といいます。ググって上位に表示されるためには、一般にお金を使った広告やSEO(検索エンジン最適化技術)が必要です。極論すれば、最初に出てきた情報は、「お金で買われた」情報かも知れません。無批判に信じ込んで良いものでしょうか?
 
2・金融リテラシー
 振り込め詐欺などの特殊詐欺が後を絶ちません、また、詐欺とまで言えないかもしれませんが、相続や贈与に際して、不動産絡みの不利益な取引に巻き込まれたという話もよく聞きます。
 また、日本人は保険好きです。「保険=貯蓄」と思っている方も多いです。複雑な金融理論によって組み立てられた金融商品もありますが、その仕組みとリスクを説明できる方がどれだけいらっしゃるのでしょうか?またこんなに医療制度が充実している日本で、あまりに多くの医療保険が売られているのも不思議でなりません。ある高齢の方ががんで1回100万円の高価な薬剤を外来で毎週注射していましたが、合計数千万円の医療費に対して、高額療養費の委任払い制度によって、ご自身では月1万数千円を数ヶ月払っただけでした。今はすっかりお元気です。医療保険は、入院時の差額ベッド代、高度先進医療、入院時の家族の生活費など、目的がはっきりしたものがいいですね。
 ちなみに我が家では健康保険や年金保険といった公的保険以外では、地震保険、火災保険、自動車保険にしか加入していません。
 
3・ヘルスリテラシー
 もちろん今日の本題はここです。前回も書きましたが、日本全体で死亡者数が高齢者を中心に約1000人(8月14日現在)である新型コロナウイルスには、現在のところ画期的な治療法もワクチンもありません。一方子宮頸がん(HPV)ワクチンは日本を含む多くの先進国では公費で接種できますし、予防効果はかなり大きいことが分かっています。諸外国で70~90%の接種率であるのに対し、日本では副反応に関する誤解のせいで0.3%ときわめて低値にとどまっており、毎年3000人の方、それも多くは若いお母さんが亡くなっています、ですからこの病気は「マザーキラー」と呼ばれるのです。命は助かっても子宮を失う方が毎年10000人を下回りません。
 ワクチンがまだないけれど死亡率は低い病気を怖がる一方、公費でワクチンを打てるのにそれは打たずにその数倍の若い方が亡くなってゆくわが国の現状をどう考えたら良いのでしょうか?
 我が家には4人の男児がいますが、それぞれ大学生になったタイミングに自費でHPVワクチンを接種しようと考えています。
※参考文献 「10万個の子宮」村中璃子

がんといわれたあなたのために
https://pet-yuai.com

検診PET-CTのごあんないはこちら
https://www.shinyokohama.jp

いいなと思ったら応援しよう!