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坂井市が「住みたい田舎」全国3位。2年住んだわたしの正直な感想

わたしが住んでる坂井市が、住みたい田舎ランキングで全国3位に選ばれたらしい。選ばれたのは2月のことで、知ったのはつい最近。今さら感はあるけど、移住した当事者の目線で書いてみようと思った。

「田舎暮らしの本」がやってる「住みたい田舎ベストランキング」の2026年版で、北陸エリア第1位、人口5万〜10万人未満の市 全国第3位。そのニュースを見たとき、最初に思ったんは「え、ここが?」やった。

失礼やろ、わたし。住んでる本人やのに。

でも、正直な反応がそれやった。


ランキングの話、ちょっとだけ

宝島社が発行する「田舎暮らしの本」っていう雑誌が毎年やってる、全国の自治体を対象にしたランキング。全国の自治体を対象にしたランキング。2026年版は第14回目で、移住関係の施策や生活環境、子育て支援などをもとに順位を出してる。

移住を考えてる人にとっては、かなり参考になる指標らしい。わたしが移住を決めたときはこのランキングを知らんかったけど、今思えば「あ、ちゃんとしたとこやったんや」ってなってる。後から気づくやつ。

記事によると、坂井市の移住者数はわずか5年で3倍になったらしい。しかもその約7割が、坂井市に縁もゆかりもないIターンの子育て世帯やねんて。

子育て世帯が選ぶ、か。

わたしは子どもおらんし、子育て支援にはピンとけーへん部分もある。でも、縁もゆかりもない土地をあえて選ぶ、っていう感覚はめっちゃわかる。わたしも大阪から、知り合い一人もおらんとこに来た。知ってるものが何もない土地に、それでも来た。

なんとかなる、って思えたから来られた。

北陸新幹線の延伸で東京まで約3時間になったんも、大きいと思う。「遠い」が「遠くない」になると、心理的なハードルがぐっと下がる。わたしは東京に用事はほとんどないけど、全国的な認知度が上がることで、まちの雰囲気もなんか変わってきてる気がしてる。

そういうことを思いながら、じゃあ実際に住んでみてどうなん?って話を書いていく。

↓詳しい話はこっちの記事にも書いてるから、よかったら合わせて読んでみてほしい。

物件のリアル。昭和56年建築、申込金1万円で笑った話

坂井市に移住するにあたって、物件を現金一括で買った。

昭和56年に建てられたの築古一戸建て。購入価格は1,000万円ちょっと。大阪の感覚で言うと「え、それで一軒家が買えるん?」ってなる価格帯やけど、坂井市ではそれが普通に現実的な話になる。

決め手は3つ。物件の価格と、静けさと、なんとなくの直感。

「直感」っていうんは、内覧したときに「ここならいける気がする」っていう根拠のない確信のことやねん。理屈で説明できひんけど、そういう感覚はわりと信頼してる。

で、正直に言うと、内覧のとき自分がまさか即決するとは思ってなかったから、現金をそんなに持って行ってなかった。でも内覧した瞬間に「ここにしよ」ってなった。

申込金の話を不動産屋さんにしたら、「1万円でいいですよ」って言われた。

1万円。

笑った。そんなんでいいんや、ってなった。大阪の不動産の感覚とは、だいぶ違う世界やった。

建築が昭和56年やから、気になる人は気になる年代の物件やと思う。リフォーム済みやったんもあって、今んとこ大きな問題は出てへん。もちろん基礎や構造自体は築古やから、いつ何が起きるかはわからん。でも「買ってよかった」っていう感覚は、2年経った今も変わってへん。

↓物件を探した経緯や、買うまでの詳しい話はこっちに書いてる。

季節のリアル。秋が、特に好き

秋の直売が、楽しみすぎる

坂井市の秋は、直売所がたのしい。ぶどう・梨・柿がシーズンを迎えて、あちこちで直売が始まる。

梨と柿は特にお手頃で、わたしがいつも行く直売所では、大きい梨が5個入って1,000円。柿は1.8kgで500円。

5個で1,000円。1.8kgで500円。

大阪のスーパーでこの価格は、まず見ーひん。最初に聞いたとき、聞き間違えたかと思った。それくらいの衝撃やった。旬のものを旬の時期に、旬の場所で買う。こんなにシンプルなことが、こんなに豊かやとは思ってへんかった。

スーパーに行ったら、野菜や果物が季節ごとに入れ替わってる。旬のものを選ぶたびに「ああ、季節が変わったんやな」って気づく。カレンダーじゃなくて、野菜で季節を知る生活になってきてる。

冬だけ、ファッションが死ぬ

移住前の自分に絶対教えておきたいことがひとつある。

冬はマキシスカートもワイドパンツも履かれへん。長靴がメインになる。おしゃれより実用が優先される日が、確実に来る。「北陸の冬でもおしゃれしたい」っていう気持ちは、一冬経験したらそっと心の引き出しにしまうことになる。これは体験してみんとわからん話やった。

食のリアル。新発見と、ひとつだけある不満

岡惣のはんぺんが、美味しい

スーパーで買った岡惣のはんぺん。冷めてても十分美味しい

福井では、練り天ぷらのことを「はんぺん」って言うらしい。関西や関東でいう「はんぺん」とは全然別物で、最初は混乱した。

岡惣かまぼこ店のはんぺんが、ほんまに美味しくて。わたしはスーパーで冷めたやつを買ってるけど、【道の駅みくに】に行くと揚げたてが食べられる。揚げたてのほうが当然おいしいんやけど、冷めたやつでも十分すぎるくらいおいしい。気づいたら定期的に買うものになってた。

移住してから「これは福井に来てよかった」と思ったものを挙げるとしたら、はんぺんは確実にランクインする。

あと、カールが買えへん

食まわりのしんどいとこはココにいろいろ書いたけど、この記事で追加するとしたらこれ。

カールが買えへん。

2017年に東日本では販売終了になって、西日本でしか買えんくなったあのカール。大阪のころは当たり前のようにどこでも買えてたんやけど、福井は東日本エリアに含まれるから売ってへん。

しょうもない、って思うかもしれへん。でも「食べたいな」と思ったときに手に入らへんのは、じわじわくる。誰かが来るときに「カール買ってきて」って言うんが、定番になってもーた。

車は「あったほうがいい」じゃなくて「ないと詰む」

移住前、「車がないと不便」とは聞いてた。でも実際に住んでみて、「不便」っていう言葉じゃ全然足りひんと思った。

近所のスーパーへの買い物以外は、ほぼ全部車がいる。電車とバスを使ったら行けへんことはないけど、本数が少ないから行動が制限されるし、長時間の待ちが発生する。「不便やな」じゃなくて、そもそも行動の選択肢が車なしやと存在せーへん、っていう感覚に近い。

車を運転できるようになってから行けるようになった場所が、山ほどある。富山方面、若狭方面には高速を使って行くようになったし、この前は大分のくじゅうまで高速で遠征した。

↓その話はこっち。

くじゅう、福井から遠いねん。でも「車があるから行ける」っていう選択肢が増えたことで、移住生活の行動範囲が全然変わった。

車検でお世話になってるお店の話も書いておきたい。

車のことが全然わからんわたしに、点検の結果を2種類に分けて説明してくれる。「これは絶対にやったほうがいいこと」と、「お金に余裕があればやったほうがいいこと」。それだけやねんけど、この説明の仕方がめちゃくちゃありがたい。「全部必要です」って言われたら困るけど、優先順位を教えてもらえたら自分で判断できる。知識のない人間への向き合い方が丁寧なお店は、本当に信頼できる。

「車がなくても生活はできる」は、たぶんほんまのことやと思う。でも「快適に・行きたいところに・行きたいときに行く」生活をしたいなら、車は必須。春江エリアなら商業施設が集まってるから自転車でもなんとかなるかもしれへんけど、それ以外のエリアに住むなら、車の有無は移住前に真剣に考えておいたほうがいい。

↓運転を再開するまでの経緯は、こっちの記事で詳しく書いてる。

地域コミュニティのリアル

町内会には入ってる。

近所の人とは、会ったら挨拶する程度の関係性。それ以上でも以下でもない。移住者として特別扱いされたとか、よそ者として冷たくされたとか、そういう経験は今のところない。普通に、ご近所さんとして接してもらってる。

コミュニティのきっかけになってるんは、ハルの散歩やった。

ご近所さんとのつながりを作ってくれてる立役者

犬を飼ってる家の人とは、散歩でよく会う。立ち話したり、お裾分けしてもらったり、こっちから渡したり。犬がおるっていうだけで、自然とつながりができる。わたしみたいな移住者でも、ハルがおるからコミュニティへの入り口ができてる。

ゴミ出しや掃除については、大阪とそんなに変われへん。むしろゴミ収集所は大阪より断然キレイで、地域の清掃活動は年に2回。「田舎は地域のつきあいが大変そう」っていうイメージがあったけど、今のところそんなことはなかった。

生活費のリアル

大阪に住んでたころは、仕事帰りにスイーツを買ったり、なんとなく飲み物を買ったり、いわゆるラテマネーに結構使ってた。気づいたら月にそれなりの金額になってた。

移住してからは、ほとんど家におるってこともあって、「必要なものを買いに行く」っていう行動パターンになった。ふらっと立ち寄って気づいたら買ってた、がほぼなくなった。街をぷらぷらして誘惑に負ける機会が、物理的に減ってん。結果として、無駄な出費が自然と減った。

光熱費は、水道代が大阪より高い。ただこれは、大阪の水道代が全国的に見てもかなり安いからやと思う。電気代はオール電化にしてるけど、思ったほど上がった感覚はない。

新たにかかった出費は、灯油代と車関係の費用。灯油は一冬でだいたい4万円ほど。大阪では灯油ストーブを使う習慣がなかったから、これは移住後に追加された出費やねん。車関係の保険やガソリン代も、大阪に住んでたころにはかかってへんかった費用。

全体的に見ると、ラテマネーが消えたぶんと車・灯油の出費がだいたいトントン。「田舎は生活費が安い」は半分正解で、半分は「かかるものが変わる」っていう話やと思う。

無職・在宅で暮らすリアル

収入源は、公的給付と貯金。それとたまーにする、超少額のFX。

在宅でnoteを書いたり、デザインを学んだり、クラウドソーシングに励んだり、そういうことをしながら毎日を過ごしてる。「在宅ワーク中」とも言えへん、「完全な無職」とも少し違う、そのグレーゾーンにおる。

困るのは、ご近所さんに「お仕事は何されてるんですか?」って聞かれる場面やった。

「無職です」とは言いづらくて、「在宅で…」って濁す。そのあと話が続かへんくて、ちょっと気まずくなる。都会やと「無職です」って言っても「あ、そうなんですね」で終わることが多いけど、近所付き合いがある環境やと、そうはいかんこともある。無職っていう引け目は、田舎のほうが感じやすいかもしれへん。

作業する場所については、近くにコワーキングスペースはあるけど、HPを見たかぎりどうも雰囲気が好みちゃうくて、まだ行ってへん。長時間落ち着いて作業できるカフェも、今のところ見つけられてへん。マクドはある。

一番使えてるんは、図書館。キレイで、Wi-Fiが使えて、静かで、無料。黙々と作業するだけやったら図書館が正解やと思ってる。

こういうまちが3位になる時代、きてるんかも

でもな、と思う部分もある。

移住って、昔は「よっぽど決意した人がするもの」やったんちゃうかな。それがいま、子育て世帯が普通に選ぶ選択肢になってきてる。縁もゆかりもない土地に、若い世代がどんどん来てる。

それって、「住む場所」の価値観が変わってきてるってことやと思う。都会じゃないとあかん理由が、少しずつなくなってきてる。

わたしみたいなアラフィフ無職でも来られたんやから、たぶんなんとかなる。

「坂井市、何点?」って聞かれたら、72点と答える。無職っていう引け目があると「在宅で…」と濁さなあかん場面があること、大阪で慣れ親しんだ味が手に入らへんこと。551の豚まんとか大阪のいか焼き、喜八洲のみたらし団子が食べたくなる瞬間は、確実にある。カールも買えへん。笑えるくらいしょうもない理由やけど、ほんまのことやねん。でもそれは、坂井市が悪いわけじゃなくて、地方であればどこでも同じ話やと思ってる。

全国3位のまちに住んでる実感は、今も薄い。でも、ここで暮らして「よかった」と思える日が確かに積み重なってきてる。せかせかしてない空気と、人の優しさと、秋の直売所のフルーツと、10分で行ける東尋坊と。

72点でいい、とは思ってへん。完璧じゃないからこそ、工夫する。ないもんは別の何かで補う。そうやって自分なりの100点に近づけていくんが、移住生活の醍醐味なんやと思う。知らんけど笑

まとめ:この記事のポイント

※関西弁が読みにくい方向けの要約です

  • 坂井市は2026年版「住みたい田舎ベストランキング」で北陸エリア第1位・全国第3位に選ばれた。移住者数は5年で3倍、縁もゆかりもないIターンの子育て世帯が約7割を占める

  • 築昭和56年の一戸建てを現金一括1,000万円台で購入。内覧で即決し、手付金は1万円だった

  • 秋の直売所では大きな梨が5個1,000円、柿が1.8kgで500円など、都市部では考えられない価格で旬の食材が手に入る

  • 岡惣かまぼこ店の練り天ぷら(福井では「はんぺん」と呼ぶ)は移住後に出会った一押しの食べ物。道の駅みくにでは揚げたてが食べられる

  • 食まわりで唯一困っているのはカールが東日本エリアのため購入できないこと

  • 車は「あったほうがいい」ではなく「ないと行動範囲がほぼ近所だけになる」が正確。公共交通機関は本数が少なく行動を制限される

  • 地域コミュニティは犬の散歩をきっかけにつながりやすく、町内会や清掃活動の負担も想定より少なかった

  • 生活費はラテマネーが自然と減る一方、灯油代・車関係費用が新たに発生しトータルはほぼ横ばい

  • 無職・在宅の暮らしでは「仕事は?」に答えにくい場面がある。作業場所は図書館のWi-Fiが実用的

  • 移住2年の総合評価は72点。せかせかしない空気・人の優しさ・食の豊かさがプラス、無職の引け目と大阪の味が恋しいことがマイナス


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