見出し画像

警察にとってストーカー事案の加害者は逮捕前、警告を出す前でも犯罪者と同じ――当事者と警察とのズレ――池袋サンシャインシティ・ポケモンセンター女性店員刺殺事件

4月1日に配信した記事ですが、内容がかなり強烈だったため、あまり評判がよくありません。

問題になったと思われる個所はいくつかあるのですが、なかでもこの部分が一番の原因だろうなと思っています。

以下、その箇所を引用します。

警察は一度でも逮捕された人間を、対等な人間としては扱いません。

その瞬間から犯罪者であり、何をしても許される相手として扱います。

人間ではない何かに変わるんです。

人生を破壊しようが、破滅させようが、逮捕されて再就職先がなく、再犯して刑務所と娑婆を行き来する重犯罪者になろうが、知ったこっちゃないんです。

点数稼ぎのために前科前歴がある人間を逮捕して、自分の昇進や昇任を有利にしようとするような警察官も、ごく普通にいます。

ストーカー事件のような繊細な対応が求められる、通常の犯罪とは異なるような問題だろうが関係ありません。

生活安全部のストーカー担当に配置されている警察官は、別にそれが専門というわけではなく、刑事部をはじめ、他部署からの異動で回されてきた人間も普通にいるからです(なお生活安全課は刑事課で失態を犯した警察官の左遷先でもあったりします)。

警視庁生活安全部と八王子警察署は、警察業務を平常運転させて、銃刀法違反で再逮捕して、彼女と交際時に同意の上で撮影したと思われる性的姿態撮影処罰法でも再逮捕して、ほぼ全ての犯罪者に対して行うのと同じように、男性の人生を徹底的に破壊した。

上記の記事より引用

一応、『生活安全部のストーカー担当に配置されている警察官は、別にそれが専門というわけではなく、刑事部をはじめ、他部署からの異動で回されてきた人間も普通にいるからです(なお生活安全課は刑事課で失態を犯した警察官の左遷先でもあったりします)』と断りを入れてあるので、意味は伝わるとは思ったのですが、伝わらない人が多いですよね。

警察って、当たり前ですが、治安機関なんです。

犯罪を取り締まるお役所です。

だから警察官が相手にしているのは、一部の部署を除けば、原則として真正の犯罪者なんです。

犯罪の常習犯、どれだけ言っても盗みをやめない人間、粗暴ですぐにかっとなって他人を殴る人間、口先で人を騙す詐欺師、女性たちを使って管理売春している反社の人間……などなど。

真正の犯罪者というのは、100%だとは言いませんが、その多くが、一般人とは異なる価値観を持っています。

彼らなりの独特の価値観で生活しているため、話し合いをしようとしても、本当に、まともな話が通用しません。

多分、普通の人がそういった人達ばかりに囲まれて生活しようとしたら、数日間で音を上げるでしょう。

警察官は、警察官採用試験に合格して警察学校を卒業した普通の人間です。

中には一時的にぐれていて、不良をしていて、上述のような人たちと接触できる立場にいたという方もいるでしょうが、今に関しては、そのような経歴で警察官になった人は稀でしょう。

そんな人間と毎日接していたらどうなると思いますか?

暴力団対策担当の警察官が、服装も身なりも言動も暴力団風になる、というのは有名で、ネタとして扱われていたりもしますが(ちなみにこうした現象は事実です)、相手が暴力団で、舐められたら終わりということもありますが、溶け込まないと仕事にならないから、というのもあるのでしょう。

実際に警察の人事異動を見たことがある人ならわかると思いますが、刑事部・刑事課に配属されたらずっと刑事部や刑事課のポストを異動するのでなく、警務部や生活安全部など、他部署にもごく普通に異動します。

ストーカー事件を担当している警察官は、決して、ストーカー問題の専門家ではない、ということです。

要するに『警察は一度でも逮捕された人間を、対等な人間としては扱いません』、『その瞬間から犯罪者であり、何をしても許される相手として扱います』、『人間ではない何かに変わるんです』、『人生を破壊しようが、破滅させようが、逮捕されて再就職先がなく、再犯して刑務所と娑婆を行き来する重犯罪者になろうが、知ったこっちゃないんです』というのは、そういった本物の犯罪者を相手にした時の、警察の平時の対応の話なんです。

強盗犯や窃盗犯、組織犯罪をしている反社勢力を相手にした際の話であれば、多少の滅茶も仕方のない面があり、誰しもが目を瞑っているグレーゾーンの話ですが、一般市民を相手にした時に、これと同じノリでやられたらなにが起きるのか?という話です。

実際にストーカー扱いされて出頭したら、警察官は相手の言い分を一方的に信じ込んでいて、お前はストーカーだ、やったことを認めろと高圧的に態度を取られ、誓約書を書くまで家に帰さないからなとまるでヤクザのように恫喝してきた、といった不満や怒りの声を聞いたことがあると思います。

これは他部署にいて犯罪者を相手にしていた時と同じノリ、同じ対処法で、ストーカー扱いされた人に接しているために起きることなんです。

無論、当たり外れも大きいので、いい警察官に当たった場合にはきちんとした対処をして貰えますが、そうじゃなかった時が悲惨です。

思いっきり一番悪い方向でやりきってしまったのが、池袋サンシャインシティ・ポケモンセンター女性店員刺殺事件の前に発生していた、男性に対する逮捕事件だったのです。

最初に逮捕した事件で十分な証拠が集まらない場合、勾留期限を延ばすために再逮捕することは、通常の事件であれば、よくあることです。

しかし、これを初めて被害相談を受けた日で、まだ相手の男性からの言い分も聞かず被害内容の全容をさっぱり掴めてもいない段階で、相談者を自宅まで送った際、相手の男性が自宅近くで女性を待っていたという理由でいきなり逮捕した、などというケースでやったらどうなるでしょうか?

何が起きていたのか容易に想像がつくんです。

いきなり逮捕した手前、その逮捕に正当性があるだけの材料が集まらないと、警察にとっては非常に都合が悪いわけです。

だから必死になって逮捕を正当化するのに必要な証拠を集める。

ところがそれが集まらなかったから、性的姿態撮影等処罰法で別件逮捕して勾留期間を伸ばした。

通常の事件捜査なら理解できます。

ですが、いきなり逮捕したから証拠が揃わないというので、スマホに残っていた過去の動画を材料に再逮捕なんてしますか?

しかも性的姿態撮影等処罰法で逮捕されれば、性犯罪に該当するため、逮捕歴と前科がつくことによる不利益は著しく甚大です。

なぜ警察官が逮捕したことによって生ずるマイナスを打ち消すために、警察の組織防衛のためでもあるわけですが、別件逮捕による不利益を男性側が負わなければならないのでしょうか?

逮捕したものの十分な証拠が集まらなければ、逮捕した警察官は人事異動で左遷されるなりして責任を取らされるのでしょうが(聞くところによると上司にもその責任が及ぶそうですが)、それは当然の報いです。

それが嫌だから別件逮捕でも、性犯罪での逮捕でもなんでもやる。

あえて事件名は出しませんが、この「証拠も揃ってない段階で逮捕してしまったため、警察と検察が困ってしまい、そのことを隠しつつ被疑者になった相手に気づかれないよう、略式起訴に応じるように執拗に勧め、相手を上手いこと騙して応じさせて、警察の失態を隠蔽した」といわれている、一部で有名なケースが脳裏をよぎります。

まさか警視庁でもこれをやるとは思いませんでしたが。

結果、男性は海上自衛隊の内定が事実上、取り消しとなり、人生に絶望して、拡大自殺に踏み切ってしまった。

警察が、男性が海上自衛隊への内定が決まっていて、逮捕されると取り消しになる状態にあって、対応を誤れば、男性の内定が取り消されて、被害者の女性が恨まれ、報復殺人が起きる危険性を認識できていたとしたら、いきなり逮捕するようなことはしていなかったはずです。

また、男性が昨年末に逮捕された際、その後の取り調べで「自殺を考えていた」、「周りを巻き込んで死ぬことを考えてしまう」、「1人では死ねない」という供述をしていたとの報道も出ています。

警視庁も「なかなか悪質だな」と呆れてしまいます。

本当に被疑者に自傷他害のおそれがあると考えられる場合、警察はごく普通に精神病院に入院させます

確か、実際にこの措置で入院させられた人の例を、NHKかどこかで取り上げて、再現VTRと共に放送していたこともありますので、ご存知の方もいらっしゃるでしょう。

もし取調官が男性とのやりとりで言動に異常性や精神的に不安定だと感じ、実際に自殺をする恐れがある、周囲を巻き込んだ拡大自殺を図る恐れがあると判断したのであれば、精神病院への入院に必要な手続きに入っています。

周囲を巻き込んで拡大自殺する危険性を持った人間を釈放して野放しにするほど、大勢の人間を相手にしてきており、様々なケースに対応してきた蓄積のある警視庁なら絶対にしません。

ところが現実にはそうなってはおらず、1月30日に保釈されています。

「自殺を考えていた」、「周りを巻き込んで死ぬことを考えてしまう」、「1人では死ねない」という話は、取り調べの際に世間話をするような形で話をしていた時に、ぽつぽつと男性の口から出てきた言葉に過ぎず、切迫感を伴った真剣み、深刻性を感じさせるものではなくて、単なる悩みごとの吐露程度のものに過ぎなかった、ということです。

自殺する為に果物ナイフをレンタカーにしのばせていたこと自体は事実だったとしても、少なくとも、取り調べの段階では、取調官が本当に危険だと認識するような強い感情ではなかった。

そんな危険性はなかった。

では、なぜ、この話が出てきたのか。

報道させた理由は、警察の一連の行動が拡大自殺を誘発させたとの批判をかわすためだったのでしょう。

男性がカウンセリングの受診を拒否したというのも、これはストーカー事件に対応として行われている定型でのやり取りに過ぎず、あくまでも、ストーカー加害者に対する治療とカウンセリングの話です。

少なくとも、この男性にはパーソナリティ障害やストーカーに特有の認知の歪みがあったわけではありません。

このケースは、状況的に、別れ話がもつれていただけと考えられるため、意味がありません。

そもそも、男性が拡大自殺を決意したのは、ストーカーだけでなく、性的姿態撮影等処罰法でも前科がつき、海上自衛隊への内定も実質的に取り消されてしまって、人生に絶望したことが引き金であって、明らかに警察が警告もなしにいきなり逮捕したことが原因となっています。

カウンセリングを受けていなかったから事件が起きたのだ、などとするのは見当違いも甚だしいです。

男性に関して情報が色々と出てきているわけですが、小中高校生時代はスポーツマンで学業も優秀、高身長で女子生徒らにモテていたと、ストーカーからは程遠い話ばかりで、ストーカー殺人と結びつくものがありません。

パーソナリティ障害の気があったという話も皆無です。

そのような障害があれば、学生時代に兆候が見られるため、同級生や上級生、下級生からの証言が出てくるはずですが、全く出てきません。

特に、自己愛性パーソナリティ障害は、フライングモンキーを駆使していじめの主犯格になったり、プライドの高さからくる異常行動や突飛な行動を取って周囲を唖然とさせたり、学生時代の時点で、必ず何らかの痕跡を残しますが、そういったものもない。

恐らくどれだけ探しても、何も見つからないでしょう。

理由は明白です。

別れ話がもつれていただけなのに、詳しい事情を男性側から一切聞いてもいない状態で、女性の話がどの程度の真実なのか、確かめることもできていない、問題の全容も掴めていない、男性が置かれている状況を全く知りもしない段階で、女性を送り届けたら、女性と会うために、女性宅付近で待っていたというただそれだけの理由で逮捕して、その逮捕を正当化するための時間稼ぎが必要だからという理由で、性的姿態撮影等処罰法違反で再逮捕までして性犯罪者の汚名まで着せて、内定が取り消されるような常軌を逸した行為を働いたから、拡大自殺が起きたというのが真相だからです。

最後に。

立憲民主党の小島智子議員が参議院内閣委員会でこの事件を取り上げ、カウンセリングや治療の義務化、GPSを装着させるべきだと質問したそうです。

赤間二郎国家公安委員長は慎重姿勢を崩さなかったそうですが、事件のことをまともに調べもせず、警察が誘発した可能性が高いことも理解もせず、世間ではGPSを装着しても防げない事件だった、という認識が広まっているのに、とんちんかんな質問をして、世論に受けると思い込んでいる。

カウンセリングに関しても、現在報道されている男性の話を聞く限り、ストーカーが拡大自殺に及んだという見解よりも、別れ話のもつれが、こじれにこじれた末に起きた拡大自殺、といった見方をする人が多いようなので、カウンセリングの義務化を必要だという意見は決して多くない。

立憲民主党は、どこまで行っても、世論からズレたことしかやらないのだなと、呆れて物も言えません。