F1をより深く観るためにー2025年24戦すべてのグランプリの詳細なガイドブック
本書は、F1オフィシャルHP、オフィシャル・プログラムガイドにも寄稿しているイギリス人ジャーナリストが書いた、まさに2025年F1観戦者ガイドだ。
2025年に行われる全てのグランプリの歴史、ドライバー・チーム関係者へのインタビュー、そして、F1の舞台裏までを垣間見せてくれる、非常にバランスの取れた良書だ。
24戦、全てのグランプリについて書かれているので、内容が薄ぺらではないか、思われるかもしれないが、グランプリごとに異なる視点から書かれているので、そのようには感じない。
さすが、プログラム・ガイドを書く著者だ。俯瞰した歴史から現在のドライバー、舞台裏まで迫る書き方は見事だ。
まさに要を得ていて、読み手をあきさせない。同じく文章を書いている端くれとしては、「うまいなぁ」と感心しながら読んでいた。
翻訳される予定があるかは分からない。英語なので、読むのを躊躇する方もいるかもしれない。しかし、難しい文章、単語、専門用語は全く出てこないので、大丈夫だ。
また、各グランプリごとに1章なので、1年かけて読めばいいと思えば、気が楽であろう。早く買わないとグランプリが進んでいくともったいない感じもする。
私は、F1についてはライトユーザーである。フェルスタッペンが毎レース勝つようになってから、ほとんど観なくなってしまった。ノリスの優勝もニュースで知った。
今年は、久しぶりにF1を観ようかなと思っていたら、本書が発売されていた。ちょうど良い刺激になり、観る気が高まった。オーストリアGPは、もちろんピアストリだ。そこから、話を他のスポーツに広げていく。著者の確かな腕前が披露されている。
また、本書は「索引」が充実している。この手の本では見たことがないぐらいで、驚いた。好きなドライバーのエピソードをたどるには絶好であろう。ちなみに、ハミルトンが最も言及され、フェルスタッペンが2位である。この二人が近年のF1史をいかにリードしてきたかが分かるだろう。
ただし、F1の技術系(マシンのデザイン等)の話は全くされていない。また、一つのチーム、ドライバーにフォーカスを当てた本ではないので、F1のヘビーユーザーの方には物足りないかもしれない。
最も、我々はとかくコースに注目して、まるでゲームを見ているようにF1を観戦している。また、国際映像配信もそのように見せたがっている。
しかし、各グランプリが、歴史や文化の違う国で行われていることを意識した方が楽しいではないだろうか。日本GPの章でも、書かれていることに違和感を感じなかった。むしろ、筆者の観察眼の確かさの方が際立っていた。他の国の考察でも同様だろう。
楽天KOBO版(2,648円)
