人間関係を「タテ」と「ヨコ」に分けて考える
人間関係はタテとヨコの2つに分けられる
人間関係はタテとヨコの2つに分けられます。
例えば婚姻関係にある両者は上下関係がない「ヨコの関係」の典型です。
親子関係や会社での上司と部下、部活での先輩と後輩は「タテの関係」
逆に、親子関係や会社での上司と部下、部活での先輩と後輩は「タテの関係」にあたります。
タテの関係には、それなりの必要性がある
しかし、「ヨコの関係=対等な関係、タテの関係=対等でない関係」と理解し、「タテはうっとうしい」「ヨコの方がいい!」としてしまうのは些か早計です。
というのも、タテの関係には、それなりの必要性があるはずだからです。
必要性のもとで築かれたタテの関係の代表例といえば「親子」
必要性のもとで築かれたタテの関係の代表例と言えば、親子です。
例えば赤ん坊にとって、保護者や養育者は生きていくうえで必要な存在です。
タテの関係は「必要」に応じて発生する
先生と生徒の関係も、「なければ死ぬ」とまでは言えないにしても、やはり必要な関係でしょう。
つまり、タテの関係は「必要」に応じて発生すると言えます。
保護者が子どもの全てを決めてしまうのは「相互的な関係」とは言えない
タテの関係は、その目的のためであれば、必要な限り認められるべきものです。
ただ、その領分を踏み外してしまうと、それは一方的な関係になってしまいます。
「子どもの保護や成長の為」という目的を超えたところまで上下関係が働き、保護者が子どもの全てを決めてしまうのは、相互的な関係とは言えません。
「共同性」と「相補性」
現実の具体的な人間関係は複雑に見えます。
しかしざっくり考えると、関係というのは「同じか、違うか」という2種類しかなく、あとはその組み合わせに過ぎません。
「人間を基本的に同等であるとみなす」のが社会の基礎、しかし個人はそれぞれ全く違う
「人間を基本的に同等であるとみなす」のが社会の基礎です。
しかしこれは社会という観点から人間を纏めて見たときの考え方であって、個人はそれぞれ全く違います。
関係というのは「同じか、違うか」という2種類しかない
このように、人間には「同じ」と「違う」の2つの側面があります。「全ての人が同じ」なのが社会で、「一人ひとりそれぞれ違う」のが個人です。
「同じ」や「共通」が人々を結びつける絆となり、身近な関係を作る
これに加えて第三の場合があります。
「この人とこの人は、この点で同じ」や「何人かの人は共通だ」という場合です。
この「同じ」や「共通」が人々を結びつける絆となり、身近な関係を作っております。
「同じ」で結びつく関係を「共同性」
このような「同じ」で結びつく関係を、本書では「共同性」と呼びます。「同じ」があれば仲間になりやすいし、共通点が増えれば増えるほど絆が強くなります。
違うからこそ結びつく関係「相補性」
一方で、違うからこそ結びつく関係「相補性」もあります。
お互いにリスペクトして、補い合う関係です。
まとめ 「共同性」は友達や仲間、「相補性」は恋愛や夫婦、親友
「同じ」で結びつく共同性と「違う」で結びつく相補性をより具体的に考えてみると、共同性は友達や仲間、グループが、相補性は恋愛や夫婦、親友が典型的な例です。
共同性は「同じサッカー好き同士で遊ぼう」などといったふうに広がりを持つ、拡張できるという特徴があります。
一方で、相補性はお互いの違いがぴったり合って補い合う形なので、寧ろ閉じた関係性を作りやすいです。
そういう意味で、共同性は社会に近く、相補性はより個人的な性質を持ちます。
一口に身近な関係と言っても、幅があるのです。
【参考】平尾昌宏(2024).『人間関係ってどういう関係?』.筑摩書房

