その立ちくらみ「血が足りない」の?「運べてない」の?|舌でわかる貧血のタイプ
〜8月22日 23:00
徳島の里山で配達専門のお弁当屋を12年、毎日300食作っています。台所に立ち続けて分かったのは、「立ちくらみ=鉄分不足」って話だけじゃ足りないってことでした。
夕方になるとフラッとする。
階段で息切れ。
寝ても疲れが抜けない。
ふっと意識が遠のくような、力の入らない感じ——。
病院で受診したら、「原因不明」健康診断は「異常なし」、こんな不調が続いていませんか。
舌でわかる|あなたはどのタイプ?
**舌は"今のあなたの体の中を映す窓口"**とされています。そういうわけで、舌を見るとタイプが分かります。
明るい自然光の下で、毎日決まった時間に鏡に向かって舌をべーっと出して見ていってください。毎日、時事刻々と変化しているのがわかりますよ。
まずは自分の舌を見て、自分を生かしてくれている臓腑の調子を見てみよう!
(それぞれの原因についてはここに書いてあるよ)

① タンクが空っぽ(血虚)
・こんな人:顔色・唇・爪の色が薄い/髪がパサつく/目がかすむ/眠りが浅い/(女性)経血が少ない
・舌の目印:色が薄く、白っぽい(淡白)
② ポンプが弱い(気虚)
・こんな人:動くと悪化/食後に眠い/疲れやすい/息切れ/声に力がない
・舌の目印:痩せて小さく、力なく、動きが鈍い(痩せてる・薄い・元気がない)
③ 工場が水浸し(痰湿)
・こんな人:胃がチャポチャポ/体が重だるい/むくむ/頭がぼーっとする
・舌の目印:大きく厚い+舌の縁に歯の跡+のり状の白い苔(舌そのものが大きい・歯痕・苔)
④ 道が冷えて流れない(瘀滞)
・こんな人:手足が冷える/肩こり/生理痛や塊/顔色がくすむ
・舌の目印:薄い紫〜青紫っぽい(青紫の斑点)
⑤ 枯れて熱がこもる(陰虚)
・こんな人:ほてる/顔が赤い/のどや肌が乾く/寝汗/夕方に微熱っぽい
・舌の目印:赤くて、苔が少なく、ひび割れ(紅・少苔・亀裂がある)
※舌は前日の飲食や体調でも変わります。毎日の"傾向"を見る目安に使ってね。
※大切なのは自分の舌を比較。昨日と今日、1ヶ月前1年前と比較してみて。
📖 ことばメモ:5つのタイプの( )内は"中医学の名前"
・血虚(けっきょ)=血が足りない(タンクが空)
・気虚(ききょ)=血を作り動かす気が足りない(ポンプが弱い)
・痰湿(たんしつ)=余分な水が溜まっている(工場が水浸し)
・瘀滞/瘀血(おたい/おけつ)=血の流れが滞っている(道が冷えて流れない)
・陰虚(いんきょ)=うるおいが枯れ、逆に熱がこもる(枯れて熱をもつ)
弁当屋12年と、断食で気づいた「順番」
実は先日、在京の娘の体調不良をきっかけに、私も一緒に3日間の断食をしました。
断食をすると、毎回フラフラや立ちくらみが出ます。「食べてないんだから当たり前」——でも、こういう体の見方を知ると、そう単純じゃないと分かる。断食は、"もともとどういう体質だったか"をあぶり出すんです。
実はこのフラフラ、体の**"血のガス欠状態"**ととらえると、すっきり説明がつくんです。ガス欠には、**タンクが空っぽ(血が足りない)**のと、**ガソリンはあるのに運べてない(気が足りない)**のと、**そもそも工場が動いてない(作れてない)**のがあるんです。
今日は、市販の薬膳より一歩ふみ込んで、あなたのフラフラがどのタイプかを舌で見分けて、タイプ別の"台所養生"までお伝えします。しかも——「何を食べるか」の前に、まず"引く"養生の話から。ここがいちばん大事なので。
なぜフラフラする?=頭にガソリン(血)が届いてないから
そもそも血は、全身をめぐって体を養う「栄養そのもの」。その血が足りないと、いちばん高い場所にある頭への供給が、真っ先に滞ります。
立ちくらみ・めまい……頭にガソリン(血)が届かず、フラッとする
意識が遠のく感じ……頭が養われず、意識が「ふーっ」と抜ける
この「足りない」状態には、「虚(きょ)」 という名前がついています。血や潤いが足りないと、五つの臓(肝・心・脾・肺・腎)がそれぞれの仕事を果たせなくなる。だから貧血は"血液の成分"だけの問題じゃなく、全身の不足のサインなんです。
📖 ことばメモ:「虚(きょ)」ってなに?
体に必要なもの——気・血・うるおい(津液)——が「足りない」状態のこと。
これには対になる言葉があります。
・虚(きょ)=足りない(体を守り・動かす力="正気"が不足)
・実(じつ)=多すぎる・溜まっている(体に悪さするもの="邪気"が余っている)
治し方もちょうど裏返し。
足りない(虚)は補い、余分(実)は引いて減らす。
この記事の「引いてから、足す」は、じつはこの基本にそったやり方です。
カギは「作る」と「動かす」の両輪
血には、作られる段階と、動かされる段階があります。
作るのは「脾(ひ)」……消化吸収の司令塔。でも、胃がちゃんと消化してくれないと、脾は材料をもらえず血を作れない。
動かすのは「気(き)」……作った血を全身へ、頭へと運ぶ力。だから、血があっても気が足りなければ、頭まで運べずフラフラする。
📖 ことばメモ:「脾(ひ)」と「気(き)」
・脾(ひ)……食べたものから気・血・うるおいを作り、全身に配る"消化吸収の司令塔"。
※西洋医学でいう脾臓とは別もので、胃腸のはたらき全体をさすイメージ。
ここが弱ると、血が作れません。
・気(き)……体を動かし・温め・守る、目に見えない"エネルギー"。血や水を全身にめぐらせるのも気の力。足りないと「気虚(ききょ)」に。
「血はあるのに、届かない」。これが、鉄分を足すだけじゃ解決しない大きな理由です。
【いちばん大事】血は"足すだけが正解じゃない、引くことも大事"|食べなくてもできる養生
ここが、他ではあまり言われないところ。世間は「血に良い食べ物を足しなさい」ばかり言います。でも——
血を作るのは脾。その脾は、体が冷えて固まっていたり、胃の中が水浸しだったりすると、働けません。
受け入れる側の準備ができていないところに栄養を入れても、行き場を失うだけ。だからこそ、「引いてから、足す」という順番が大事なんです。
食べなくてもできる養生を、4つ。
① 温める・冷やさない
冷えて固まると、いくら栄養を摂っても全身に血がめぐりません。
シャワーで済ませず、湯船に浸かる
お風呂の中で、ふくらはぎや首すじをほぐす……足元に溜まりがちな水や血を、下から上へ流すイメージで
レッグウォーマーで足元を守る……下半身を冷やさないだけで、めぐりの道(経絡)が滞りにくくなります
② 動いて、めぐらせる
じっとしていると血はめぐりません。でも激しい運動はいりません。
スワイショウ(腕振り)……遠くの山を見るくらい力を抜いて、重心を下に置き、腕をぶらぶら振る
歩き方を変える……重心を下に乗せて、後ろの地面を蹴り出す、とか楽しむつもりで下半身を動かしてみる。階段をのぼったり、おりたりもいい。
③ 胃腸を休める・助ける
血を作る工場(脾)を働かせるには、食べ方にもコツがあります。
よく噛む……いちばん簡単で、いちばん大事な養生。胃腸の負担が減って、効率よく血が作れます
あえて食べない……食べすぎで熱がこもっているときは、いったん胃を休める(=プチ断食)ことが、めぐりを取り戻して、めまいを鎮める"治療"になることもあります
④ 「意図(イメージ)」を持つ
不思議に聞こえるかもしれませんが、**「気を、どこへ届けたいか」という"意図"**が、養生の効きめを左右すると言われています。
大事なのは、"食べたいものを想像する"ことではありません。 (それだと、かえってお腹が空いて悲しくなるだけ(笑)。)
そうではなく、「気を、どこに、どう動かすか」を体に教えてあげるイメージです。
手足が冷える人は……「あたたかい気が、指先まで届いていく」ようなイメージを持ちながら手先をさする
むくみが気になる人は……「余分な水を、腎(じん)が引き受け捨ててくれる」イメージを持ちながら黒豆食べる
全身に**「めぐらせる」のか、必要な場所に「貯金する」**のか。その"意図"があるだけで、気力が効率よく流れます。
▷ かけっこと同じ。「自分はチーター」と思って、チーターのモノマネのつもりで、後ろ足で地面を蹴るイメージを持つと、力まなくても自然に前へ進む、、?(私は徒競走嫌いだったからやったことないけど考えてみた)。
実は、そんなふうに自分の体は"イメージした通り"に動いてくれるんです。
そして——料理を作る私たちも同じ。
「今日はこの人の冷えに効かせよう」と意図して作ると、その気は食べた人の体にちゃんと届く、と言われています。
ひとつだけ条件があります。それは「信じること」。
「どうせイメージでしょ」と疑っていると、体は反応しません。イメージを"確信"に変えられたとき、はじめて気力は動き出します。
「どこを良くしたいか」を決めて動く——目標を立てて実行する、ビジネスマインドと根っこは同じです。
タイプ別|なぜ起きる?と、台所の養生
体の器が整ったら、いよいよ"足す"番。

でもその前に「なぜ自分はこのタイプなのか」を、体の中の5つの働き(五臓)からのぞいてみましょう。
同じ症状でも、原因"担当している係"がちがう——ここが、いちばんおもしろいところ。
(🟢肝・🔴心・🟡脾・⚪肺・⚫腎。どの臓?が原因なの?名探偵になった気持ちでその要因を探ってみてね)
① タンクが空っぽ(血虚)=血そのものが足りない
犯人は主に、脾・肝・心。
🔍 なぜ、血が足りなくなる? 🟡 脾・胃:食べたものを消化して、血の材料を作れない(脾胃虚弱) 🟢 肝:血を貯めておけない。肝は"血の貯金箱"で、ここが弱ると全身に配れず、めまい・しびれも(肝血不足) 🔴 心:血を全身のすみずみまで流すのが心。考えごと・寝不足でそっちにエネルギーを使いすぎる(心血虚) ・ほかに、血が血管からもれる(脾の"見張り"が弱る)/月経・怪我や手術などで大量の出血・過労で出ていく ・根っこの力(腎の"生命の素")が足りず、血のもとを作れないことも(精血同源)
→ だから:脾(工場)を助けて、肝に貯める血を養う。
色の濃い野菜や食材(黒豆・黒ごま・ほうれん草・ぶどうなど)。レバー・赤身肉など肝臓や血そのもの、もっというと植物の根っこと茎の境界の部分がまさに脾の働きをしているのでほうれん草の軸の下の方と根っこの部分とかおすすめ!
② ポンプが弱い(気虚)=血を動かす力(気)が足りない
犯人は主に、脾・肺・腎・心。
🔍 なぜ、運べなくなる? 🟡 脾:気や血を作る工場の力が落ちている(脾気虚) ⚪ 肺:呼吸で気を取り込み、全身へめぐらせる力が弱い(肺気虚) ⚫ 腎:生まれ持った"元気の貯金"が減っている(加齢・働きすぎ)(腎気虚) 🔴 心:血を押し流す力が弱い(心気虚)
→ だから:気を補う。大豆や小麦のように食べたらおならがよく出るようなもの、、そして「よく噛む」こと自体が、気を作る立派な養生。
③ 工場が水浸し(痰湿)=余分な水が溜まっている
犯人は主に、脾・肺・腎・食べ方。
🔍 なぜ、水が溜まる? 🟡 脾:脾が弱ると水をさばけず、余分な水がたまって"痰"に(脾虚生湿) ⚪ 肺:肺は体の"水の通り道"を整える係。ここが乱れて、水がはけない(通調水道の乱れ) ⚫ 腎:いらない水を汗や尿にして"捨てる"力が落ちて、水がたまる(腎の"水を主る"働きの低下) 🥢 食べ方:冷たい飲み物・甘いもの・水分のとりすぎで、胃腸が冷え固まって働けない
→ だから:まず水を引く。とうもろこし・はと麦・冬瓜・生姜。冷たい甘い飲み物を減らすのが先
④ 道が冷えて流れない(瘀滞)=血はあるのに流れが滞る
犯人は主に、ストレス・冷え。
🔍 なぜ、滞る? 🟢 肝:ストレスで、気血をスムーズに流す働きが止まると、血も止まる(気滞→血瘀) ❄️ 冷え:冷えて血が固まる(寒凝血瘀) 💨 押す力不足:気が足りず、血を押し流せない(気虚血瘀) ・血が止まると、また気の流れも止まる…の悪循環
→ だから:温めてめぐらす。生姜・ねぎ・シナモン・玉ねぎ・青魚
⑤ 枯れて熱がこもる(陰虚)=うるおいが枯れて、逆に熱がこもる
犯人は主に、肝・腎。
🔍 なぜ、枯れて熱がこもる? 🟢 肝:血を貯めておけないと、うるおい(陰)まで足りなくなり、体に熱がこもる(陰虚内熱) ⚫ 腎:うるおいと"生命の素"の土台が、加齢・働きすぎで減る(腎陰虚) ・血が足りない状態が続くと、うるおいまで枯れる(血とうるおいは、もとが同じ/津血同源) ・寝不足・辛いもの・熱の出る病気も、うるおいを削る
→ だから:温めるのはNG。潤して、休ませる。白きくらげ・れんこん・豆腐・梨。しっかり眠り、水分をとって、体を休ませることが何よりの養生
調理の"ちいさな技"でも変わるよ!
同じ食材でも、火の入れ方で働きが変わります。
強火でさっと、香りを立てる……気を"めぐらせる"方向(③痰湿・④瘀滞の人に)
弱火でコトコト、煮詰める……力を"溜めて補う"方向(①血虚・②気虚・⑤陰虚の人に)
「今日はこの人の、どこに効かせたいか」。作る側のその意図が、ちゃんと届きます。

▶︎私の場合は、冷たいコーヒーと甘いお菓子の飲みすぎ食べすぎで、胃の中が水浸し(③痰湿)で、しかも冷えて硬い(④)状態でした。だから工場が動かず、備蓄も少なく、早い段階でフラフラが来ていた。
そこで腑に落ちたんです。血を足す前に、まず胃の中の余分をのけて、脾が働ける状態を取り戻す。回復食こそが本番、と。だから断食明けの最初のひと口は、とうもろこしを焼いたものや、さつまいものとろとろスープから。まず引いて、脾を元気にして、後で養うものへ——この順番でした。
知識は、自分を責めるためじゃなく、自分を赦すために使いたい。 「なぜ今フラフラしているのか」が分かると、焦らなくなる。焦らなくなると、体にやさしくなれる。体にやさしくなれると、回復が少し早くなる。こういう体の見方を学んでいて良かったと思える、数少ない瞬間のひとつです。
こんな時は病院へ|受診の目安
食養生は、あくまで日々の"整え方"です。次のような場合は、自己判断せず医療機関へ。
立ちくらみで倒れた、意識を失ったことがある
安静にしていても動悸・息切れが強い
生理の量が急に増えた/長引く(婦人科へ)
黒い便・血の混じった便が出た(消化管出血の可能性・内科へ)
顔色の悪さや強い倦怠感が数週間続く
これらはほかの病気が隠れていることもあります。「自分で養生できる」で済ませず、まず検査を。 客観的な指標があっての食養生。
まとめ|実は、これぜんぶ「中医学」なんです
同じ「フラフラ」でも、その奥では——血が足りないのか、運べていないのか、そもそも作れていないのか、人によって違います。それを舌ひとつから読み解いて、足す前にまず引き、根っこから整えていく。
ここまで、舌をのぞいたり、"足す前に引く"を考えたり——実はこれ、ぜんぶ「中医学」という、何千年もかけて磨かれてきた体の見方なんです。難しそうな名前だけど、やっていることは「自分の体をよく見て、順番に整える」だけ。それだけなんです。
「自分はどのタイプ?」「季節ごとの整え方を全部知りたい」という方へ——症状・体質別の食養生をまとめた保存版を、メンバーシップ〈YOME厨房なっちゃん、今日はどう?〉でお届けしています。コーヒー1杯分で、自分の体の取扱説明書を少しずつ。
さて、あなたは今どのタイプだった??
コメントで教えてね。
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7月23日 23:00 〜 8月22日 23:00
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