【令和8年8月1日施行】出生時育児休業給付金の申請で「申告する賃金」の考え方が変わります
こんにちは、岐阜県各務原市で社会保険労務士をやっております横山 勝です。
創業間もない会社や中小事業者の労務サポートをしています。
「制度改正」と聞くと、給付額や対象者が変わると思われる方も多いかもしれません。
しかし、令和8年8月1日から始まる今回の改正は少し違います。
変更されるのは、出生時育児休業給付金(産後パパ育休)の申請時に申告する賃金の考え方です。
給付金の額や受給要件が変わるわけではありません。
一見すると小さな変更にも思えますが、実務では給与計算や給付金申請に関わる担当者ほど影響を受ける可能性があります。
今回は、この改正のポイントを整理します。
🔷何が変わるの?
これまでの申請では、
「出生時育児休業期間を対象として支払われた賃金」
を申告していました。
令和8年8月1日以降に開始する出生時育児休業からは、
「出生時育児休業期間中に支払日のある賃金」
を申告する取扱いへ変更されます。
言葉だけを見ると似ていますが、「休業期間を対象にした賃金」から「休業期間中に支払日がある賃金」へと基準が変わることになります。
つまり、何を基準に賃金を確認するかが変わるということです。
🔷なぜ見直されるのでしょうか?
厚生労働省は、この見直しについて、
出生時育児休業中の賃金の申告について、申請の早期化を図るため
と説明しています。
従来は、休業期間に対応する賃金額が確定するまで申請しづらいケースもありました。
今回の見直しによって、確認すべき内容が整理され、申請をより早く進められるようになることが期待されています。
制度そのものを変えるというよりも、実務をスムーズにするための改正と考えると分かりやすいでしょう。
🔷分割取得する場合は特に注意
出生時育児休業は、一定の条件のもとで分割して取得できます。
この場合は、休業と休業の間に勤務した期間が生じます。
今回の改正では、その就労期間中に支払日のある賃金も確認対象になるため、給与担当者や申請担当者は注意が必要です。
「休業と休業の間に勤務した期間の賃金は対象外だろう」と思い込んでしまうと、申告内容を誤るおそれがあります。
🔷実務担当者が今のうちに確認しておきたいこと
今回の改正は制度の大幅な変更ではありません。
しかし、申請時に確認するポイントが変わるため、社内での運用を見直しておくことをおすすめします。
例えば、
給与の締日と支払日の確認
出生時育児休業取得者の給与支給スケジュールの確認
給付金申請の社内フローの見直し
顧問社会保険労務士との情報共有
こうした点をあらかじめ整理しておけば、実際に育休取得者が出た際にも慌てず対応できます。
🔷小さな改正ほど見落としやすい
法改正というと、大きな制度変更ばかりが注目されます。
しかし、実務では今回のような「申請方法」や「取扱い」の変更の方が、日々の手続きに影響することも少なくありません。
制度を知っていても、申請方法を以前のまま覚えていると、思わぬところで手戻りが発生することがあります。
だからこそ、小さな改正も早めに確認しておくことが大切です。
🔷まとめ
今回の改正は、給付金の制度そのものが変わるわけではありません。
しかし、申請時に確認するポイントが変わることで、実務担当者の対応にも影響が生じます。
こうした「手続きの見直し」は大きなニュースにはなりにくい一方で、実際の現場では戸惑いにつながることも少なくありません。
育児休業の取得は今後も増えていくことが予想されます。
いざというときに慌てないよう、給与の支払日や申請の流れを一度確認しておくと安心です。
制度改正は「知っているかどうか」が実務のスムーズさを左右します。
小さな変更だからこそ、早めに確認しておきたいですね。
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