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【続】東大入試での3大予備校の難易度評価からの合格最低点の回帰予測(残差分析補強版)

前回、東大入試に対する3大予備校の難易度評価と合格者平均点の前年変動のデータを元にして回帰分析を行って、2026年度の合格者最低点の回帰予測値を算定してみました。

この記事に対して、noteでもXでも「2025年度の回帰予測値と実際値の差を教えて欲しい」というコメントがつきました。今年の東大入試を受験した方が、2026年度の回帰予測値の確からしさとブレ幅を知りたくて、コメントされたと推察できます。回帰分析の残差に注目して、きちんと確認しようとする姿勢は、さすが東大受験生です。

そこで、前回の回帰分析について残差を分析してみましたので、こちらも記事にしてみます。

0. まとめ

  • 3大予備校の東大入試の難易度評価と合格者平均点の変動は弱め相関(決定係数:0.3程度)であり、残差は各科目ごとに標準偏差:4.5(点)で存在する。

  • 科目間の難易度評価は独立と考えられるため、5科目合計での標準偏差は10.1(点)となる。

  • 2026年度の東大入試は各社とも難化傾向の評価が多く、回帰予測値は文系・理系ともに各科類とも総合点(550点満点)で前年▲10点程度となっている。これに残差分布を加味すると、2026年度の合格最低点は前年同等〜▲20点の幅に概ね収まる(発生確率:約7割)と考えられる。

1. 各科目の残差の分布

今回の回帰分析は、2020〜2025年度の東大入試の各科目ごとに、3大予備校(駿台・河合・代ゼミ)の難易度評価と合格者平均点の前年変動の関係を分析しました。対象データは71件でした。回帰分析は予備校ごとの評価を分割した重回帰分析と、3社の評価を合算した単回帰分析の2パターンを行っています。

この71件に対して、重回帰・単回帰のそれぞれの残差を計算して、その分布を集計したのがこのグラフです。

グラフ1

概ね左右(残差プラス・マイナス)が対称的に分布しており、悪い感じではないです。重回帰・単回帰のそれぞれで残差分布を統計分析すると、こうなりました。

  • 重回帰の残差分布
    平均:0、標準偏差:4.589
    尖度:1.366、歪度:0.105

  • 単回帰の残差分布
    平均:0、標準偏差:4.443
    尖度:1.949、歪度:−0.216

正規分布ではないですが、尖度と歪度を見ると、大きくは逸脱していないレンジと考えられます。また、標準偏差は重回帰も単回帰もほぼ同じ値となっています。そのため、2つの標準偏差の平均4.5を用いて、科目ごとの予備校難易度評価からの合格者平均点変動の回帰予測の残差は、正規分布 N(0, 4.5^2)に従うものとして扱って、今後は分析を進めることにします。

2. 残差が合格者最低点予測に与える影響

科目ごとに見ると、予備校の難易度評価と合格者平均点の前年変動の回帰予測値の残差は、標準偏差4.5(点)で分布することがわかりました。ただ、これは科目ごとの残差です。科類ごとの合格者最低点予想は4教科5科目を元にしているため、5科目合計の残差の変動幅を見る必要があります。

予備校の各科目ごとの難易度評価は独立して評価されていると考えられます。そのため、各科目ごとの残差の分布も独立と考えてよさそうです。そうであれば、単純に平均・分散を合成すればいいので、5科目合計の残差分布は平均:0、標準偏差(σ):4.5×√5=10.1と計算できます。

前回、各科類の2026年度入試の合格最低点の予測値は、このように回帰予測していました。

表1

この2次変動の部分(回帰予測値)に、残差がσ:10.1で存在するため、合格者最低点予測値も同等のσ:10.1の残差が存在すると言えます。正規分布であれば、±1σ=68%(約7割)なので、これくらいの幅で予測値のバッファを見れば十分と考えられます。この±1σを計算して、回帰予測値と合わせてグラフに示すと、このようになります。

グラフ1

合格者平均点の前年変動の回帰予測値が▲10点前後で、それをそのままスライドさせて合格者最低点の回帰予測値としている中、σ:10.1とほぼ前年減少予測値と同じのため、上端と前年値が近接する結果となっています。ただ、これは偶然として診てもらうのがよいです。

残差±1σの幅(発生確率68%)でみると、東大のどの科類でも2026年度入試の合格者最低点は前年同等〜▲20点くらいの幅に入りそうです。SNSでは合格最低点の300点割れを期待する投稿が多いですが、文三・理一・理二ではあり得ても、文一・文二は300点は割らなさそうな印象です。

残差が正規分布する前提の下で、得点別の合格可能性を科類別に計算するとこうなります。

表2

3. まとめ

残差分析を行っていて気付いたことは、予備校が東大入試の難易度を「前年並み」と見ている際には、平均点±0点ではなく、多少のプラスマイナス変動(±2点=±0.5σ)は当然のこととして発生するということです。そのため、複数科目で前年並みという評価であっても、平均値の合計が前年±0近辺には必ずしもならなくなります。

例えば、英国理科2科目の4科目について、予備校の難易度評価が全て前年並みであっても、それぞれの平均点が全て前年+2点の場合には、4科目合計での平均点は前年+8点の易化となります。この時に、残る数学が難化して平均点が前年−6点であっても、5科目合計の平均点は前年+2点の上昇です。表面的には予備校評価は「数学だけ難化、他は前年並み」であっても、5科目合計の平均点は前年より上がって、合格最低点も上がりうるということです。

そうした読み違いの発生確率も計算しようと思えばできるのですが、元の回帰予測の精度が高くない(決定係数0.3)なので、あまり厳密にやっても仕方ないかなと考えています。あくまで、東大の合格最低点の一つの予測として受けてとめてもらえればと思います。

本記事をご覧頂いた東大受験生の皆さんに、3/10(明明後日)に合格通知が届くことを願っております。

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