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死なないための読書論。私を生かしてくれた本【YeKuになんでも質問コーナー】

「YeKuになんでも質問コーナー」へようこそ! 
メンバーシップの会員様限定でご質問を受け付ける、この大人気(?)企画。

今回も、皆様からの熱いご質問にお答えしたいと思います。

今回いただいたご質問はこちらです。

YeKuさんが今まで読んだ本の中で「人生が変わった!」と思う1冊を選ぶとしたら何ですか? また、YeKuさんにとって本とはどんな存在ですか?

いつもありがとうございます。

私にとって本とは何か。
短く表すなら、それは以下の二つでした。

・世界への窓口
・安心できる居場所

詳しくは以下の記事にも書きましたが、本を読むことは「会ったこともない誰かと話ができる」「自分の現状がどうであれ、主人公になりきって冒険ができる」という体験そのもの。

まるで異世界転生みたいな経験です。

特に子どもの頃は今よりもずっと想像力があって、心も柔軟でしたから。

私にとって本は逃げ場であり、支えでした。
耽溺することで半分現実の世界からいなくなっていたとしても、それでも私の心を救ってくれる。唯一の存在だったんです。


子どもの頃の私、生きづらかったです。
今も別に生きやすくはないですけど。

特に子どもの頃は親の制御下で激しい抑圧を感じていましたし、周りにもなじめない。うまくいかないことばかりで、息が詰まるような毎日でした。

でも本を読めば、私は素敵なお姫様だったり、勇者様だったりします。

一方で、本を読めば読む程語彙が豊富になって、同い年の子とは、ますます話が通じなくなりました。
周囲が無知蒙昧に見えてくるのです。

それってある種の妄想と言うか、ちょっと現実から乖離していて良い状態ではありません。でも、現実を見過ぎたら壊れていたとも思うんです。現実はいつも惨めです。

だから私にとって本は明確な「救い」でした。

図書館にある本、特に小説はすべて読みつくすぐらい通ってしまった私ですが、どちらかというと海外文学の方が好きでした。

特にドストエフスキーとモンゴメリが好きです。未だに本を物理的に所持しているのはこれらのお気に入りの作家さんだけですね。

(でも、うっかり子どもの頃にスティーヴン・キングの『ミザリー』とか『IT』とか……を読んでしまい、いまだにトラウマチックなイヤーな思いを抱え続けていますが……)


そんな中で、やっぱり思い出深い「人生の一冊」と言えば、J・K・ローリングさんの「ハリー・ポッターシリーズ」が挙げられます。

今は「ウィザーディング・ワールド」として「ファンタスティック・ビースト」シリーズなどにも設定が受け継がれていますね。

ちょっとありふれているかもしれないのですけど…。

正直、10歳前後の子どもにとって、『ハリー・ポッターと賢者の石』以上にワクワクする物語ってあるでしょうか? 

イギリスの魅力的で面白い文化。不遇な状況にあるハリー。ある日突然、「魔法学校」への入学許可証が届く。そして露になる自分だけの「能力」。

しかも、ハリーには出生の時から因縁のある敵がいて、大いなる戦いに巻き込まれていくのです……。

「自分自身に意味があって、託された使命がある」
「自分の力を伸ばし、試したい」

これって本当に…特に自分を見失って、打ち砕かれている時。
喉から手が出るほど欲しい時がありますよね。

自分だけの才能を見出し、使っていくのは快感であることがあります。
素晴らしく気持ちよい物語です。

同世代の方なら、一度は「私にもきっと、魔法学校からの招待状が届くに違いない」とワクワクしたのではないでしょうか。

でも大人になって考えると、与えられた「何者か」になることよりも、自分自身がなりたい自分を目指し、生きていくことの重みをしみじみ感じています。

どんな環境でも、どんな運命でも、自分らしく、幸せでいること。

確かにハリーは「生き残った男の子」「選ばれた男の子」です。
でもそれがハリー自身の人格じゃない。

ハリーを厳しい叔母夫婦の元に残したダンブルドア校長の判断には、色々な考えがあったと思います。

  • 血の守りでハリーを保護したい

  • 最初から魔法界の英雄としてもてはやし、第二のトム・リドルのように驕り高ぶってしまうのを避けたい

  • ハリーをそばに置いて情を移したくない(どうせあとで死なせなければならない)

少し前はダンブルドアを「ひどい」と思っていましたが、良い見方をすると…。

ダンブルドアは、ハリーが「自分らしくあること」を奪いたくなかった。子どもらしい成長の時間を残してあげたかった。そのロマンティシズムのために、そうしたのかもしれません。

(その結果、ハリーは無駄な逆境体験を受けることになってしまいましたが……)

だから、今日、私に魔法学校からの手紙が届いても、届かなくても、いいいんですよね。

どんな状況でも、自分の知恵や判断を駆使して乗り越え、小さな喜びを拾っていく。その営みが、愛おしいものなんです。


それでも、ハリー・ポッターシリーズは、私にとって生きる希望でした。

当初はだいたい毎年発売されていたので、ハリーと一緒に年を取っていくことができました。次の巻が発売されるまで、何回も何回も過去作を読み返していました。

だから、

「どんなに辛いことがあっても、ハリー・ポッターシリーズを最後まで読むまで死ねない」

こんな風に思っていました。
そうでなければ、どうなっていたか分かりません。

素晴らしい小説は人に生きる希望や、意味をくれるものなんですね。
あなたにも、そんな、生きていくための希望がありますか?


回答は以上です。 
最後までお読みくださり、ありがとうございます。
少しでも、「へぇ~!」とか「面白かった!」とか何かあれば嬉しいです。

ご質問いただき、そして記事を読んでくださり、本当にありがとうございました。


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