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目の前に相手がいても、「優しさ」で見えなくなってしまう時

「あの人はどうして、あの程度のことが耐えられないんだろう」

あるいは、

「あの人は耐えているのに、私には耐えられない。私は弱い」

と思ったことがあるでしょうか。

私は思ったことない……と言いたいのですが、正直、結構、あります。

例えば、私は外に出るのが苦手です。
「むしろ閉じこもっているとつらい。外に出たい」という人もいるみたいなのですが、実は、あまり理解できていません。

ジェットコースターとかも苦手です。新しいことは好きですが、動揺するのがあまり好きではありません。けれど、大好きだという方もいらっしゃいます。

私たちが人の話を聞いて、

「それって…」

と話し始める時、

「つらいよね」
「楽だよね」

相手の目線に立てば、どっちの可能性も、多分あります。

予想と反したとしても、相手が「変わっている」のではなく、ただ相手がありのままの感性でいる。それだけ。聞いた側が、あえて評価する必要もないのだと思います。

私たちは、それぞれ異なる脳を持ち、世界を独自のフィルターを通して捉えています。目に見えている世界、感じること、何もかも、隣の人とは違う可能性がある。

私たちは違いすぎる。同じにはなれない。

少し話は変わりますが、医療の世界では、「痛みのレベル」をはかるために、スケール法が使われることがあります。

例えば、10段階くらいの目盛りを用意して、人生最大の痛みが10だとして、どのくらい痛い? とか聞いてみるんですよね。
(以前、医療関連のシステムを作っている時に知りました。)

そこまでしないと分からないぐらい、「どのくらい痛いか」「どのくらい辛いか」には個人差がありますし、定量的に測るのが難しいものです。

心の痛みも、同じじゃないでしょうか。

本来は、「どのくらい、辛いの?」と聞いてみないと、確たることは分からない。

共感力の高い人は、他人の痛みや苦しみまで自分のことのように考えてしまうことがあります。

それは「優しさ」と呼ばれるかもしれません。

けれど、共感が強すぎて、あまりにも自分を相手に当てはめてすぎてしまうと、むしろ相手のことが見えなくなってしまうことがあります。

自分にとって「10段階中10の痛み」と思っていることが、相手にとっては「10段階中5の痛み」かもしれないとは、考えづらくなる。

逆もしかりです。

それが「優しさ」なのかどうか、私には分かりません。

「あなたはこれだけ痛いでしょう」
と決めつけるのは、
「その程度、辛くないでしょう」
と言われるのと同じくらい、時に人を追い詰めることがあります。

「誰かの痛みや苦しみを想像する」ことは大切なのかもしれませんが、相手が目の前にいるなら、ただ、

「その状況、私だったら、すごく辛いと思うけど、あなたはどう感じているの?」

と聞いてみるのも、大切だと思うんですよね。


「共感」が私たちをむしろ断絶してしまいやすいのは、日常生活だと、特に「生理痛」でしょうか。

生理痛には、個人差が大きいです。
軽い人は日常生活にほとんど影響がないけれど、重い人はお腹を抱えて脂汗を流し、歩くのが困難なほどの苦痛を受けることもあります。

私は比較的軽い方です。

けれど、私の学生時代の友人は、かなり重い方でした。
期間中は青い顔で、歩くのもしんどそうにしていました。

友達がそうだったので「重い人は本当に辛いんだ」と「知る」ことが出来ました。

しばらく前に、後輩が、生理休暇を取りづらいと言っていました。

「生理くらいで休むなんて」

実際に苦しんでいる人にとっては無神経で、絶望を与える言葉でしょう。

けれど、私は「女性だから、生理が大変だろう」と先入観で決めつけられるのも、少しだけ釈然としない気持ちがします。

他人の痛みは計り知れない。

自分の痛みや苦しみを評価できるのは、自分自身だけです。

そう考えると、「他人がどう感じたか」に寄り添うなら、「もしかしたら、こうかもしれない」と色んな可能性を考える。
それが、むしろ、他者と本当の意味で共感し合うための、第一歩になるのかもしれません。

他人と苦痛を比べ合ったり、過剰に捉えたり、見下したりするのではなくて、他人の体を、心を、感性を、考えを、知る。

私たちは違いすぎる。
でも、それでいいんだ。

そんな風に、相手の存在をうまく尊重できたら。
少しだけ優しい世界に、つながっていく気がします。


▶メンバーシップで、この件について、さらに別の角度からも書きました。最初の1000文字は、どなたにもお読みいただけます。
自分にも「優しく」できれば、優しさは巡り、「絆」に変わる。

#YeKu #メンタルヘルス #人間関係の悩み #共感 #想像力 #生理痛 #生きづらさ #多様性


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