私たちの「レンズの歪み」の種類とその対処。【はたらく人のメンタルケア】
「認知」と聞くとちょっと専門的で難しく感じてしまいがちですが、私たちが世界を見る時に使っている「メガネのレンズ」みたいなものなんです。
例えば、嫌なことがあった時、
「これからもずっと嫌なことが続くに違いない」と考える人と、
「次はいいことがあるだろう」
と考える人とでは、後者の方がストレスに強い認知をしていると言えそうですよね。
精神科医アーロン・ベックが基礎を築き、彼の弟子であるデビッド・D・バーンズが発表した「認知の歪み」と呼ばれる概念は、まさにこの違いを理解し、改善するためのものです。バーンズは、日々の生活において多くの人が陥りがちな認知の歪みと、その改善法を提唱しました。
そして、この「心のクセ」を改善することでうつ病などに対処し、より良い人生を目指すのが「認知行動療法(CBT)」と呼ばれる精神療法です。
認知行動療法は、今まさにうつ状態にある訳ではなくても予防のために大切な概念で、多くの研究で効果が認められている手法です。
今日は、バーンズが提唱した10の認知の歪みについて、簡単な実例と解決策を添えてご紹介します。
知っただけですぐに改善される訳ではありませんが、ご自身の状態を知ることが第一歩です。少しずつでも意識して取り組むことで、ストレスに強い認知を育むことができるはずです。
1. 白黒思考(All-or-Nothing Thinking)
全でなければ無である、敵か味方である、というように、何事も100点満点でなければ物事をポジティブに捉えられません。
実例としては、試験で90点を取ったのに、「満点じゃなかったから失敗だ」と考える。
解説記事
2. 過剰な一般化(Overgeneralization)
現実的には間違っていても、思考停止して過大な一般化を試みます。
実例としては、一度の失敗で「私は何をやってもダメだ」と考えたり、一度運の悪い出来事があっただけで、「私の人生、これからもろくなことがないに違ない」と考えるなど。
解説記事
3. 精神的フィルター(Mental Filter)
自分にとってネガティブなことばかりをクローズアップして捉えてしまう。
実例としては、多くの高評価を受けているのに、一件でもネガティブなコメントがあると、他のポジティブなフィードバックが目に入らなくなるなど。
解説記事
4. ポジティブな出来事を無視する(Disqualifying the Positive)
ポジティブな出来事を無かったかのように捉えてしまいます。
実例としては、褒められても「ただのお世辞だ」と考える。成功しても、「たまたまだ」と考えるなど。
解説記事
5. 結論の飛躍(Jumping to Conclusions)
結論を急ぎ、現実的ではない判断を下してしまいます。
実例としては、友人が返事をくれないと、「自分は嫌われている」と結論づけるなど。
解説記事
6. 誇張(Magnification)と縮小(Minimization)
都合の悪い点を大きく捉え、良い点は矮小に捉えます。
実例としては、小さなミスを大問題と捉えてしまうのに、自分の成功は「気のせい」「まぐれ」として矮小化してしまうなど。
解説記事
7. 感情的決めつけ(Emotional Reasoning)
論理性や合理性よりも感情に基づいて判断を下してしまいます。
怖いと感じるから「危険だ」と思い込む。
嫌いだから「ダメだ」と判断するなど。
感情を判断の根拠にしてしまうのですね。
解説記事
8. すべき思考(Should Statements)
「~すべき」と決めつけがちになります。
「もっと頑張るべきだった」と自分を責めてしまうなど。
解説記事
9. レッテル貼り(Labeling)と過度の自己批判(Mislabeling)
自分や他人にレッテルを貼り、過剰に責め立ててしまいます。
「自分はダメな人間だ」と自分を全否定するなど。
解説記事
10. 個人化(Personalization)
なんでも自分と関連付けてしまいます。
他人の失敗や、機嫌が悪いのは「自分のせいだ」と考えるなど。
解説記事
いかがでしょうか。
ここから先は
最後までお読みいただき、ありがとうございます! 「役に立った」「読んでよかったな」と思っていただけたら、無理がない範囲で応援いただけると嬉しいです。 いつも、皆様のあたたかいお気持ちで活動できています😊
